「銃剣道」の授業・小さな教育情報
上の画像はある中学校の剣道の授業計画です。最後の10時間目にご注目下さい。「銃剣道」とあります。
これは『月刊武道』(2021年7月号)に掲載されている長野県の梨子田昌央先生の「コロナ禍でも実施できる剣道と銃剣道の授業例」という実践報告です。
意外と知られていませんが、学習指導要領の中学校・保健体育の「武道」には次のように書かれています。
「学校や地域の実態に応じて、空手道、なぎなた、弓道、合気道、少林寺拳法、銃剣道などについても履修させることができる」
これについて各マスコミや某県知事などが「軍国主義への回帰」だのと騒いだのが記憶にある方もいらっしゃるでしょう。私の友人も勤務校で銃剣道部を作ろうとして待ったがかかりました。
しかし、それって職業差別ならぬ武道差別、スポーツ差別ではないでしょうか。もう、いい加減にこういうことはやめてもらいたいです。
そもそも格闘技等の出生はどれも自衛のためにせよ相手の殺傷を目的とした所から始まっているはずです。しかしその後は体力増進、健康維持、心身の鍛錬などを目的とした「武道」として再生されているわけで、それは銃剣道も同じです。
梨子田先生の報告によれば当地・長野県では2028年の国民スポーツ大会で銃剣道が実施されます。この10時間目は地元の銃剣道連盟から指導者を迎えて、模範演技を見たり、実際に木銃を使って新聞紙を突くなどの練習をしたそうです。面白そうです。
子どもたちの授業後の感想を見てみましょう。
「剣道とは逆の足から前進することに違和感があったが、50分間の授業が楽しかった」「銃剣道も剣道と同様に礼儀を大事にしていることを知り、礼儀を生活に生かしていきたいと感じた」
剣道と比較して武道についての理解を深め、礼儀の大切さを感じているのがわかります。素晴らしいです。
何事も授業の事実をもとに教育内容の是非を考えたいものです。