地下鉄に乗って出かけ、帰るときのメモ
地下鉄に乗ると、いろんなことを思う(前提が間違っていて、たぶん詩歌を読んでいるから)。
電車はそこそこ速く走るので、車窓から見える景色が、油絵のように滲む。
地下鉄のアナウンスは、どこの駅に停車するときもおんなじ声で、母の声を聞いた時間よりも、もしかしたらアナウンスの声を聞く時間のほうが長くなる時が来るかもしれなくて、怖い(これが怖いのはなぜか、言葉では表せていない)。
隣に座った学生が、黒いリュックを抱きしめながら寝ている。敵ばかりの車内で、荷物という自分の分身を愛している