メジャーな歴史かどうかで、資料探しの難易度が雲泥の差
歴史小説を書いていて思うのが「メジャー(有名・人気)な歴史か・そうでないかで、資料の調べやすさが雲泥の差だ」ということです。
たとえば西洋史ひとつ取っても、有名で人気のある「イギリス史」「フランス史」に比べ、いまいちメジャーとは言えない「ポルトガル史」は、資料を入手するだけでも至難の業です。
メジャーな歴史なら、そもそもの資料の量も多いですし、次々に新しい文献が出版されます。
しかしマイナーな歴史だと、そもそもの資料が少ない上、その資料も既に絶版になって再版されていないことも多いのです。
あるいは、マイナーな資料は、あったとしても、かなり専門的でページ数が多く、それゆえビックリするほど高価だったりするのです。
(絶版本だったりすると、古本でさえプレミアがついて、とんでない価格になっていることがあります。)
そのため、自分も「資料の存在は突き止めたのに、どこにも在庫が無い」ということで入手できなかったものが多々あります…。
また、メジャーな国の歴史であっても、「エリザベス女王」や「マリー・アントワネット」のようなメジャーな人物については、資料がたくさんありますが、ちょっとマイナーな人物になると、途端に文献・資料の量が減ります。
メジャーな人物なら、文献のタイトルに名前がそのまま入っていることも多々ありますが、マイナーな人物だと「どの文献なら載っているんだ!?」という状態で、まず掲載されている資料を突き止めることからして大変だったりします。
しかし…それでも、マイナーな歴史を調べることには、独特の「おもしろさ」があります。
メジャーな歴史は、既に様々な作品やテレビの教養番組などで取り上げられていて、わざわざ調べなくても、既にうっすら知識があったりします。
しかしマイナーな歴史は、本当に「調べてみて初めて知る」ことが多いのです。
メジャーな歴史だと「既に得ている知識の“答え合わせ”」になってしまったり、既知の情報にもう一歩深い知識を「肉付け」する程度で終わってしまったりします。
しかし、マイナーな歴史だと、その知識は「未知との出会い」になるのです。
また、マイナーな歴史・マイナーな人物であっても、既によく知られたメジャーな歴史・人物に負けないくらい「波乱万丈」なことが多々あります。
そもそも「日本ではマイナー」「一般的には知られていない」というだけで、「欧米ではメジャー」「専門家の間では当たり前の知識」という歴史も結構あります。
そんな「それまで自分が知らなかった」だけど「ダイナミックで興味をそそられる」歴史を、ひとつひとつ掘り起こしていくのが、楽しいのです。
…なので、自分の書く歴史短編も、気づけば「知る人ぞ知る」マイナーな人物ばかり、取り上げてしまっている気がします。
マイナーなので、資料調べの難易度がえげつなく高く、コスパの非常に悪い物語ではあるのですが(しかも短編なので、余計にコスト(労力)が見合わないような…)、自分の中の知識や「引き出し」が増え、物書きとしてのスキルが上がる気がするので、まぁいいかな…と思っています。
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