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〜直腸付近リンパ摘出ストーマ手術入院 実録〜⑪

ー手術後 10日目ー

ぐっすり寝れた。 
でもまだ眠いらしい、目がなかなかあかない。
寝すぎたかな?

寝る時間が早いせいか、起きるのも早い。
たぶん、夜の9時半か10時にはぐっすり寝れたはずだ。起きたのは6時ジャスト頃。
いつものように指で数えると、
少なくとも8時間は寝てる。

しかし、点滴を外したあたりからどうやら段々と
体調が優れないようだ。
トイレに行くにも体が
あまりいうことをきかない。

今日は下腹部が痛く、膀胱に違和感があるし、尿が微妙だし、背中も痛い...ん?この症状なんか知ってる...

まだ周りが起きてないのか暗がりで、
検索する。
急性腎盂腎炎に手が止まる。
症状がほぼ同じだ。
しかし、熱がないからまだ解らない。

とりあえず、トイレにフラフラと行きながら
看護師さんには後で伝えるかと思いながら、
ちっとも体がいうこときかない体にイラッときながら声には出さず体にうったえかけた。

負けんな私の体!明日退院すんだろ!?

自分にスパルタだろうが知ったことか!
ストーマを教える先生にも、
昨日来てもらって私のストーマを見て

「じょうでき!貴方、不器用て言ってたけど、
不器用じゃないじゃない。」

といってくれたじゃないか!
昨日は胃も痛くて辛かったのに、
ご飯を1時間以上かけて、ほぼ完食させたじゃないか!!

ずっと自分の体に言い聞かせてトイレをすませ
ベッドに戻り、看護師に症状を伝えると何かあれば外来でも検査できる方法を教えてくれた。
助かった!

どデカイ病院は、行ったことのない科は手紙がないとほぼ受診できない。

どうやら、代表に入院してた事を伝えて症状をいえば受診できるみたいだ。
そして、看護師も私も同じ考えだった。
点滴が終わって体がおいついてないのだ。
自分なりに大量に飲んでるつもりの水分も
まだまだ足りてないのだ。

点滴=水分でもあるからなぁ...
とボーと思いながらペットボトルの水を
ごくごく飲む。
確かに口が飲んでも飲んでも乾く。

それに、昨日は栄養士が来た時に
病院でちゃんと食べてる量や、運動量に比べて私は病院中でも体重がかなり減っていて心配になる
レベルらしい。

「食べれないものを気にするより、貴方の場合は食欲があれば食べてください!食べることを意識して下さい。」
といわれ体重計を買うことを強くススメられた。

前に病院で体重を測ったら38キロで今回入院してすぐ測った時は42キロで、今回栄養士と測ったら37.5キロで確かにびびったが...

ん?でも冷静に考えたらリンパも切除してるし...
減るの当たり前なのでは?と今更疑問を感じだ。
ただ、自分の背と体重で正常な標準体重を知った時は本当に衝撃だった。

52.4キロ。
こんなキロ数、1度も経験した事ないよ。

だいたい、朝昼晩それぞれ1食あたり
500カロリー取らなきゃならないらしい。
カロリーもっとかんがえなきゃなぁ...
メニューどうしようかなぁ...
私、揚げ物大好きだが揚げ物は流石に
ノンフライて言ってたなぁ。
ノンフライ=私的には、
揚げ物じゃないんだよなぁ...

ちょうどそんな事を考えてる時だった。

ガタ!
ガタガタ!!
がしゃん!!

大きな音がした。
新しく入った向かいの患者さんの方からだった。
前居た向かいの重篤そうなストーマの患者さんは、私の隣にどうやら移ったみたいだ。

新しく昨日入ったばかりで音がうるさくなるのは
当たり前だ。気にしてなかったが、ふと、
私の机の前を見ると...

まだ知ったばかりの頭がヒョっコリあるでは
ないか!!?

「え?!」
と思わず口にでた。

すぐさまハッと気づき、自分のナースコールを
押す。
私のナースコールじゃあ、すぐ来るか怪しい...
お願いだから気づいて!!

だが思ったより早く1人の看護師さんがきて気づくと、看護師がすぐさま倒れた患者さんに
呼びかけ、他の看護師や先生を呼ぶ。

足が少し痙攣してると聞こえた。
大丈夫か不安になる。
もっと早く私が気づいて呼んでいれば...

しかし、どうやら患者さんは話ができるみたいだ。声を聞いて一安心。
看護師と先生の話によると、
貧血と水分不足らしい。
頭を打ちつけたせいで血が出てたみたいだ。

ふと、昨日の午後の事を思い出す。
どうやら向かいの新しい患者さんは、
腸のどこかの内視鏡検査入院みたいだ。
大量に血便が出るらしい。
もう既に検査は終了したらしい、
先生が結果を話していた。

色々話してはいたが簡単に言うと、
腸は腫れてもいないし、悪い所が見つからなかったので何故だか解らない。
と言う風に言っていた。

...ワナラナイ...

自分の心に、この言葉が連呼する。
私の目が少し潤んだ気がした。

私も地元じゃ前に詳しく検査しても解らなかったし、そもそも膠原病のDNA検査は地元でもした事があるのだ。
それでも地元の先生が気づかなかった。

こっちに来ても、具合が段々と歳とともに悪化したので、とりあえず近くの病院に行くが悪化し、他の病院へ、するともっと区のデカイ病院に行ってと言われ行くと、もっと専門的な病院へと言われて
最終的には都内で1番デカイ病院に。
しかも外科ではこの日本で1、2といわれてる
トップクラスの病院だ。

解らないと何回も地元の時から、
たらい回しにされてきた。

病気は病気であり、好きでなってるわけでもない。症状で大きい、小さい病気だからと言って侮れないし皆、辛いし頑張っている。
病気に大きいも小さいもない。

だからこそ、調べてワカラナイと言われるのが、
もしかしたら1、2を争うぐらい辛い言葉なのかも
しれない。

ワカラナイてなんなんだよ!じゃあ、どうしろと?てなるじゃん。

でもわかってる。
たとえ、どんなに凄い病院でも世の中の医療が発展してきてるといえど、どんどん新しい病気がでてくるし、どんな最新の検査でも少しわかったとしても、ハッキリとは明確に言えるほど病気が解った!と言えない時もあるという事を。

新薬もできてはいるが、病気を完全に治す事ができない病気もある。

指定難病、人体障害者、精神障害者、
発達障害者...などなど病気をずっと向き合って生きていかなきゃ行けない人が沢山いる。
因みに私の病の強直性脊椎炎とミオパチー壊死筋性症(免疫介在性壊死性ミオパチー)は指定難病だ。

私が今回の手術入院をしようと決断した
理由のもう1つは、
ミオパチー壊死筋性症が、もしかしたら
悪性腫瘍がトリガーになり、ミオパチー壊死筋性症になった可能性も少しあるかもしれないらしい。
そんな方もいたとのこと。

だからもし、リンパにも腫瘍があったりしたら
他の臓器の転移心配もあるが、
ミオパチー壊死筋性症の症状がでる事になる。

要は、今回手術をしたらミオパチー壊死筋性症が、かなりマシになるかもしれないのだ!

もしかするとだから、絶対ではないが。

一筋の光が見えた気がした。
治らなくても、痛くても、辛くても
やらなきゃならない。

病気に大きいも小さいもない。
失礼かもしれないが私にとって、
入院患者や病気で苦しんでる人などは
同士だ。
病気との長く辛い戦いの戦士達。
 


「具合はどうですかー?」

朝の恒例の担当医の診察だ。
ちゃんと症状や自分の意見を言ったら、
先生も納得してる様子だった。
あと、水やお茶を頑張って大量に飲んでも口が乾き喉が乾くし、あまり汗はかかない方だが汗をかなりかくのはどうして?と聞くと快く教えてくれた。

「手術をして手術傷の治りや炎症は良くて点滴も取らなくなっても手術傷はまだあるし、痛みもあるし、治ろうと代謝が良くなって塩分が足りてないのだと思います。」

と言ってから水には塩分がなくアクエリアスや
ポカリやOS1を飲んだ方が良いですよ。
と教えてくれた。

なるほど。どうりで、ふらふらクラクラするわけだ。知らなかった...水確かに塩分ないや。

体も実は一生懸命頑張っていたのだ。
気づいてあげれなくてゴメン。

今日の私のスケジュールは、明日の帰る準備と
明日何時に旦那が迎えに来ていいか?と看護師に聞く事と夕方にストーマの新しく貼り変える最終テストだ。

その前に、
体の為にも万全にストーマを変える為にも
退院する為にも
自分の為にも頑張れと応援してくれる
家族や友人の為にも...
わざわざ電車を乗り継いで迎えにきてくれる
夫の為にも...

「飲み物の自動販売機に行かなきゃ...」
小さく小言を言ってベッドからはい出て
フラフラクラクラするのをマシになるまでベッドの近くで足踏みしながら確認し歩き出した。

痛みにも、辛さにも、きつさにも負けるな私!
小さな事からコツコツと、前へ前へ。


途中、看護師さん達から
「さっきはナースコールしてくれて有難う!」といわれた。

今日も晴天だ。

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