春を感じたある日の独り言
髪を切った、バッサリと。明るかった髪色は暗い夜の色になった。鏡の中の自分はまるで別人。
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つらつらと文章を書き連ねているとだいぶ暗い内容になってしまったので相当将来に不安があるらしい。
弱者が一人で生きていくにはどうしたらよいのか。良案をひねり出せるならば弱者にはなっていない。不器用、愚か者、腰抜け、言い方は色々あろうが弱いならば淘汰されても仕方なし。自然の法則だ。
一応健康な今はこれでもかというほど真面目に生きている。今まで散々不真面目で消極的でひたすら現実から逃げたことへの報いとして。今の自分は良くも悪くも過去の幼かった自分が作った存在。これはこれでありなんだろうな、と思っている。
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早朝から腹痛を理由に学校を欠席し午前中うつらうつらとしていた子どもは昼過ぎには薬が効いたのかだいぶ回復したので郵送物を投函するために一緒に散歩に出た。
実家の山々と比べたらだいぶ低い標高といえど山は山。山の麓には住宅地が広がり、川が流れ、歴史的な建造物もある。そのうちのひとつである庭園の前を通り過ぎながら“一度は行きたいね”、と子どもと話す。
オオイヌノフグリがあちこちに群生し梅の花が咲き乱れていた。野菜の自動販売機にいい大根が100円で売っていたので買って帰る。
南の方の街へ出れば便利だけれど賑やかすぎる。私は少しくらい不便でも土砂災害に警戒すべき区域だろうけれど自然が豊かな場所の方が過ごしやすい。
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人は去る者追わぬ者。私は十年以上去ってゆく人を送り出してきて慣れたものだと思っていたけれど、寂しいという感情は必ず訪れる。当たり前だ。慣れたから何も感じないということもない。毎回きっちり寂しい。今月も大きな別れが待っているわけで、素直に悲しもう。それから今まで楽しい時間を過ごせたことを感謝しよう。
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