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「銀魂」最終回に寄せて。【映画銀魂2ネタバレあり】
※9月に書いたものが途中になってたので今更ですが蔵出しします。
先日、「銀魂」がついにジャンプ本誌での14年の連載に幕を閉じた。最終回については本当にあっぱれとしか言いようがない。最後の最後まで「空知節」は健在で、どこまでもサービス精神を欠かさない人だなと思う。
最後の最後までメタ展開を適度に挟みつつ、何も終わらないけど最終回という、主に打ち切りの作品にありがちな最終回を見事におちょくった最終回でした。「そう!私たちが銀魂に望んでいるものはこれだよ!」と思うようなことを期待以上の水準でやってくださる空知先生には本当にありがとうとしか言いようがないです。本当にありがとうございます。
GIGAに掲載される予定の最終回の向こう側を楽しみに待ちつつ、今回はこの夏個人的に一番盛り上がった映画「銀魂2」の感想を書こうかと思います。※ネタバレ多分に含みますので、苦手な方はご注意くださいね。
今回の話の主人公は伊東鴨太郎だと思う。真選組の絆や友情の物語として見ることも出来るけれど、今回は伊東鴨太郎に焦点をあてて見ていきたい。
くだらないギャグの中に、本質的なところをさらりと混ぜてくるのが空知先生の天才的なところだと思うんですが、今回の動乱編は本当にそれが素晴らしい回でした。
伊東は結局のところ、自分の本当の望みというのを自覚していなかっただけだったんだと思う。
感情に囚われ、幼少期に抱えた過去のコンプレックスに囚われ、社会的な思い込みに囚われ、出世欲や自己顕示欲求が暴走した結果、クーデターを起こすに至るわけですが。それは本人も今際の際になって自覚することだけれど、寂しさや虚しさに囚われて、自分が見つけた自分の居場所すら破壊していく癌になった。この癌というのは誰にでもあり、ほんの少しの思い込みやボタンの掛け違いで誰でもそのようになりうるものなのだと思う。
彼の本当の欲求は、シンプルに「居場所がほしい」というもので、それは実はもう新撰組に入った時点で叶っていたわけですよ。同年代のバカ騒ぎのできる友人、仲間に囲まれていたわけですよ。本人がそれをそうと認識できていなかっただけで。それは、先のとおり出世欲や自己顕示欲に溺れてしまって目が曇っていたからにほかならなくて。
だから、どれだけ純度の高い欲求を大事に出来るのか、というところが鍵になってくる。「己が器を示すために天下を取ろうとする人物に付き従うものはいない」と作中で高杉も言っていたけども。
欲望というものは美しいもので、それは、信念にも通じる部分があると思う。自分が一番何を欲しているのか、それを正確にとらえることが出来ていたら、恐らく鴨太郎は真撰組でも近藤の右腕として活躍し続けたのかも知れない。
何が彼をそうさせたのか。それは極めて表面的な欲望、それは「目立ちたい」「自分の価値を証明したい」「認められたい」というような、いわゆる承認欲求だったわけだけれど、それらに呑まれた結果、彼はあのような強行に及んだ。鴨太郎が敗れた理由は明白で、自分の真実の欲求に従っていなかったからなんだと思う。
逆に、どんなに普段はいい加減でサボっていても、大事なところは揺らがず外さないのが近藤や沖田や銀時だと思う。大事なものが分かっているからこそ、普段は自由気ままに生きてるのかも知れない。そういう芯の強さに、自然と人は惹かれていくんだろうと思う。
映画「銀魂2」はそういう侍魂溢れる素晴らしい作品でした。
原作の最終回の向こう側を楽しみにしています。
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