美しいのに外来種という運命
【昆虫エッセイ】
エゾシロチョウ
この蝶は北海道固有種だ。
エゾスジグロシロチョウにも似ているが、こちらのほうが黒の筋がくっきりはっきりしている。
⬇エゾスジグロシロチョウ
⬇エゾシロチョウ
先日、この写真に【実は害虫なのだ!】という烙印を押し、私のインスタグラムのストーリーズに挙げた。
インスタグラムでは、毎日生き物好きな仲間の誰かが、昆虫や爬虫類、ペットの写真などをそれぞれストーリーズにアップする。
すると、とある至極真面目にふざけ倒すのが大好きな某Tさんという方が、それらを取りまとめ、小粋なコメントとともに【生き物倶楽部ストーリーズ】として再配信してくれる。
生き物の種類にとらわれない、自由でイキイキした一つの図鑑が出来上がっていくようで、毎日投稿するのも、他の人のを見るのも楽しい。
私にとっては、某Tさんの返信コメントがまた一つの楽しみでもある。
時々彼の返信コメントのテンションが低く感じるときは、
『私の写真、生き物チョイスがまずかったか…』と一人猛省する。
そして、みんなに喜んでもらえるような昆虫に出会うため、掃除、洗濯、家事、親父…ありとあらゆる事そっちのけで公園へと向かうのだ。
さて。
私が投稿する北海道の生き物たちは、“エゾシリーズ”と名付けられ、他の地域の方に喜んでもらえることが多い。
エゾリス
エゾスジグロシロチョウ
エゾハルゼミ
エゾハサミムシ
固有種ではないものもいるが、生き物の名前に【エゾ】という接頭語をつけるだけで、なぜだか特別感が増し、高貴なものに感じさせる効果があるらしい。
私はただのエゾシロウトムシズキオンナなのだが。
写真のエゾシロチョウに話を戻そう。
触覚の先がぷっくり白く、黒い筋もはっきりしていて、花の中でもよく映える。
ばえるではないか!
しかし、害虫なのだ。
彼らは、バラ科…特に桜の木に大量の卵を産み付け、5月末〜6月にかけて一気に羽化する。
彼らの幼虫である毛虫たちは、集団で行動し、葉という葉を食い荒らす。
それが固有種でありながら、害虫と言われてしまう所以だ。
ただ見て『キャー!めんこーい😍』と言うだけなら、害虫も毒虫も関係ないが、生態系全体で見るためには、そういった知識も必要なのだぞ、ということを今日もまたインターネット先生から教わった。