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イラクサ、教えて?
【昆虫エッセイ】
「イラクサ、自己紹介をしてみて?」
「はい。私はイラクサ科イラクサ属の多年生植物です」
「イラクサ、葉の裏にいるのは、だれ?」
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「オオコブオトシブミ です。彼らは、本州にいるヒメコブオトシブミよりも少しだけ大きい、北海道固有種です。」
「イラクサ、彼らは何をしているの?」
![](https://assets.st-note.com/img/1653632609109-3tJp0hGPp5.jpg?width=1200)
「………その質問には答えることができません」
「イラクサ、あなたをつまんだ指がとにかく痛むんだけど、なぜ?」
「それは、あなたが私をつまんでいるからです」
「イラクサ、なぜあなたをつまむと、こんなにチクチク痛いの?」
「私の葉と茎には、刺さると皮膚に炎症を起こす刺毛がびっしり生えているからです」
「え? イラクサ、あなたは今、私を刺しているの?」
「はい。刺しながら、蟻酸とヒスタミンを皮膚に注入しました」
「イラクサ、痛い!痛いんだけど!」
「すみません、よくわかりません」
「ちょっと!!イラクサ!!痛い!!チリチリする!!」
「イラクサ!どうすればいいのか教えて!!」
「水でよく流すといいですよ。接触性皮膚炎の場合は、専門医に相談してください」
「イラクサ!無責任ね!痛い!!チリチリする!!」
なんのはなしですか
イラクサと知らずに茎をむんずとつまんだ結果、指先になんとも言えない刺すような痛みが走り、森の中でひとり「痛い!痛い!」泣いたはなし。
そして未だにチリチリ痛いはなし。
![](https://assets.st-note.com/img/1653632636466-tuSQ5E3ntT.jpg?width=1200)
お主の顔、もう忘れはしないぞイラクサよ。
「イラ」にはトゲ、辛い、ひりひりするという意味があり、イラクサ(苛草、刺草) はまさに、トゲで刺激を与える植物。
薬草名は「蕁麻」。そこからイラクサに触れたときのような皮膚炎のことを「蕁麻疹」と呼ぶようになった。
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「トゲに触れてはいけない」と遅ればせながら気づいたあと、オオコブオトシブミを別の葉に載せたところ、偶然どっかのアブの人がお亡くなりになっており、私も彼らも戸惑いを隠せなかったシーンを最後にどうぞ。
良い週末を。