うねり。
忘れないと明日に行けない日々になっている。
今日は何も嫌なことなんてなかったのに、気にかかること全てを忘れてしまわないと眠れない。
今日あった嫌なことなんて、これまであった嫌なことの足元にも及ばないのにどうして気になるんだろう。
そうして生まれた少しの焦りは、うねりとなって明日へ響く。
他人の言葉の違和感が気になって、気になったのに伝えられないことも嫌になって、また駄目になる。
どうすれば今日を平穏に過ごせるだろうか。
昼に起きて、音楽を聴くところまでは好きな時間だ。新しくなくても、昨日と同じでも、昨年と同じでも、好きな曲を聴いてベッドで何も考えずに音に浸る時間が好きだ。
でもそうゆっくりもしていられないからご飯を食べて、文字を書く。文字を読んでも読んでも、書ける量は増えないけれど、少しでも色が見えるものは読んでいく。
言葉は力があるから時間を飛ばす。
粋な言葉と遊んだ言葉は楽しそうに次の時間へと連れていき、また違う題材で焦らせる。結局、調べるべきことではないところを読み漁り、友人の文章を読み、自分と違うところが気になる、ことの循環で日々は周り、自分はまた中心にも行けず、その渦の近くでただただ眺めていれば日が落ちる。
もう深夜になって眠りたいのに、また虫歯だらけになったような夢や過去のうまく呼吸ができないようなことを思い、光る画面を眺める。
最も無意味だと分かっていながらやめられない。現代人はみんな取り憑かれたように気にしている。苦しくて寂しい時代はいつ終わるんだろうか。
忘れないと明日に行けない日々になっている。
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