どうして馬鹿だか誰か教えてよ。
起きたら背中が痛かった。その痛みで起きたようなものだった。
あまりよく覚えていないけれど、そういえば夜中に転んで脇腹寄りの背中を打ったんだ。散らかったものを棚の上に戻し、痛いなと思いながら寝た記憶がよみがえる。
あざでもできているんだろうと思いながら見てみると、もっと痛々しく怪我をしていて引いた。こんな大きい傷をおおえる絆創膏などこの部屋にはないので、小さいものを切ってつなぎ合わせて貼る。朝から工作じみたことをしていたら食欲もないままだった。
今日はなんだか疲れた。たくさん寝たはずなのに眠かった。でもみんなやさしくしてくれるから申し訳なくなるんだよう。こんなとぼけたやつに構ってくれてどうもありがとうという気持ちになる。
頭がどれだけぼんやりしようが痛いものは痛い。私の今日の任務は傷を守ることだけだ。まるで自分の体ではない何か大切なものを守るかのようにやさしく接する。誰にも触れさせてたまるかという心意気で過ごした。
帰りに薬局で大きな絆創膏を探したけれど、自分の過ちに出せる値段じゃなかったから買わずに帰った。大人しく小さい絆創膏をつなぎ合わせて貼ることで愚行を戒める日々を送ろうと思う。