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師走の猿之助さん

12月がスタートです。

2022年のENNOSUKEⅣカレンダーをめくるのもラスト。今月の写真は日蓮上人です。見たら思わず手を合わせたくなる(笑)昨年6月に新作歌舞伎として上演された「日蓮」あれから一年以上が経つのだなぁと感慨深いです。


さて、今年ラストの歌舞伎興行は二つ。東京の歌舞伎座「十二月大歌舞伎」と京都南座「吉例顔見世興行」です。京都の師走の風物詩。顔見世は、劇場の正面玄関上に役者の名前が書かれた板「まねき」が上がります。これは是非、生で見てほしい景色の一つ。

私は猿之助さんの襲名興行で12月南座に行き、実際の「まねき」を見ました。メディアや写真で見るよりはるかに大きい。目の前に立つと圧巻。役者の魂がそこに宿っているかのような風格もあり、劇場とともに息をしている感じがしました。今年も出演者の名前が上がりました。

歌舞伎座は先月に続き、十三代目 市川團十郎白猿襲名披露です。夜の部「助六由縁江戸桜」は二か月連続上演です。それ以外の演目は変わります。口上は先月の少人数から「柿色裃勢揃いにて相勤め申し候」とあり、市川家縁の役者が勢揃いの口上へ。猿之助さんを筆頭に澤瀉屋一門が勢揃いします!これは猿之助さん襲名の時以来かと。

おそらく全員がひと言。。という運びになると思います。團子くん市川右近ちゃんの名前もあるので楽しみです。猿之助さんはまさか毒舌はないと思うのですが(笑)過去を思うとユニークな路線を期待しちゃいます。そうそう!幸四郎さんの襲名時、巡業の口上の内容を毎回変えたこともありました。スタンダードにくるのか、やはり人と違う路線でくるのか。

口上は夜の部。すでに完売になっていますね。猿之助さんは「助六由縁江戸桜」にも出演です。通人役。通行人なので出番は少し。。ですがご馳走なお役なので、過去、そうそうたる役者たちが演じています。猿之助さんは初役です。

初めて成田屋の助六を観たのが2010年4月「歌舞伎座さよなら公演 御名残四月大歌舞伎」でした。通人は勘三郎さん。お役の段取りは決まっているけど、決まったセリフはほぼ無いと聞いています。勘三郎さんは’さよなら公演’ラスト月に寄せて、今の歌舞伎座が無くなることに対して「さみしいね~」とお客全員と惜しみ、そして「新しい歌舞伎座に夢を見せてもらいましょう」と元気づけてくれました。12年経つ今でも、あの空気感は忘れません。

その後、新歌舞伎座の杮落とし公演で通人を演じたのは三津五郎さんでした。勘三郎さん三津五郎さんは星になってしまったけど、感じたあたたかいものは私の中ではっきり残っています。猿弥さんの通人も観ました。そして、満を持して!?猿之助さんです。ほぼアドリブのお役なので、お客が盛り上げればたくさんしゃべってくれるかな。。。楽しみ。

また、昼の部にも出演することが後から発表になり嬉しい悲鳴です。しかも女方!10月の更科姫で見納めかと思いきや「鞘當(さやあて)」の留女役で登場です。しかも中車さんとダブルキャストで奇数日のみ。中車さんは留男。男女で違いを見せるのが、さすが澤瀉屋です。

短い時間の演目で、不破伴左衛門の松緑さんと名古屋山三の幸四郎さんが、すれ違いざまに刀の鞘がぶつかってしまう。斬り合いになり止めに入るのが澤瀉屋(笑)きっと猿之助さんの留女はかっこいいに違いない!それに同世代三人のキマッた絵が見たい!素敵に決まっています。

立役二人のキャラの違いが楽しい。お衣装も見どころですし、背景も歌舞伎らしい華やかな一幕です。ちなみに名古屋山三は、1月歌舞伎座で猿之助さんが演じるお役です。そういう目で見ても面白いかもしれません。

私は昼夜ともに観劇予定です。先月の助六は観ていないので、新團十郎さんのかっこよさも堪能したいです。


もう一つ。。。一日だけ行われる「猿之助と愉快な仲間たち」年末年忘れリサイタルがあります。歌舞伎座休演日、篠原演芸場という大衆演劇の公演をしている劇場です。今日現在、猿之助さんの出演は発表されていませんが、休演日なので出演があるよね?なかったら怒るよね?という気持ちでいっぱいです。

ただ、座席数が130ちょっと(笑)この距離で猿之助さんを観ることができたら息が止まりそうなキャパ。チケットが取れる気がしません。先行は抽選ですし。。。神のみぞ知る、です。

本場、大衆演劇の座長たちも出演が決まっていますし、松雪泰子さんも!観たいけどーっ!でも例え取れなくても、観たい人で満席になるなら嬉しいです。そういう景色を猿之助さんに見てもらいたい。←まだ出演は未定ですが(笑)

★追記
2日に公式で猿之助さんの出演が発表になりました!

今年も一年の締めくくりは猿之助さんで。
それが叶えば幸せです。

aya



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