【短歌】夏であることの意味。
空中にふゆうしている僕たちは鳥を鳥だと思わないように
雑踏のなかで寂しい貝になる、それでそれでって続きは言わない
目だけをね、覚ましてしまって僕たちは海岸線にたましいを置く
けたたましいけたたましさの中にあるたましい掬い取って青いね
感情は暴力だよと君が言い、なぞらず崩しているよオリオン
むささびが飛んでいる夜に吐いた嘘、今も元気にしてるだろうか
黒糖を宝石みたいに食べること羨ましくて君は罪人
うめしごと、つぶやく口の酸いとこで蛙を飼ってすこし涼しいね
植物でそしてぢりぢち吸っていた血の味想うポカリスエット
意味じゃなく音として君の耳元に残っています沈む夕焼け
葉脈のなかで蠢く朝のこと半分君を信じないこと
羽化できなかった言葉が路端で死んでいて、
踏みつぶすように熱帯夜だったね
「また少し、錆びた?」だなんてすれ違う、一瞬の間に花が揺れてる
天国はないから作ってみた人を神様と呼ぶ、ここは八月。
※本記事掲載の短歌は、2023年7~8月の間に作られた作品です。
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