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古森 もの
2022年5月5日 17:56
時折人はじぶんの影を見つめているそういうとき人は海のにおいをまといどこか遠くまで行ってしまいそうな気配にわたしはとても怖くなる瞳のうちにうろんな火を燃やし星を墓標として汽車に乗った少年たちがいたあの子たちの哀切はどこから訪ね来るのかわたしたちを通り過ぎてなおホームには潮騒が響いてその風を通すのは胸にあいた硝子窓どうしようもなく光が透ってゆくのでわたしたちの感傷は