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古森 もの
2022年2月19日 20:41
折り目をつける生きているうちはどこかでひともはなもそらもどこかに折り目をつけている天気雨に打たれているあじさいをきみは見たかはなが粛々と色を変えゆくことを受け止めて雨に打たれているのをたえまないそらをきみは見たか折りたたまれて裏がえし千代紙のようにひるやよるをくるりくり返しているのをいづれきみは見るのだろう鶴を折るような丁寧さ
2022年2月15日 10:57
ぼんやりするわたしはあやまって卵を落とした落とした卵を目だけはしっかり捉えていたので「卵を焼いて食べなくちゃあ」「今日も八時に行かなくちゃあ」とそれら細胞の伝言遊びに太陽は頭のてっぺんをきつきつとのぼってわたしは頭痛のせいでもうひとつ卵を落とした「イカロスでなくわたしを撃てばよかったのよ」と落ちゆくきみらはささやいていたさようならなんて本当はないのだと