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【良書】ただ、読んだ人が都合よく解釈しないといいけど…と思った本
今井 むつみさんの著書、『「何回説明しても伝わらない」はなぜ起こるのか? 認知科学が教えるコミュニケーションの本質と解決策』の感想です。
「何回説明しても伝わらない」はなぜ起こるのか?
人はそれぞれ、異なる学びや経験、育ってきた環境、興味・関心を持ち、それらが知識や思考の枠組み(スキーマ)を形成します。そのため、同じ説明を聞いても、説明を聞き逃したり、都合よく解釈したり、誤解したり、忘れたりすることが起こるという解説でした。
全部の単語を知っていても、「スキーマ」がなければ、行間を埋めて理解することはできない。
そのため、「スキーマ」が違うことを意識つつ、相手の立場・スキーマを考えて伝えるということは、なぜ伝わらないかという課題解決の糸口として非常に納得できるものでした。
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【「何回説明しても伝わらない」はなぜ起こるのか?】を読んだ後に浮かんだ懸念
ただ、本の内容からはそれてしまうのですが、この考え方を部分的に切り取って、「結論だけはNG、ちゃんとWhyやその過程を説明しなければならない」、「説明が足りないのが悪い」という論調が強まると、中間管理職の負担が増えてしまう懸念があります。
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もちろん、部下が結論だけでは理解できず、アクションに移せない場合は、丁寧に説明する必要があります。しかし、上司の本音では、全てを説明しなくても自律的に動いて成果を出してくれる人の方が嬉しいのです。
会社は営利団体なので、利益だけではないものの、効率化は求められます。
チームへの最初の説明では、メンバーが納得できるように目的と背景を丁寧に伝えるほうがよいですが、開始後は個々の内容に関して、逐一、過程を説明しなくても済む方が業務効率が向上します。
そのポジションに求められる「スキーマ」が期待値と大幅に異なる場合は、採用基準や教育・研修に課題がある可能性もあります。
わかるように説明する努力は必要ですが、「説明が足りないのが悪い」と説明側に求めすぎると非常に負荷がかかるため、聞く側もわからない場合は、「ここの部分がわからない」と質問するほうがより良い関係性を築きやすいです。
質問の効果
なぜ、「ここの部分がわからない」と質問する方が良いかをさらに解説すると、質問することは自分自身のためにもなり、かつ、チーム全体の業務効率アップにもなるためです。
相互理解の促進:質問することで、自分がどこで理解に困っているのかを明確にできます。これにより、相手も具体的にどの部分を再説明すれば良いのかがわかり、コミュニケーションがより効率的になります。
問題解決のスピードアップ:疑問点をその場で解決することで、後々のミスや誤解を防ぐことができ、業務効率の向上につながります。
本の内容から外れてしまいましたが、説明しても伝わらないときに両者が歩み寄ってより良い方向性が見つけることができればいいなと感じました。
では、また次回!
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