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デヴィッド・クローネンバーグ監督の映画「スキャナーズ」レビュー「本作は…クローネンバーグ版『幻魔大戦』だと僕は受け取りました。」

「かもめのジョナサン」って小説の書評で一番心に残ってるのは
「これ程注意深く徹底的にセックスの要素が取り除かれた作品を」
「僕は他に知らない」
だった。

「スキャナーズ」もね,クローネンバーグ監督作品でありながら
セックスの要素が徹底的に取り除かれてます。
キム・オブリスト(ジェニファー・オニール)は
「同志」であって「ヒロイン」じゃない。

ファストフード店でポテチの拾い食いをしていた
浮浪者(スティーヴン・ラック)と
生き別れの兄(マイケル・アイアンサイド)が…
実は同じ排卵制御剤エフェメロルの副作用の結果,
誕生した超能力者の兄弟であり…
超能力者による世界征服を企む
悪の秘密結社の首領を化していた兄の前に…
エフェメロルを生んだ父の導きによって
超能力の善用を学んだ弟が立ちはだかり…
石ノ森章太郎の漫画を思わせる
超能力による宿命の兄弟対決が始まり…
念力で対決し互いの欠けた部分を補い合って溶け合って
全きひとりの人間が誕生するという
「ゲド戦記」も斯くやのジュブナイル映画なのだ。

本作の本質はクローネンバーグ監督が描く「幻魔大戦」なのである。
実際にはアニメ版「幻魔大戦」の方が本作の影響を受けたんでしょうね。
あとは勿論石ノ森章太郎の影響も多分に感じます…。

エロが嫌いで心がキレイな
一生童貞&処女を堅持すると誓った
清教徒のアナタにオススメです。

ああ江口寿史先生の「POCKY(ポッキー)」って
映画「キャリー」&映画「デビルスピーク」の併せ技と思ってたけど
映画「スキャナーズ」の影響も受けてるんだね。
題名は勿論「ロッキー」ですね。

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