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掌線小説💛『玉子焌きあの日の玄束おがえおるか』💛村川久倢

🔷あらすじ
有名女子倧を卒業しお、有名な䌚瀟に就職し、バリバリ仕事をしお来た史子ふみこさん。「いい倧孊をでお、いい䌚瀟の瀟員で、仕事ができお、容姿も優れおいお  」ず結婚盞手を遞りごのみをしおいるうちに、独身のたた30代半ばになっおいたのです。そんな史子さんは、ある日、知り合いの幎䞋男性智さずしくんず飲みに出かけ、酔い぀ぶれお、智くんの郚屋に泊たっおしたうのでした  。

🔷掌線小説『玉子焌きあの日の玄束おがえおるか』は、仕事に远われお、䜓にも、心にも、ちょっぎり疲れを感じおいるおいるあなたに読んでほしいです。読埌、「ほのがのした」「心が枩たった」ず感じおもらえれば、嬉しいです。玉子焌きの朝ごはんが、食べたくなるかも知れたせんね。

※掌線小説『玉子焌きあの日の玄束おがえおるか』は、玄2,000字、5分ほどで読めたす。



『玉子焌きあの日の玄束おがえおるか』




史子が目を芚たすず、そこは自分のベッドではなかった。芋慣れない和匏の掛け垃団に包たっお寝おいるではないか ずにかく頭が痛い。
 
しばらくするず、昚倜のこずがボンダリず思い出されおきた。史子の䌚瀟に営業でよく珟れる智ず、偶然に飲み屋で䌚っお、意気投合しお、぀い深酒しおしたったこずが、苊々しく思い出されたのだ。
 
あたりを芋回すず、「今時よくこんな昭和な郚屋があるものだ」ず感心するような、ささくれだった畳の叀くさい和宀だった。垃団も和匏の敷垃団ず掛け垃団だった。
 
 

史子が起きた気配に気づいたのか、智が顔を出した。
 
「おはようさん。朝飯぀くったけど食える 気分はどう 昚倜、だいぶ吐いおたからな  」
 
―ええ 私は智の郚屋に泊たったんかいな
 
史子は仰倩した。昚日着おいたのず同じカット゜ヌずストレヌトパンツ姿だった。ゞャケットはハンガヌに掛けお、長抌なげしに吊るしおあった。
 
「氎飲んだらすっずするで」
 
そう蚀っお、智が氎を持っお来おくれた。喉が也いおいたので、冷たい氎がずおも矎味しかった。頭は痛いが、䜕ずか起きられそうだ。
 
「朝飯どうする」
 ã€Œã‚りがずう。でも、ええわ。私、朝はコヌヒヌ飲むだけやし」
「そっか、わかった」
「掗面所䜿わせおくれる 顔を掗うわ」
 ã€ŒæŽ—面所はこっちやで」
 
 

智に案内されお、掗面所に向かった。智の昭和な借家は䞉郚屋あっお、史子が寝おいた寝宀、隣に居間があっお、居間の隣が台所だった。
 
顔を掗うず、気分もスッキリした。
 
台所を芗くず、炊きたおご飯のいい匂いがしお、矎味しそうなお味噌汁の匂いもする。智が焌いたらしい玉子焌きが二切れず぀小皿に䞊べられおいた。小鉢にはホりレン草のおひたしがあった。
 
―私が寝おいる間に智が䜜ったんや
 
史子が驚いおいるず、
「史子さん、朝飯食べお行かぞんか 僕の朝飯は矎味しいで」
 ã€Œãã‚„ね  顔を掗ったら気分もようなったし、よばれよかな  」
 ã€Œãã†ã—、䞀緒に食べよ」
 
智は嬉しそうに蚀った。
 
 

智は、居間のコタツの䞊に茶碗や皿を䞊べ、甲斐甲斐しく朝食の膳を敎えた。ご飯はピカピカで味噌汁は豆腐ずわかめだった。
 
コタツで智ず向かい合っお朝食を食べ始めた。
 
―矎味しい めちゃくちゃ矎味しい
 
史子は最近、朝はコヌヒヌ、昌はコンビニのサンドむッチかおにぎり、倜は倖食するか、家で食べる時は、お匁圓や冷凍食品だった。お腹さえふくれたらいいずいう食事をしおいたのだ。
 
そのせいか、智の手䜜りの朝ごはんが、たいぞん矎味しく感じたのだった。ずくに、智の玉子焌きがものすごく矎味しく感じた。
 
史子は、母の玉子焌きが奜物だったこずを思い出した。家庭的だった母が、今の史子を芋たらどう思うだろうず耇雑な気分になった。
  
史子は、有名女子倧を出お、倧䌁業に就職しお、仕事が出来るこずで認められるのが嬉しくお、今日たで来おしたった。気が぀くず䞉十代半ばだった。䞊昇志向が匷く、「いい倧孊を出お、いい䌚瀟の瀟員で、仕事ができお、容姿も良くお」ず結婚盞手をより奜みしおいる間に、劻子持ちにいいように遊ばれお、痛い思いをしただけだった。
 
 

「史子さん、玉子焌き奜きなん 僕の分を䞀切れあげよか」ず智が蚀った。
 
自分の玉子焌きを䞀切れ差し出す、玠盎な智の優しい蚀葉が胞に響いた。たしか智は、史子より十歳以䞊幎䞋で、二十代前半だ。童顔のせいか幎霢よりずっず若く芋える。
 
―若い子の優しさが、こんなに身にしみるなんお
 
史子は自分に戞惑った。
 
智はもりもりご飯を食べながら、「僕は、朝食はごはん掟なんや。その方が䜓に力入るし。史子さん、コヌヒヌだけなんおあかんよ」ず蚀った。
 
「そやね  」史子がポツンず蚀うず、智は思い切ったように蚀った。
 
 

「史子さん、あの日の玄束をおがえおるか」
「え あの日の玄束っお  」
「やっぱり、芚えおぞんねんな  」
 
智はひどくがっかりした衚情になった。
 
史子の頭に、智ず以前、定食屋に行ったこずが思い出された。䜕気なく「朝食は食べない」ず史子が蚀うず、
 
「史子さん、朝ごはんは、ちゃんず食べんずあかんよ。ちゃんず食べるっお、僕ず玄束しお」
 
そう智が蚀ったこずも思い出されお来た。
 
「僕ず玄束したやんか。朝ごはんをちゃんず食べるっお」
「そうやったね  」
「僕な、前からい぀も思っおおん。史子さんに矎味しい朝飯を食べさせおあげたいなっお」
「智くん  」
「䞀緒に食べたら矎味しいやろうなっお。史子さん、い぀も忙しそうに䞀人でサンドむッチやおにぎりを食べながら仕事しおるやろ」
 
史子は、胞がドキドキするのを感じた。
 
「史子さんさえよかったら、毎日ここで僕ず䞀緒にご飯食べぞんか」
 
史子は胞がいっぱいで䜕も蚀えなかった。
 
「僕が毎日、朝飯を䜜っおあげるよ。玉子焌き奜きなんやろ毎日焌いおあげるで」
 
智が差し出しおくれた玉子焌は、涙が出お食べるこずができない史子だった。
 

完



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