関西環境教育学会WSにて、野草のお話をしました
今日は関西環境教育学会で、
「現地で食べる現地の野草」というテーマで
お話会とフィールドワークをしました。
地元の方はもちろん、奈良県や、大阪から参加のメンバーの方々もいて、
大学の先生や小学校の先生をされていた方、その他の方もいて、
皆さん自然をこよなく愛されてらっしゃる方々です。
などなど30分ほどお話をしてから里山と田畑をご案内。
最後にカラスのエンドウの磯部和え、ノビルのぬた、よもぎ団子の試食も。
WSもダイジェストで。
1.地元でよく見る毒草
ニュースや新聞で毒草を食べたという話を時々聞く。
地元では、頻度高めに見る毒草が
キツネノボタン、ウマノアシガタ、トウダイグサ、ヨウシュヤマゴボウ。
時々見るのがクサノオウ、ムラサキケマン、キケマン。
栽培されるものも毒のある植物多く、
スイセン、スズラン、アジサイ、フクジュソウ、
ヒガンバナ、シキミ、キキョウ
図鑑でこれくらいは知っておくとよい。
しかし、「知らないものは食べない」は鉄則。
2.食べられるけど気を付ける野草
毒はないけれど、食べすぎるとよくない野草も。
シュウ酸を多く含むもので、スイバ、ギシギシ、イタドリ。
ドクダミやスギナは体質によって〇×が分かれる。
食べてみて感じるのはこれらの野草はいつも食べたいという
体の求めを感じない。
食べてみて「おぉ新しい味わいだ」とはなるので、
一度は試してみるといいと思う。
この中ならイタドリは気に入っている。
イタドリの塩漬けは生えてきたイタドリの皮をむき、
醤油炒めや、塩漬けし1年保存したものを料理に使う。
3.食べておいしい野草5選
講座では資料を付けて、発表しなかったもの。
食べておいしい野草は数々ありますが、
灰汁が少なくて、これは野菜ではない味わいがある!
と体が必ず求めるものを選んでみた。
当然このランキングは人により変わると思うので、
私好みの野草を見つけてみてほしい。
5位 セリ
味はもちろんだが、香りは野草随一。
正月7日に春の七草のおかゆセットが売られるけれど、
あの時期には路地物はない。
私の田んぼに生えるのは4月ー5月。
この時期のセリを楽しみにしていて、
そのまま和え物はもちろん、せりご飯、チャーハンに入れて香りを楽しむ。
4位 ノカンゾウ
とてもきれいな黄緑色の草。
茎の部分を食べる。
葉は干してお茶にする。
酢味噌で和えたり、醤油で和えたりする。
3位 フキノトウ
熊も冬ごもりが終わると食べると言われる。
これがないと春がこない。
苦味の女王。
天ぷらはもちろん、フキノトウ味噌が絶品。
2位 ツクシ
はかまをとる作業が大変と人は言う。
確かに3時間ほどとったら倍の時間はかまとるので大変だけど、
とりたいと体が言うのだし、食べたいのだから食べるのだ。
ごま油でいため、醤油をたらす。
うまみが強く、ご飯がすすむ。
カルシウムが多いらしい。
1位 ノビル
野生のねぎやにらの仲間。
酢味噌で和える、しょうゆ漬け、チジミなどいろいろな料理に使える。
球根はとりすぎると絶えてしまうので、時々しか食べないけど、
鮮烈な辛み、風味がある。
私は毎日でも採りたいくらい大好き。
4.野草の灰汁抜き方法
野草には灰汁がある。
灰汁を抜く方法はあるんだけど、
その前に、いくら食べてもいい野草でも次のようなことには注意したい。
・農薬がかかっている場所に生えている
・犬の散歩道
・育ちすぎている=灰汁が強くなっている
・花の咲いた野草は食べない=灰汁が強くなっている
・一度採った場所の野草は採らない=灰汁が強くなっている
このような野草を避けて、野草食を楽しむといい。
採った野草は塩ゆでするとよい。
沸いたお湯に野草を投入してもう一度に煮立つと水にさらす。
水にさらす時間は出だしは少し、育ってきたら長めだけど、
20分ほどを目安にしています。
あまりさらしすぎるのも風味が損なわれる感じ。
5.野草生活
野菜を買って食べている間はわからなかったけれど、
作るようになって、野菜がなくなる時期があるということが分かった。
そのことを端境期(はざかいき)といって、1年に2回くる。
春夏の野菜がなくなって、秋冬の野菜がまだできてこない10月くらい。
そして、秋冬の野菜がなくなって、春夏の野菜がまだでてこない4月くらい。
この時期を乗り越えるため、保存食をうまく使う知恵がつくられている。
しかし、野菜がなくなるからという消極的な理由ではなく、
私は野草が本当においしいから、食べたいから食べたい。
むしろ、野菜づくりを始めるより前に野草の手ほどきをしてくれた先生がいて、その延長で野菜を作るようになったという方が正確なのです。
そして、この食べたいから食べるを実践していたのが縄文人。
別記事で書こうと思うが、縄文時代では山芋や里芋をはじめ、
今あるほとんどの野菜はなく、どんぐり、くり、くるみの加え野草をかなり食していたようだ。
というのも、狩猟をしているイメージとは違い、
たんぱくよりも植物食だとも言われている。
きっと春夏秋冬と、様々な季節の草を食べていたことでしょう。
そして、一口食べてみれば、その理由はわかるはず。
野草の味は個性的なのだ!
この個性にひかれて、また春には春の、夏には夏の野草を求め野山を歩く。
あぁ、また春がやってきたなぁって、じわーっと思う今。
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