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道徳の研究をするためにおこなった提案

道徳の研究にむけて

道徳についての提案を8年前にしました。
「道徳科 研究論文」を書く前の年に提案した物です。

手探りの状態でしたが、いかに具体例を示すことができるかを考えてみたつもりです。
でも、表現がいたらないので、書くことに困ったら一般論として抽象的な表現でごまかそうとしています。

以下、その時の提案を記していきます。

道徳の研究に向けて
研究テーマ
「自己を見つめ、物事を多面的・多角的に考え、自己の生き方についての考えを深める道徳科の学習法」


道徳の授業の方向性について
道徳教育は、教育基本法および学校教育法に定められた教育の根本精神に基づき、自己の生き方を考え、主体的な判断のもとで行動し、自立した人間として他者と共によりよく生きるための基盤となる道徳性を養うことを目的としています。
この研究テーマを深く理解するために、本校の現状を把握し、必要な言葉の定義を明確にしておきます。


子どもたちの現状と課題
今の子どもたちの行動を観察すると、以下のような傾向が見られます。

  • 周囲の目を気にしすぎる

    • 「友達からどう見られるか」を気にしすぎて、自分の本当の考えや気持ちを後回しにしてしまう。

  • 感情のコントロールが難しい

    • 「ムカつく!」という不快な気持ちを抑えきれずに行動し、結果として後悔してしまうことがある。

このような状態では、周りの目やその場の感情に流されて判断してしまい、適切な行動を取ることが難しくなります。そこで、道徳性を培うために「自立」という言葉を明確に定義します。


「自立」とは何か?
自立とは、他者に頼ることなく、自分で判断し、責任を持って行動すること。

  • 他者の意見を聞くことは大切だが、最終的な決定には自分が責任を負う。

  • 自分の考えを持ち、適切な行動を取れるように、心の育成を目指す。


魅力的な道徳の授業を目指して
道徳科の時間は、単なる心理理解にとどまるのではなく、望ましい行動を教えるだけの授業でもありません。道徳的価値を自覚し、実生活の中で生かせるような魅力的な授業を実現することが目標です。
そのために、以下の三つの柱を大切にします。
1. 「自己を見つめる」

  • 道徳的価値を自分との関わりで考えることができるよう、問いかけ(発問)を工夫する。

  • 自分の経験と結びつけることで、より深く考えられるようにする。

2. 「物事を多面的・多角的に考える」

  • 一方的に教え込むのではなく、子どもたちが主体的に学べるようにする。

  • 具体的な工夫例:

    • 話し合い活動を通じて、異なる意見に触れる。

    • **役割演技(ロールプレイ)**を活用し、異なる立場の気持ちを理解する。

    • 実際の体験活動を通して、道徳的行為の意味を実感する。

3. 「自己の生き方についての考えを深める」

  • 発達段階に応じた指導目標を明確にする。

  • 例えば、「親切・思いやり」についてのねらいを学年ごとに設定する。

    • 低学年:「親切とは、相手も自分も、周りの人たちも温かい気持ちになること。」

    • 中学年:「思いやりとは、相手の気持ちを自分のことのように考え、『もし自分だったらこうしてほしい』と思うことを行動に移すこと。」

    • 高学年:「思いやりとは、相手の気持ちを理解するだけでなく、相手にとって本当に大切なことを考えて行動すること。」


授業のまとめと振り返り
授業の最後には、子どもたちが「今日の学び」や「発見したこと」を振り返る時間を設けます。この振り返りこそが、自己の考えを深めたがわかる証明となります。
道徳の授業を通して、子どもたちが自分自身を見つめ直し、多面的に物事を考え、よりよい生き方を模索できるようになることを目指します。

指導案について
 指導暗に盛り込む項目
 ① 主題名
 ② 教材名
 ③ 主題設定の理由
   ・ねらいとする価値について
   ・児童の実態
   ・教材について
 ④ 本時のねらい
 ⑤ 本時の展開
 ⑥ 評価
 ⑦ 添付資料(あれば)
   ・板書計画
   ・使用プリント
   ・児童に実施したアンケート
   ・子どもの作文
   ・振り返りで書いた記録

 一目で分かりやすくするための工夫として、「教材について」または「本時の展開」で、指導すると、子どもたちはこのような変容があるのではないかということを視覚的に表現する。


指導案に掲載する考え方の変化するイラスト

評価について


「Assessment(診断)は個人内評価の一環であります。一面的な見方から多面的かつ多角的な視点への発展が観察されますか。さらに、多面的かつ多角的な思考の中で、道徳的価値観を自己との関わりの中で深めているかが重要です。」この点に注目し、特に顕著な具体的状況を記述して、成長を励ますことが求められます。
具体的には、授業中の子どもの発言やノート、ワークシートに記された内容を基に評価します。ただし、行動面の変化については言及しません。
だめな例を以下に示します。

  • 友達と協力することで、みんなが喜ぶことに気づき、進んで友達に優しくするようになった。

  • 命の大切さに気づくことで、自己肯定感の表れがよく見られるようになった。

  • 協力の重要性に気づき、掃除の時間には率先して掃除を始めるようになった。

  • 体育で困っている友達に声をかけ、一緒に頑張ろうとする思いやりの行動が増えた。

では、どのような評価が望ましいのか。これについては別紙の参照プリントを見てください。
(別紙のプリントはありません)
 
通知表について
各教科の評価項目を検討し、以下の追加事項が必要です。

  • 1・2年生:道徳科の文章表記の項目を増やす。

  • 3・4年生:道徳科および外国語活動の文章表記の項目を増やす。

  • 5・6年生:道徳科および外国語の文章表記の項目を増やす。

現行の通知表をベースにする場合、項目を増やすスペースが限られているため、所見欄を縮小する必要があります。通知表を全体的に拡大する場合は、所見項目を増やすことが可能です。完全に異なる形式の通知表を使用する場合は、毎学期、別紙の評価表を挟むバインダー方式も検討できます。




こうやって、道徳の研究の具体化を図りました。
この意思統一ができていたので、前日まで紹介した論文になったのです。