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小学生の絵からキュビズムが生まれるとき

低学年に斜めの顔を描かせるとキュビズムになる!?

低学年の子どもたちに「斜めから見た顔」を描かせると、思いがけずキュビズム的な作品が生まれる。

輪郭は指導通り斜めに描いているのに、目は真正面を向いたまま。鼻は横から見た形、口はどこか平面的…そんな風に、それぞれのパーツがバラバラの視点で描かれるのだ。子どもたちは、見たままではなく、"知っている"顔を組み合わせるように描いているのだろう。

この現象がとにかく面白い!まるで人が「ものを認識し、表現する」プロセスを目の前で再現しているような感覚になる。まさしく、視覚的な体験と知識のすり合わせが行われている瞬間だ。

ふと、ピカソのキュビズム作品を思い出す。彼の絵が生まれた背景には、こうした人間の認識の仕組みへの洞察があったのかもしれない。無邪気に描く子どもたちを見ていると、ピカソの絵の理解がほんの少し更新されたような気がした。

大人が意図的にキュビズムを生み出す発想と、子どもが自然にキュビズム的な表現をしてしまう現象。そのギャップがなんとも興味深い。改めて、芸術とは何か、表現とは何かを考えさせられる瞬間だった。

やっぱり、絵を教えるって楽しい!