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呪術廻戦という名の巨大底なし沼を語らせて
スカパー!がnoteとコラボして、「 #ハマった沼を語らせて 」という企画をやるらしい。
どうやら二年ほど前にも同じように沼トークを募集した事があるのだとか。
語るなら二年前にハマった何かを語るというのも良さげだが、その二年前にハマった何かより、個性的なハマり方をしたジャンルを語る方が面白い気がしたので……
私は『呪術廻戦』を語ろうと思う。
(せっかくだ!皆もそれぞれの「沼」を語って、noteそのものを底なし沼にしてしまおう!)
そもそも何故ハマったの?
私は2024年10月19日に呪術廻戦にハマった。
呪術廻戦を知る人なら分かると思うが、漫画は完結寸前、アニメは特に何もやってない……というタイミング。
本当にこれは偶然中の偶然だが、MiraiMindというアプリで見かけた七海建人がキッカケで、呪術廻戦を知った。
そしてその七海建人と話すうちに、「呪霊とは何か」「何故この人はこんなに後輩を守ろうとするのか」「高専とは何か」「何故この人に夏油という名を出すと複雑そうな反応をするのか」と、疑問が生まれてさ。
気がついたら、この七海建人について調べ尽くしていた。(死ぬという所まで全て)
七海建人の何にハマった?
後輩を守る、年下を守る、その理由を調べる過程で……
そもそも「何故呪術師になったのか」を知った。
有名な「同じクソならより適性のある方を。出戻った理由なんてそんなモンです」を知った訳だが……
その背景にあった、とあるパン屋さんでのエピソードが、素敵だった。
パン屋のお姉さんに憑いていた小さな呪いを祓った。
世話になっているし、気まぐれに祓った。
そうしたら、自分がその店を出た後、わざわざ追いかけてきて……恥じらいも捨てて大きな声で「ありがとう」と繰り返し言ってくれた。
呪術の世界から逃げていた自分は、その世界にやり甲斐を見いだして、戻る事を決意した。
こんな感じのエピソードが七海にはあるんだ。
私は七海の視点でそれを読むより、パン屋の店員の視点でそれを読んでいた。
ファンパレで偶然にもこの場面がしっかり使われていたものだから、何度も何度も繰り返し、その話を読ませてもらった。
接客をする上で、七海のような人に出会う事は少なくない。
何かに疲れきった顔をしたサラリーマン。
でも来る度にいつも同じ、お気に入りの商品を買っていく。
何度か対応をするうちに、私の辛さに共感してくれる。
「頑張ってね」「頑張ろうね」
そんな言葉を、多分向こうは自分に言い聞かせる感覚で言っている。
でも私はその言葉のおかげで頑張れるし、救われている。
「ありがとう」と伝えたいけれど、伝えようと思った時には、そういう人は立ち去って遠くにいるものだ。
店の外に出てまで「ありがとう」と伝えた。
「ありがとー!!また!!来て!!ねー!!」と、そう伝えた。
任務が忙しいのもあって、七海はこのパン屋には行けていないようだが……
店員を務める私は分かる。
この人は七海が来るか来ないかという部分は、そこまで見ていない。
ただ、ただひたすら、「ありがとう」を直接伝えたかっただけだ。
このエピソードがゲーム内で出ているだけじゃなく、アニメでも出ていて、当然原作でも出ている事を考えたら……
作者はどれだけの人を見てきたのだろうと、そう思えたんだ。
七海の目を通して、接客に従事する人の気持ちもそうやって表現してくれた。
七海にハマったというより、作者の描く世界にハマったというのが正解なのかもしれない。
伊地知潔高、夏油傑にハマった
実はファンパレをやり始めて間もなかった頃、主人公が誰なのか分かっていなかった。
それっぽいのは五条悟か虎杖悠仁だと思って、その二人を中心にストーリーを追う事にしていた。
ちょうどファンパレをやり始めた頃、懐玉・玉折という五条悟の学生時代の話をイベントでやっていた。
キャラの強化も兼ねて、そのイベントを先にやった。
傑に思っクソハマった話
まぁ過去編なんてやったら、夏油傑にハマるのは言うまでもない事実。
七海の学生時代が分かるぞ!くらいのノリで読み進めたら、傑に感情移入していた。
最後の方なんて、悟も七海も灰原も見なくなっていた。(学生時代の悟や七海知りたさに読んだはずなのに)
……最初は、傑を休ませようとしなかった上層部に本気で怒りを感じていたよ。
あの時にあんな場所に傑を行かせた連中に。
せめて、せめて悟を同行させてやれよ。
傑を一人にさせるなよ。
そう思って……。
七海一人だったら、多分ここまでハマる事はなかったと思う。
自分自身と同じ事を考え、同じように生きている人が、一人になった後の道を見た。
一人にならなかった私と、一人になった傑の決定的な違いを見てしまった。
その事があったから、今のように夢中になったのだと思う。
何故か伊地知にハマった話
ちょうどそのイベントをやる中で、戦力もいい感じに強化されていた事もあり、メインストーリーのクエストも進めていた。
なんと、ストーリーで「これなんぞ?」と思うような事柄を、悠仁は必ず「これ何?」と聞いてくれる。
そして説明してくれるのが、伊地知だった!!
まぁ「何で五条さんは説明しないんだ」と思う場面もチラホラありそうだったけど。
いやぁ、伊地知がいる安心感ってのは本当に大きくてさ。
あ、こりゃ皆が頼りにするの分かる、みたいに思ったんだよ。
誰かを信頼する場面がほとんど見られない悟だって、伊地知には全面的に信頼を寄せている。(寄せ過ぎなくらい寄せてる)
伊地知はどんなに振り回しても応えてくれる。
やり遂げてくれる。
出来る・出来ない、という答えを導き出すのも早くて、仕事で組むなら最強の相棒だと思った。
多分これ、社会人になってから見たからハマったんだと思う。
伊地知の魅力は働くだけの身にならないと分からない。
大人向けの魅力だと思うよ。
学生のうちには学生のうちしか分からない魅力が、どのキャラにもあるだろうからさ。
伊地知の魅力も学生ならではの観点から見て、そこから知ってハマってくれたら私は嬉しい。
で、働くようになるとか、結婚して地域やら何やら色々関わるようになるとか、自分自身が主体となる場が増えた時に……
私が語ったような魅力が分かるようになる。
今学生の人達は、「学生ならではの観点からの魅力」が分かるから、お得に楽しめるね!
伏黒甚爾という沼
いや……七海、伊地知、傑だけでも相当なアレだけど……
よりによってそこ!?みたいな話である。
これ以上ないくらい「クズ」「ダメ男」「最低野郎」みたいな要素を詰め込まれた男キャラ、伏黒甚爾。
多分、これに並ぶ奴は東リべの明司武臣くらいしかいない。
そのレベルで……「クソ野郎なのに魅力がある」というのは、他がいない。
何故魅力があるのか。
「やる」と言った事柄は必ず「やる」からだ。
それに何より、愛情らしい愛情を知らずにいた彼が、生まれてきた我が子に「恵」と名をつけた。
恵まれた環境にはいなかった、呪術師としての才能にも恵まれなかった、そんな「恵」を知らなかった甚爾が……まだ赤ん坊のその子に「恵」と名付けた。
そんな所に見え隠れする人間性が、好きなんだ。
で、「恵」は五条悟に引き取られた。
幼少期の恵にあった道は二つ。
「伏黒恵として五条悟のもとで生きる」か、「禪院家に行って禪院恵となる」か。
いざとなったら金になるという事からか、甚爾は恵を禪院家に売ろうとしていたようなので……。(術式に恵まれなかった甚爾から生まれたのが、お前らが金払ってでも欲しがるくらいの術式に恵まれた恵だぞ、という甚爾からの禪院家に対するイヤミかもしれん)
その二つの道がある、とまでしか知らない状態で命を落とした甚爾は、後に偶然……誰かが霊媒したか何かで、デカくなった恵と出会う。
そして名前を聞くんだ。
「お前、名前は?」と。
戦闘中に唐突に名前なんか聞かれたモンだから、恵はキョトンとして「ふ、伏黒……」と答える。
それを聞いた甚爾の「禪院じゃねぇのか、よかったな」がまた良かったんだ……。
この「よかったな」の子安さんの演技が……。
こんなんだからパパ黒なんて呼ばれるんだ!
「伏黒甚爾」という名前をうろ覚え過ぎて忘れていた人も、「パパ黒」としては覚えていたの!!
こういう魅力があるせいだ!!
これはね……大人になったら分かる……。
多分30過ぎたら分かる……。
お父さんとか、年上のおじさんとか、そんな風に甚爾を見るうちは分からん。
一人の人として、同世代として見るようになったら分かる。
カッコいい。渋い。
お前マジで30なるかならんかの歳で終わったん?って思う。(多分そのくらいの年齢設定だと思う。27とかそんなん?)
最後の最後に来る、虎杖悠仁という底なし沼
悠仁は自分からグイグイ引っ張る事はない。
七海という沼をギリギリ脱した先に伊地知沼や傑沼があり、更に甚爾沼にも落ちた……
そんな満身創痍の人間が自然に落ちるのが、悠仁沼。
しかもそこは、底なし沼。
そしてそこから脱したとして、宿儺や真人が待機している。
その近くには悟沼やら憂太沼やらもある。
ついでに言うと、この数々の沼は……結界(帳)の中にある。
そう、そもそもここに迷い込んでいた時点で、詰みである。
「大丈夫!宿儺の指より不味いモン、知らねーから!食えるよ、これ!」
失敗した料理を渡したって、きっとこんな風に言うんだ。
消し炭を渡したって、きっとこう言うんだ。
そして好感度上がりに上がっていくんだ……。(まほやくのミスラがそうなんだよな、失敗作処理係になったせいでめっちゃ好感度上がってく)
「いいじゃん、いいじゃん!今の、ここが惜しかっただけだろ?次やったらもっとやれるって!」
何を失敗しても言ってくれそう。
「落ち込む事くらいあるよ。でも一人じゃねーから。俺もミスったら落ち込むし!仲間、仲間!」
こんなん言ってくれそう。
というか、順平に言っていた事がこの勢いで優しさ全開だった。
悠仁がいる安心感は半端ない。
「悠仁がいるなら恵も抱え込まないだろうし、野薔薇がしっかり二人を見てくれる。悠仁はそんな野薔薇の性格をよく見てる。三人で一つと言える関係性を、これからも保っていけるよね」みたいな。
悟が獄門疆の中で大人しくしていられたのは、悠仁への絶対的信頼があったからだと思う。
大人になるとな。
悠仁視点ではなく悟視点から見てしまうんだよ……。
だから、学生のうちに呪術廻戦にハマったなら、今のうちに悠仁やら憂太やらの視点を思いっきり楽しんでくれ……!
……今ならファンパレで傑を引き当てられるかもしれんぞ。
誰か傑沼に落ちるんだ!
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