むにみずべ 千葉編01 佐原水郷カヤック
日本最大の利根川。その河口の近くは水の郷。今回は15kmを漕ぐ本気アクティビティ。
寒そう?いえいえ、冬こそ、長距離カヤックシーズンです。
こちら、知っていますか?
カヤックで旅に出る面白さ
多少漕いだ経験がある程度、自前のカヤックを所有もしていないペーペーのムニが言うのも何ですが、
やはり周遊でスタートに戻ってくるのとは、面白さが段違い。カヤックの本領は旅でこそ出るものです。
そんな夢を叶えてくれるのが、今回ご紹介する佐原水郷カヤックです。Mioカヤックアドベンチャーさんによる、速乾性の服以外は全てレンタルで、誰でも参加できるツアーです。
このコース何が良いかといえば、
目まぐるしく景色が変わり、それが全部水で繋がっていくこと。
川沿いの古い街並みがある佐原から始まり、
日本最大の利根川を横断、
手動式の閘門を通り、
農業用水路の江間を抜け、
加藤洲十二橋をくぐって、
向かうは県境を超えた茨城県の潮来。
全15km、水上の旅、始まります。
船で入るべき佐原
東京から電車で2時間、今は千葉県の端っこにある佐原は江戸時代、一大中継地でした。
現代では考えもつかないそのルートは、
利根川を遡上し(銚子ー佐原ー関宿)、
江戸川を下り(関宿ー野田ー松戸ー行徳)、
小名木川を通るもので(行徳ー江戸)、
東北から来ると、房総半島をぐるっと周らずに船で江戸に行けるというルート。
太平洋は難破する危険も多く、かたや陸路は辛すぎる、突如として利根川が最重要路線となりました。
そんな利根川水運の中継をした佐原は、繁栄を極め、街の中心を流れる利根川支流の小野川には荷揚げのための雁木が連なり、蔵や店などの古い建築物が並ぶ素敵な街並みがあります。
ということは、電車でも車でも行ける現代でも、この街には船で入りたいですよね。
佐原を知って10年、ずっと行きたかったけど待った甲斐がありました。初佐原は無事船入り。
利根川横断
歴史的な佐原を後に、水門を出ると待っているのは利根川です。日本最大の河川、利根川。その流れは関東平野を作り上げた張本人です。
佐原の発展も、この利根川が遠く江戸まで繋がっていたからこそ。
利根川の巨大な水面は、どこまでも続く鳥の楽園です。
(鳥が大の苦手であるムニにとっては、水辺に忽然と現れる地獄のような風景。)
中でも水面を走るように飛び立つカイツブリ、ぽっちゃり系のお腹が邪魔するのかなんなのか、飛び立つのに水面を走って助走をつけます。
チュパパパパパパッ
という音と共に、矢の如く縦横無尽にあらゆる角度から、水面を駆け抜けて行くのは、中々スリリングでした。
かわいい〜と、のん気に写真を撮るムニフレンドの後ろで、密かに必死でカヤックを漕ぎ、素早く対岸を目指します。
まさかの手動で動かす閘門
永遠に思われた鳥だらけの水面を漕ぎ終えると、やっと人間界への入り口たる水門が見えてきました。
と、インストラクターさんから、水門の左端を漕いでねと言われます。本来水面は万国共通で右側通行のところ、なぜ左側なんだろうと思っていると、何やらワイヤーが垂れ下がっていました。
なんと、ここは手動式の閘門であり、船で来た人がワイヤーを引っ張ることで閘門が稼働するのです。
閘門とは、水位差のある場所を繋ぐ水のエレベーター。なんとこの横利根閘門、大正時代から使われる現役閘門です。
門を抜けると、打って変わって静かな横利根川に出ます。
田んぼの間を突っ切る江間
江間は、この辺りで造られた農業用水路のことです。
利根川の中洲を整備した十六島を田んぼにすべく掘られた水路がその始まり。今でも田んぼに水を引くためのホースが時々見えます。
昼は、あやめパークの近くで一度上陸。すぐ近くのセブンで買います。無駄にテンションが上がり、必要以上に買ってしまう船で寄れるコンビニ。
さて中洲に誕生した十六島。
かつては最低でも年一回という、まるで大掃除のような頻度で洪水が起きる低地帯。そこで農業に勤しむ人々が住んだのは、掘った土を盛ったちょっとした高台です。
その最も有名なのは加藤洲、十二橋。
加藤洲十二橋
加藤洲十二橋が観光地として有名なのは、昭和の歌姫、美空ひばりさんが歌った『娘船頭さん』の舞台となったこともあるみたいです。
十二橋を抜けると、この大冒険もいよいよ終わり間近です。
夕陽で輝く常陸利根川
久々の大きな水面、鳥もいない、そしてゴールが目と鼻の先、達成感と満足感のウィニングローです。
無事に県境を超えました。
以上、佐原水郷カヤックでした。ぜひこの冬、お試しください。
なお、東京方面への帰りは、高速バスがおすすめです。溢れ出る疲労で泥のように眠れます。
また東京都心でも全15kmのカヤックツアーがありますので、ぜひこちらも。