感情の速さを利用せよ
思考は遅い・感情は速い
ぼくがここ1、2年ですごい感じるようになったのが、「思考は遅い」ということです。
これは多分ぼく自身が頭の回転が速い方ではなく、何を考えるにもスローだからというのもあるのですが、ぼくらが「いわゆる思考」と呼んでいるものは、「論理的」とか「ロジカルシンキング」のようなイメージがあると思うんですね。
でも人が行動するときは、実際には脳の処理プロセスはロジカルシンキングをしていない、とぼくは考えています。
例えば仕事で上司に報告するときはいろいろ考えるけど、いざ自席に戻ったらいちいち考えたりせず仕事する、のと同じです。
人はきっと自分や他人に自分の何か(行動、理由、意味)を説明するためにロジカルを使うんだと思うんです。
つまりロジカルはあくまで”説明のためのツール”だと。
ロジカル、言語化、思考のメリットは主に、再現性が高まることです。再現性が高いというのは、2回目も3回目も同じ結果になるということです。
そしてデメリットは何かというと、同じく2回目も3回目も同じ結果になるということです。
つまり、
・ロジカルに考えるもの
・考えたもの
・言葉で表したもの
は、良くも悪くも変わらない、変わりにくいということです。
この性質は、
「考え方は変わりにくい」ということにつながっています。
そもそも「考え」とは言葉で表されるもののイメージがあると思いますが、その言葉の一番の特徴は、「変わらない」ということにあります。
100年前の「りんご」と、今日の「りんご」が、まったく違ってしまったらそれは言葉として役に立ちません。
「変わらない」ことが言葉の最大の発明です。なので言葉で表現される「考え」が変わらない、変わりにくいのは当たり前の話です。
じゃあなぜロジカルに話すのか
(でもむねをさんってすごくロジカルに話すし、ブログでも考え方は変わりますって書いてましたよね。)
確かにそうです。
確かにそうですし、ぼくもみなさんの考え方を変えられる、それがぼくの得意なこと、と思っていました。
でもあるとき思ったんですよ。みんなは別に考え方を変えたいなんて思ってない。って。
「じゃあぼくのブログを呼んで変わったと思ってるひとは何が変わったんだろう?」って考えたらわかったんですが、それはきっと、
ぼくがロジカルに話すことで、不安感が小さくなった。のだと思ったんです。
つまり、ぼくはみなさんの考え方を変えたわけじゃなくて、きっと感情を変えたんだと思ったんです。そのことに気づいた。
そこから、ロジカルはあくまで道具だと思うようになりました。(逆にぼくはその道具をもっと磨いていこうと思うにようになりました。)
でも、その結果変わっているのは、相手の気持ちなんだ。
と思えたことによって、
・相手の考えを変えよう!
・相手に理解させよう!
が消えたんです。
これは自分の中でけっこうすごい革命だったと思います。
感情にアプローチする理由
「思考は遅い」。
それを顕著にそれを感じるようになったのは、以前生まれて初めて、楽器を練習しはじめたときからです。
楽器というのはある打楽器なんですが、ぼくがやっていた練習方法って、
1. 教本に乗ってる楽譜を読んで
2. 実際に叩く
です。
それからある一定のところまでいったときにカベにぶちあたったんですが、それは「スピードがそれ以上速くならない」ってことです。
で、ある YouTubeで楽器を教えてる人の動画を見た時にその人がいってたのは、「楽譜の通りに叩こうとするからスピードがでない」ってことです。
つまり、「一度頭で考えてから体を動かそうとするからそのスピードに限界が生じる」ってことでした。
これをみたときにすっごい衝撃を受けたんです。「確かに!!!!!!!」ってなりました。(笑)
楽譜というのは思考でいったら言葉です。言葉で考えるメリットはそれが「変わらないこと」です。なので人に説明する、教えるためには言葉が使いやすい。
ただ、実際のプロの奏者は、
楽譜を一度頭に思い浮かべて
↓腕に指令を出す
なんてことはきっとしていないはずです。
サッカーで言ったら、ドリブルをするのに、
ボールの右に斜め45°付近にまず右足を置く
そのあと上半身をフェイントのためにやや左に傾ける
その後、後ろの左足でボールの右後ろ側面を引っ掛ける
・・・
みたいに「考えて」動いてたら一瞬でボールをとられてしまいます。
この経験から、ぼくは頭をガツーンとなぐられたような気づきがありました。
それまでは論理的であること、ロジカルであることが自分の最大の武器だと思っていたのに、それが「動きの妨げになることがある」と気づいたからです。
心のことについても、そこからちょっと自分のアプローチを見直してみたんです。
変わってるのが感情なら、もっと直接的に感情にアプローチしたらいいんじゃないか?と。
で、感情スキルの話を体系的にまとめてみようと思った、というところに至ります。
感情ってすぐ変わるじゃないですか。
1日の間でも、朝起きた時はご機嫌だったのに会社にいったらテンションが落ちたり、逆に奥さんに怒られてイラッとしたのにお酒飲みに行ったらすぐテンションが回復したり、思考と比べて感情ってめっちゃ変わりやすいな!
って思いました。
この性質をもっと活かしたら、面白くなりそうだなと。
子どもと接する中で、感情にフォーカスする練習をする
そんなことがあり最近はこれまでに増して、感情にフォーカスするようになりました。
その結果すごく実感していることとして、家庭内の雰囲気がものすごくよくなりました。
・奥さんが不機嫌になっても一言二言でそれが解消するようになりました。
・子どもが怒っても自分がイライラすることが減りました。
なんかこれまで以上にすごく幸せです。不思議。(笑)
子どもって、思考でコントロールできない生き物です。思考でコントロールできない生き物を思考でコントロールしようとするとストレスになります。
感情も同じです。思考でコントロールできない感情を思考でコントロールしようとするとストレスになります。
子どもが怒ったら、「なぜ」と考えるのが思考です。
ではなく、「今この子はどんな気持ちなのかな?」に注目するようにしてみただけです。
それだけで家族の雰囲気がめちゃくちゃ変わったのを感じるんです。
これは自分にもきっと当てはまって、「今自分はどんな気持ちなのかな?」に注目しケアできるようになるだけで、自分だけではなく周りの人と過ごす空気感が変わると思います。
「感情は速い!」
そのことに気づいた話でした。
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