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念願の散歩、新居周りの開拓


 隣でおばあちゃんがメロンソーダを飲んでいる。そこまで意外には思わない、私が生まれ育った家の隣には、コカコーラが大好きなおばあちゃんが住んでいたからだ。
 あのおばあちゃんを思い出して少し嬉しくなるだけ。

 モスバーガーで集中して本を読んだ。今日持ち歩いたのは、まだまだ読み終わらない森見登美彦の『太陽と乙女』と、谷川俊太郎の『ひとり暮らし』である。どちらもエッセイだ。そろそろ物語が読みたい気もする。

 『太陽と乙女』、京都や大阪という土地があまりにも魅力的でクラッとくる。
 大阪は一度も、京都には中学生の時に一度だけ家族で行ったきり。あ、修学旅行も京都だったわ。懐かしいね。金閣寺と銀閣寺が意外と遠いってことしか覚えていない。
 森見さんは自分が書く京都を「偽京都」といっている。あくまで己の妄想の中の京都なのだと。

 私も、妄想を掻き立てられるくらい魅力的な街に出会いたいものである。実を言うと、生まれ育ったあの日本家屋がそうなのだが。あれは古くなりすぎて取り壊されて、わずかな記憶の中にしかいない。妄想で生き返らせることは可能だろうか?


 『ひとり暮らし』

 カバーにあった谷川俊太郎の顔が、想像していたのと違った。なんか、線が細い。
 私の章のひとつめ「ポポー」を読み終えた。
 ぐんぐん話が進んで、突然終わる。なんだなんだと反芻してみると「私」の基本的な情報、生い立ちや家族の話がきちんと頭に入っていることに気がつく。何ともクール、こんな文章が書いてみたい。

 眠い。寝付けなくて唸るのが嫌で、初めから睡眠薬を2錠飲んでいる。そのせいか、常時眠い。モスバーガーの帰りに無事、卵とウィンナーを買い、今日の朝ごはんはとても豪勢だった。
 眠い頭を叱咤しながら着替えて、今日も散歩。昨日と違って明るいうちから散歩。

 晴れている。

 すりガラス越しでは明るいということしかわからなかった。ここまで突き抜けた晴天だったとは。
 日差しが強すぎて、眠い私には強すぎて、眉間に熱が集まるのが辛くて晴天をありがたがれなかった。日陰を歩くと、凄く心地が良い。

 新居の周りに何があるのか、どこへ歩み出ても基本的に住宅街だ。しかし駅前に近づけば…中華料理店の群の隙間にカフェがある。
 早起きできてよかった。今、2軒目のカフェでアイスカフェラテをすすっている。

 ここは夜8時までやってるんだって。お腹が減るまでここにいて、スーパーに寄って帰ろうね。

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