#2 財務分析の前にJクラブの情報について調べてみた。
公認会計士のゆうと申します。
数あるnoteの記事からご覧いただき、ありがとうございます。
前回は自己紹介を中心の記事でしたが、今回から少しずつ本題を書いていきたいと思います。まずは財務分析の対象となるJリーグの各クラブについて情報を整理してみていきたいと思います。
お時間のない方は、目次から5.まとめをご覧ください。
留意事項
・クラブ名はホームタウン等の簡略化した名称で記載します。
・HPでの開示状況は、目視による確認のため、誤謬等がありましたら適時修正いたします。
1.Jリーグについて
Jリーグは1993年に開幕し、2021年現在、Jリーグディヴィジョン1からディヴィジョン3の3部制を採用しており、Jリーグディヴィジョン1は18クラブ(2021年は特例により20クラブ)、Jリーグディヴィジョン2は20クラブ(2021年は特例により22クラブ)、Jリーグディヴィジョン3は15クラブの計57クラブにより構成されています。
日本サッカー協会(JFA)HPの【サッカーで振り返る平成史と、未来への展望。】から引用した内容が以下の通りとなります。なお、西暦は便宜上追記しております。
2.Jリーグディヴィジョン1
J1の財務分析で使う可能性のある設立年、Jリーグ加盟年、J1在籍年数、J2在籍年数、J3在籍年数、JリーグHPの【クラブ一覧】の情報をもとに、主要株主、持ち分割合は下記リンクをもとに作成しました。
2021年のJ1所属クラブのうち、35%(7クラブ)はJリーグが開幕した1993年より在籍するいわゆるオリジナル10であり、Jリーグ参入年数に占めるJ1(1993年~1998年までのJリーグ含む)平均在籍割合は70.4%と現所属のクラブの多くは長い間J1で戦ってきたことになります。また、現J1所属のクラブのうち、J1初昇格が一番直近のクラブは徳島の2014年であり、J1に昇格することはとてもハードルが高いことが窺えます。
主要株主は、大きく分けてJクラブ前身の企業、参入後に主要株主または筆頭株主となる2パターンであり、近年後者のパターンの株主が増えており、直近では、2021年11月22日に㈱ミクシィがFC東京の2022年より筆頭株主になることがクラブのHP、㈱ミクシィのHPでそれぞれ発表されました(2021年11月現在、東京ガスがHPより主要株主または筆頭株主と推定されます)。
主要株主のリンク
札幌、仙台①、仙台②、鹿島、浦和、柏、FC東京、川崎F①、川崎F②、横浜FM①、横浜FM②、横浜FC、湘南、清水※、名古屋※、G大阪、C大阪①、C大阪②、神戸①、神戸②、広島①、広島②、徳島※、福岡、鳥栖、大分
※HPから主要株主または筆頭株主とは断定できないが、経緯等から推定して記載。
3.Jリーグディヴィジョン2
J2の財務分析で使う可能性のある設立年、Jリーグ加盟年、J1在籍年数、J2在籍年数、J3在籍年数、JリーグHPの【クラブ一覧】の情報をもとに、主要株主、持ち分割合は下記リンクをもとに作成しました。
2021年のJ2所属クラブのうち、9.1%(2クラブ)はJリーグが開幕した1993年より在籍するいわゆるオリジナル10であり、Jリーグ参入年数に占めるJ2平均在籍割合は65.46%と現所属のクラブの多くは長い間J2で戦ってきたことになります。また、現J2所属のクラブのうち、初昇格が一番直近のクラブは秋田、相模原の2021年、次は琉球の2019年であり、J1初昇格に比較すると比較的J2に初昇格するチャンスがあることが窺えます。
主要株主または筆頭株主がどの法人等であるのかクラブHPをはじめWeb上から判断できないクラブがありました。また、運営会社の代表取締役(相模原、愛媛)や持株会(北九州)が主要株主または筆頭株主となっているクラブがあるのは、J1にはない特徴となっています。
主要株主のリンク
山形、群馬①、群馬②、大宮※、千葉、東京V①、東京V②、町田、 相模原①、相模原②、甲府、松本※、新潟、金沢※、磐田、京都①、京都②、愛媛、北九州、長崎、琉球
※HPから主要株主または筆頭株主とは断定できないが、経緯等から推定して記載。
4.Jリーグディヴィジョン3
J3の財務分析で使う可能性のある設立年、Jリーグ加盟年、J1在籍年数、J2在籍年数、J3在籍年数、JリーグHPの【クラブ一覧】の情報をもとに、主要株主、持ち分割合は下記リンクをもとに作成しました。
2021年のJ3所属クラブのうち、60.0%(9クラブ)は2014年のJ3設立時以降にJリーグに加盟、また、Jリーグ参入年数に占めるJ3平均在籍割合は78.87%と現所属のクラブの多くは長い間J3で戦ってきたことになります。ただし、Jリーグ加盟後J3スタートの14クラブのうち、42.9%(6クラブ)はJ2昇格経験があることから、J2昇格・J3降格が流動的に起きていると言えます。
主要株主または筆頭株主がどの法人等であるのかクラブHPをはじめWeb上から判断できないクラブが多数ありました。また、J2と同様に運営会社の代表取締役(今治)や個人(岐阜)が主要株主または筆頭株主となっているクラブがあります。
主要株主のリンク
岩手、福島、富山※、藤枝、 岐阜①、岐阜②、今治、宮崎
※HPから主要株主または筆頭株主とは断定できないが、経緯等から推定して記載。
5.まとめ
6.次回
次回は財務分析するうえで主要なエビデンスとなるJリーグや各Jクラブの個別経営情報開示についてみていきたいと思います。
最後までご覧いただき、ありがとうございました!