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#2 財務分析の前にJクラブの情報について調べてみた。
公認会計士のゆうと申します。
数あるnoteの記事からご覧いただき、ありがとうございます。
前回は自己紹介を中心の記事でしたが、今回から少しずつ本題を書いていきたいと思います。まずは財務分析の対象となるJリーグの各クラブについて情報を整理してみていきたいと思います。
お時間のない方は、目次から5.まとめをご覧ください。
留意事項
・クラブ名はホームタウン等の簡略化した名称で記載します。
・HPでの開示状況は、目視による確認のため、誤謬等がありましたら適時修正いたします。
1.Jリーグについて
Jリーグは1993年に開幕し、2021年現在、Jリーグディヴィジョン1からディヴィジョン3の3部制を採用しており、Jリーグディヴィジョン1は18クラブ(2021年は特例により20クラブ)、Jリーグディヴィジョン2は20クラブ(2021年は特例により22クラブ)、Jリーグディヴィジョン3は15クラブの計57クラブにより構成されています。
日本サッカー協会(JFA)HPの【サッカーで振り返る平成史と、未来への展望。】から引用した内容が以下の通りとなります。なお、西暦は便宜上追記しております。
1989年6月
JFAにプロリーグ準備検討委員会を設置
日本サッカーリーグ(JSL)はリーグを活性化させてサッカーのレベルアップを図ろうと88年に「JSL活性化委員会」を立ち上げて議論を開始。複数回の会議を経て翌89年の3月にJSL評議会に「日本サッカーリーグの活性化案」を提出した。同評議会では賛同は得られなかったことから、議論の場を日本サッカー協会( JFA )に移す。JFAにプロリーグ準備検討委員会が設置されたことによってプロリーグ設立へと大きく動き出す。
1991年2月14日
プロリーグ参加10団体が決定
この日開催されたJFA理事会の承認を受け、プロリーグに参加する10団体(鹿島アントラーズ、ジェフユナイテッド市原、浦和レッドダイヤモンズ、ヴェルディ川崎、横浜マリノス、横浜フリューゲルス、清水エスパルス、名古屋グランパスエイト、ガンバ大阪、サンフレッチェ広島/名称はいずれもJリーグ開幕当時)が決定した。
1991年11月
社団法人日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)設立。川淵三郎がJリーグ初代チェアマンに就任
1993年5月15日
Jリーグ開幕。国立競技場で開会宣言
国立競技場で行われた横浜マリノス対ヴェルディ川崎との開幕戦。V川崎のマイヤーがJリーグ初ゴールを挙げた。企業スポーツからの脱却を図り、地域に根差したスポーツクラブをつくろうという理念は、それまで企業スポーツと学校体育で発展してきた日本のスポーツ界に大きな風穴を開け、日本にサッカーブームを巻き起こした
1999年3月
Jリーグ、1・2部制導入。J1リーグ16チーム、J2リーグ10チームで7年目のシーズン開幕
2014年3月
J3リーグ創設、Jリーグが3部制に
2.Jリーグディヴィジョン1
J1の財務分析で使う可能性のある設立年、Jリーグ加盟年、J1在籍年数、J2在籍年数、J3在籍年数、JリーグHPの【クラブ一覧】の情報をもとに、主要株主、持ち分割合は下記リンクをもとに作成しました。
2021年のJ1所属クラブのうち、35%(7クラブ)はJリーグが開幕した1993年より在籍するいわゆるオリジナル10であり、Jリーグ参入年数に占めるJ1(1993年~1998年までのJリーグ含む)平均在籍割合は70.4%と現所属のクラブの多くは長い間J1で戦ってきたことになります。また、現J1所属のクラブのうち、J1初昇格が一番直近のクラブは徳島の2014年であり、J1に昇格することはとてもハードルが高いことが窺えます。
主要株主は、大きく分けてJクラブ前身の企業、参入後に主要株主または筆頭株主となる2パターンであり、近年後者のパターンの株主が増えており、直近では、2021年11月22日に㈱ミクシィがFC東京の2022年より筆頭株主になることがクラブのHP、㈱ミクシィのHPでそれぞれ発表されました(2021年11月現在、東京ガスがHPより主要株主または筆頭株主と推定されます)。
![](https://assets.st-note.com/img/1640071084165-dFciurrRem.png?width=1200)
主要株主のリンク
札幌、仙台①、仙台②、鹿島、浦和、柏、FC東京、川崎F①、川崎F②、横浜FM①、横浜FM②、横浜FC、湘南、清水※、名古屋※、G大阪、C大阪①、C大阪②、神戸①、神戸②、広島①、広島②、徳島※、福岡、鳥栖、大分
※HPから主要株主または筆頭株主とは断定できないが、経緯等から推定して記載。
3.Jリーグディヴィジョン2
J2の財務分析で使う可能性のある設立年、Jリーグ加盟年、J1在籍年数、J2在籍年数、J3在籍年数、JリーグHPの【クラブ一覧】の情報をもとに、主要株主、持ち分割合は下記リンクをもとに作成しました。
2021年のJ2所属クラブのうち、9.1%(2クラブ)はJリーグが開幕した1993年より在籍するいわゆるオリジナル10であり、Jリーグ参入年数に占めるJ2平均在籍割合は65.46%と現所属のクラブの多くは長い間J2で戦ってきたことになります。また、現J2所属のクラブのうち、初昇格が一番直近のクラブは秋田、相模原の2021年、次は琉球の2019年であり、J1初昇格に比較すると比較的J2に初昇格するチャンスがあることが窺えます。
主要株主または筆頭株主がどの法人等であるのかクラブHPをはじめWeb上から判断できないクラブがありました。また、運営会社の代表取締役(相模原、愛媛)や持株会(北九州)が主要株主または筆頭株主となっているクラブがあるのは、J1にはない特徴となっています。
![キャプチャ14](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/66233507/picture_pc_22126fd8effefa82c1624ba5d9319643.png?width=1200)
主要株主のリンク
山形、群馬①、群馬②、大宮※、千葉、東京V①、東京V②、町田、 相模原①、相模原②、甲府、松本※、新潟、金沢※、磐田、京都①、京都②、愛媛、北九州、長崎、琉球
※HPから主要株主または筆頭株主とは断定できないが、経緯等から推定して記載。
4.Jリーグディヴィジョン3
J3の財務分析で使う可能性のある設立年、Jリーグ加盟年、J1在籍年数、J2在籍年数、J3在籍年数、JリーグHPの【クラブ一覧】の情報をもとに、主要株主、持ち分割合は下記リンクをもとに作成しました。
2021年のJ3所属クラブのうち、60.0%(9クラブ)は2014年のJ3設立時以降にJリーグに加盟、また、Jリーグ参入年数に占めるJ3平均在籍割合は78.87%と現所属のクラブの多くは長い間J3で戦ってきたことになります。ただし、Jリーグ加盟後J3スタートの14クラブのうち、42.9%(6クラブ)はJ2昇格経験があることから、J2昇格・J3降格が流動的に起きていると言えます。
主要株主または筆頭株主がどの法人等であるのかクラブHPをはじめWeb上から判断できないクラブが多数ありました。また、J2と同様に運営会社の代表取締役(今治)や個人(岐阜)が主要株主または筆頭株主となっているクラブがあります。
![キャプチャ15](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/66235651/picture_pc_b6a5d142affc82a27a79225ca57195b2.png?width=1200)
主要株主のリンク
岩手、福島、富山※、藤枝、 岐阜①、岐阜②、今治、宮崎
※HPから主要株主または筆頭株主とは断定できないが、経緯等から推定して記載。
5.まとめ
![](https://assets.st-note.com/img/1637843940467-7TCdyqvMj6.png?width=1200)
6.次回
次回は財務分析するうえで主要なエビデンスとなるJリーグや各Jクラブの個別経営情報開示についてみていきたいと思います。
最後までご覧いただき、ありがとうございました!