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人を好きになって一番どきどきする時、幸せな時。

付き合う前の両思いとか、付き合いたてのカップルはよく今が一番楽しい時期だね〜と言われます。

たしかに彼らはお互いのことしか見えていない、愛おしくてたまらない、相手のそばに行きたい、相手のことをもっと知りたいと目を輝かせているから、それは間違いではないのかもしれません。

友人も、付き合う前の相手の好意が伝わってくる時間っていいよね〜と溶けたような顔で言っていた時期がありました。

それは確かに、甘い時間です。好きじゃん、って思いながら会話を焦らしたり好きを小出しにしてみたり。そんな甘酸っぱい駆け引きは少女漫画の王道だし、平凡な私にあの人からの好意が!?みたいのには正直憧れることを白状しましょう。


でも、私は付き合う前とか付き合った直後とかの、どこかぎこちないけど甘い照れちゃうやり取り、みたいな時間が実はそんなに好きではなかったりします。

私はどっぷり安心できる人の腕に抱かれて、彼と一緒に起きる朝がいい。

それが一番幸せな時間であることは、最初に本気の恋をしてからもうずっと変わっていないような気がします。

それは確かに、どきどきする瞬間とは異なるものです。え〜〜それって私のこと好きってこと〜〜と照れたり探ったりするLINEが嫌いなわけじゃありません。でも、そんなのがほんとだった試しがなかった。いつだって私は恋愛からは蚊帳の外で、浮かれていた時間分の虚しさが襲ってくるのでした。

どきどきする時間。これからどうなるんだろうって繋がれた手の温度だけを頼りにいつまでも夜がふけるのを待つ時間。寄り添って手をつなぎながら映画を観る時間。そんなふとした時を思い浮かべてはみるものの、それが自分にとってそんなに重要なものでないことも知っていました。


だから全力で愛情を注いでくれる人だとわかってからの時間のほうが恋愛においては大切なんです。私って恋にドキドキとかあんまり求めてなかったのかなとも思います。

好きだと伝えてくれたり、わかりやすく表し続けてくれる人が好きです。駆け引きをしたり試したりせずに、ぶつかってくれる人が好き。

そういう人に見守られて、私も大好きだよと正面から抱きしめに行ける恋愛が、私の理想かもしれません。



恋愛の中でどきどきする時についてというお題をもらった時に悩みました。確かにどきどきもしてきたんだけれど、その色彩の薄いこと。

だから付き合いたての時に、今が一番楽しいじゃ〜んみたいににやにやされても、いまいちピンとこなかったんだと思います。

こういうところも、もしかしたら恋愛不器用な理由のひとつなのかもしれません。どきどきを素直に楽しむことができなくて、いつも裏をかいてしまう。そうしたらいつもの自分の振る舞い方がわからなくって、気まずくなってうまくいかない。

でも逆に、幸せな時間はわかっています。朝、となりにいる人の寝顔を見つめて、愛おしいなあと思えるその時間。

私はそんな時間の思い出だけは、なるべく忘れないようにと文章をかいています。



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mayu
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