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「さがまち学生クラブ」というお仕事を紹介する【②気持ち編】

ぼくは「さがまち学生クラブ」という、相模原・町田の大学の大学生で構成される団体のファシリテーターを務めています。

ぼくが取り組んできた仕事の中で、最も力を入れている案件であり、過去の記事の中でもこの団体について多く触れています。

記事は前後編にわけ、この後編ではこの団体の魅力やぼくがこの仕事に惹かれる理由についてまとめていきたいと思います。先日書いた前編では、団体の概要や成り立ちについて触れているので興味持っていただければ、そちらもご覧ください。

さがまち学生クラブの魅力


1. よそ者であり、バカ者であり、若者である

地域おこしに必要な3要素として「よそ者、バカ者、若者」としばしば言われることがあります。さがまち学生クラブには、このすべてが詰まっていると言えます。

相模原・町田の大学生の多くは、地元民ではなく、大学に通うために一人暮らしをしている「よそ者」になります。さがまち学生クラブに所属するメンバーの多くも同様で、プロジェクトは相模原・町田に興味を持つところから始まります。都会になりきっていない相模原・町田は、各メンバーの地元との類似点も多くあります。それを見つけながら、地域を理解していきます。

そして、メンバーは「バカ者」「若者」でもあります。大学生である彼らは学びの途中であり、知らないことも多くあります。彼らの目線は非常に新鮮であり、時にはトンチンカンとも時には意表をつく意見が多く飛び出します。その意見はとても貴重です。

彼らの活動を見ていると、「よそ者、バカ者、若者」の3要素を持つさがまち学生クラブ(に限らず学生のチーム)が、いつか地域興しに対して強く必要とされる存在になり得るんじゃないかと期待しています。

ひとつエピソードとして、、、
相模原市さんからのオファーで「地域の少子化」というテーマに、最終的に課題解決のためのアイデアプレゼンをするプロジェクトがありました。当時、その中で学生チームが「そもそも、少子化の何がダメなのか?」から考える姿に面白みを感じました。その問題が「当然、悪きもの」という固定概念がなく、「よく知らん問題」からスタートしている様は、オファーをくれた担当者さんも驚いていました。

2. 多様性である

さがまち学生クラブに参加してくれる学生さんの、参加動機はざっくり3つに分かれます。

  • 1. 就職活動のために「学生の時に力をいれていたこと」を書けるなにかをしたい

  • 2. クライアントワークに挑戦し、しっかりとした成果物を残したい

  • 3. 自分の大学のコミュニティやサークルに馴染めず、視野を広く仲間探しをしたい

このように、メンバー内で目的が完全一致していないがために、「プロジェクトを進めながら仲間を知り、現実的な落とし所を模索する」というプロセスを回避できません。その多様性が、学生にとってもオファー主にとっても面白く感じられる瞬間を生むことがあります。

3. きちっとやる

他の学生団体と大きく異なる点に、DSCL所属のむらかみ(ぼく)、さがまちコンソーシアムが監修する点が挙げられます。

それは、学生にとってもオファー主にとっても、安心材料となり得ているかと思います。最低限の成果物のクオリティを担保、モチベーションの管理、メンバー間の不協の解消フォローなど、クライアントワークとして完遂するための配慮を行なっています。

学生と行政、学生とビジネスの関係性のプロジェクトにおいて、うまくプロジェクトを維持するのは難しい印象です。きちっと完了することはそれなりの価値ではないかなと考えています。

ぼくが仕事に惹かれる理由


1.  モデルは大学時代の文化祭委員

ぼくは多摩美術大学で芸術祭実行委員という組織に所属していました。ひとつのイベント(成果物)に対して、学生が集まって極限まで考え取り組むこと。そして、イベントの達成感からその時の仲間との縁が5年10年続くこと。僕の知る中では、最強の組織だと思っています。

ぼくのなかで、実行委員のパッションの再現がさがまち学生クラブのテーマであり、それに向けて試行錯誤できる意味でとても楽しい仕事になっています。

その熱いパッションを持った学生組織が、地域に介入しなにかを成し遂げていくことを想像してわくわくしています。

2. 「なにかに打ち込みたい学生」スポットライトを

就活において成功しやすい学生というのは、「ビジョンがあり、それに向けて行動をしていて、スキル習得にも前向きである人」が一例として挙げられます。また、メディアで取り上げられる学生も「自分の好きなことが明確で、夢に向けて努力をしている人」である傾向が強いと感じます。

しかし、さがまち学生クラブに関わる中で感じるのは、上記のような学生はごく一部で「スキルはなく、自分のビジョンを探し、自分ができそうなことを探し、好きなものを探し、夢を探している途中の人が大半だという事実です。

さがまち学生クラブとしてアピールしたいのは、まだ半端な彼らの努力です。大抵の場合、彼らはプロジェクトの中でさまざまな気づきに出会います。彼らが学生期間中になにかしらを発見できることに全力で協力することは、自分が熱くなれる分野だと思っています。

3. 学生と地域がつながることは難しい、だからこそ

2022年10月に、学生が発案し、学生がプロデュースし、学生が運営する地域イベント『つながりマルシェ』を開催するプロジェクトを成功させました。ぼくからすれば、わかりやすいかたちの「文化祭の再現」であり、プロジェクト進行の中で学生さんの変化・成長が見られ、震えました。

しかし、学生がゼロから地域イベントを主導することのハードルの高さを思い知ったプロジェクトともなりました。
辛辣に言って、「地域の仕組みは、(よそ者はさておき) ばか者、若者をあまり前向き受け入れる気がない」ことがわかりました。

学生と地域がつながることで面白いムーブメントは確実に起きるだろうと確信はしています。ただし、その難易度は非常に高いです。まだまだ地域おこしは大人のものになっています。難易度は高いものの、「学生と地域をつなげる挑戦」は、意義のあることがと感じています。

さいごに


2本にわたって、ぼくの持つ複雑な案件「さがまち学生クラブ」を紹介してみました。改めて、ここまで謎の仕事の話に興味を持って読んでくれた方がいるのだとすれば、とても感謝です。

ここまで熱く語っておいてなんですが、ぼくがこの案件に関われるラストイヤーになるんじゃないかなという予感(考え?)を感じています。

なので、今更だけど、自己紹介とさがまち学生クラブの紹介を熱をもってやりたい。それが、今年noteを始めた一要因であります。なのでこの記事で少し本懐を叶えられたところがあります。

さがまち学生クラブのnoteアカウントもあります。今のさがまち学生クラブと過去の取り組みとをちょこちょこまとめていこうと思いますので、興味を持ってくれた方是非フォローしてくれたら嬉しいです。(ぼくのアカウントをフォローするくらいなら、こちらを是非!)


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