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正しく読むとはどういうことか

普段から読書が好きというかたも、そうでないかたも、文章を読むことをしたことがないという人はほとんどいないでしょう。
また、我々のような教育に関わっている人間からすれば、学校のテスト、入試問題あるいは与えられた資料を読解することなど、なんらかの文章に接する機会は多くあります。
そこで今回は、入試を前提に正しく読むということはどういうことかについて書いていきます。

正しく読むの定義

正しく読むとはどういうことでしょうか。
言わずもがな、意味もなく書かれた文章はほぼ存在しません。たとえ、手紙のような媒体であってもなにかしらの「伝えたいコト」があります。
つまり、正しく読むとは、書いた人間の意図、心情(以下では主張とします)を理解するに等しいと言えます。

主張とサポート

では、主張を効果的に伝えるにはどうすればいいのでしょうか。
少なくとも自分の書きたいことをただひたすらに書き殴るだけでは、他人に伝えるという意味では効果的ではないでしょう。

論拠を述べる

自分の主張を正しく伝えるには、その根拠が必要です。
それは経験であったり、研究・統計などのデータ、権威のある人間が書いたものの引用(※)など、さまざまな形があります。
また、自分の主張とは反する主張をあえて引用し、論理的に否定していくという手法もあります。
いずれにせよ、主張には上記のようなサポートを利用することがほぼ必須となっています。
したがって、読み手側は作者の主張部分とサポート部分を時に参考に、時に切り離しながら読んでいく必要があります。

※注意

権威は時として、盲目的になることは注意しておくべきでしょう。あの人が言っているから間違いないと一種の信仰のような側面があります。権威性はある程度は必要ですが、いき過ぎた権威性は時に、誤解を生むことには注意すべきでしょう。

問題をしっかりと読む

では、入試や学校のテストを考えてみましょう。
ここで最重要と言っても過言ではないのは、問題をしっかり読むということです。
どの入試もそうですが、問題のタイプは大きく二つしかありません。

  • 傍線部はどういうことですか(言い換え)

  • 傍線部の理由を説明しなさい(因果)

これら二つがほとんどです。
これらを無視して勝手な解答をすると、そもそも問題を正しく読めてないよね。ってことで点数になりませんので注意してください。

筆者の語彙レベルに合わせる

正しく読むことの最大の障壁と言ってもいいのが、語彙のレベル差です。
勉強を始めたての受験生と受験問題で出題されるような文章を書く作者との間には明確な語彙力の差があります。

仕事でも同じような状況は発生します。自分の専門外の専門書を読むことを想定してみてください。文章以前の問題で、そもそも言葉がわからないと言う場面は容易に想像できます。

ですから、まずは語彙を豊富にしてください。本をたくさん読むことは語彙を豊富にすると言う面では効果的です。しかしながら、受験生には悠長に本を読んでいる時間はないので、その場合は入試問題を解きましょう。実際に出題された問題を通じて、語彙力も増やしていくのです。

結論

大人でも案外、主張を把握できていない人はたくさんいます。主張を正しく読み解くには、主張とサポート部分を区別すること、そして語彙力を向上させること、この二つが必須です。
この機会に、正しく読むことをもう一度考え直してみてはいかがでしょうか。


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