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【本紹介】怖がられず、なめられない。そんな上司になりたいです。

心理的安全性のつくりかた」を読みました。

ここ1年くらい、心理的安全性って言葉聞くな~とは思っていたものの実態が分からなかったので良い機会でした。

▼読書メモ

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▼本の構成(目次)

第1章 チームの心理的安全性
第2章 リーダーシップとしての心理的柔軟性
第3章 行動分析でつくる心理的安全性
第4章 価値とルールでつくる心理的安全性
第5章 心理的安全性導入ガイド


▼Googleが提唱した「心理的安全性」

この本では「メンバー同士が健全に意見を戦わせ、生産的で良い仕事をすることに力を注げるチームや職場」は心理的安全性が高いと定義づけています。

この心理的安全性を提唱し始めたのは実はGoogleなのは初耳でした。
VUCAの時代、正解が無いものにいかに取り組んでいくかトライ&エラーが求められるからこそ、チーム間での意見交換や協力がとにかく重要。
それができる環境=心理的安全性の高いチームを作っていくことが収益性の高さや離職率の低さにも繋がるという考え方です。


▼心理的安全性が低いと…

心理的「非」安全な職場の特徴やリスクも紹介されています。

無知だと思われたくない→質問しない
無能だと思われたくない→ミスを隠す
邪魔だと思われたくない→助けを求めない
否定的だと思われたくない→議論しない

読みながら、メンバーによっては心理的非安全な関係性かも…と思ってしまいどぎまぎしました。

本著では心理的安全性が高いチームを構成する4つの因子を紹介されています。
①話しやすさ(声を挙げやすい)
②助け合い(トラブルに強い)
➂挑戦(チームで試行錯誤)
④新奇歓迎(ボトムアップ)

この4つを高めていくために、柔軟さ(心理的柔軟性)を身につけることが大切で、そのための行動や考え方、ケーススタディなどが紹介されています。


▼「叱らない」=心理的安全性が高いとは限らない

上司が高圧的だと心理的安全性が低そうなのは何となくイメージしやすいですが、注意したいのは心理的安全性を高めようとして陥りやすいのが「ぬるい」職場。

大事なのは「心理的安全性の高さ」と「仕事の基準の高さ」のかけ合わせということ。
心理的安全性が高くても仕事の基準やレベルが低いと「ヌルい」職場。
心理的安全性が低いまま仕事の基準を上げるとそれは「キツイ」職場。

ただ仲良くなるのではなく、仕事の目標を実現するための関係性作りという点をはき違えないことが超重要!
叱らないことを意識し過ぎた結果、ぬるま湯な職場になるなんて盲点…


▼心理的安全をつくる「きっかけ」と「みかえり」

人の行動の流れとして【きっかけ】→【行動】→【みかえり】→【行動】…という流れがあると解説しています。

自分が指示する側(リーダーやマネジメント層)の場合、部下の行動の良し悪しを左右するのが「きっかけ」と「みかえり」。

◎良いきっかけ
「困ってることあったら教えて」
「もっとこうしたほうが良い改善点があれば言って」
「あなたの思うように一度やってみて」

×悪いきっかけ
上司の意見が絶対で個性を発揮する余地がない
「本当にうまくいくの?」
「あなたはこうするべき」
◎良いみかえり
チャレンジしたこと自体を褒める
一緒に振返りともに学ぶ姿勢
挑戦を事例として周りに周知する

×悪いみかえり
チャレンジを批判される
出来ない理由やリスクを並べる
失敗したら責任問題になるかのような発言
上司の言う通りにするイエスマンが評価される


この2つを間違えると心理的非安全が出来てしまう恐ろしさ…

トラップなのが「何でも言ってね」はNGワードということ。
関係性が築けていないと、結局「無知、無能だと思われたら…」の不安を生むので何でも話せる関係性出ない限りは避けた方が良いそう。
伝えるときは「担当するうえで不安な点、もっとこうした方が良いという改善点ある?」みたいに具体的に言うことが大事。

大事なのは「言われたから行動」するのではなく、「確かにそうだな」「そんな気がしてきた」と思わせることができれば、それは心理的安全性が高まっている証拠ということです。


▼今すぐ始められることも

正直小難しい話も出てきますがすぐに始められる行動も載ってます。
感謝を"具体的に"伝えるだったり、週1の会議よりも1日5分の会話を重視したり。毎日の小さな取組みや意識で改善できることも多いそうです。

印象的だったのは、心よりも行動にフォーカスするというアドバイス。
プレゼンを「自信がない」という後輩に対して、自信(心)をつけさせるエールを送るのではなく、自信を構成する行動(アイコンタクト、姿勢、ジェスチャー、大きな声)1つ1つに注目する方が相手にとっては有益で、そういった行動への注目が心理的安全性を高めるのに有効というのは意識したいなと思いました!


▼ノウハウ本というよりは学術書寄り

心理的安全性を上げるためのTipsも紹介してますが、そもそも心理的安全性が高い/低い時の状況がなぜ起こるのか原理から解説してるので、個人的な印象は自己啓発4割:学術書6割って感じの一冊でした。

小手先のテクニックではなくきちんと学問として学びたい人におすすめです。



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