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ことし読んで良かった本②/ノンフィクション編

いよいよ年末。私は部屋でのんびり年越し予定です。

そんなわけで、まだなんとか2022年!
今年読んでよかった本、ノンフィクション編です。
どなたかの本選びのご参考になれば!

『目の見えない白鳥さんとアートを見にいく』 川内有緒

ノンフィクション作家の著者・川内さんが、美術鑑賞をライフワークとしている全盲の男性・白鳥さんと出会い、一緒に各地の展覧会を訪れた体験を綴った作品。
ベストセラーなんですね。

展覧会はもっぱら一人でじっくり観る派ですが(空いていれば好きな作品を行ったり来たり、好き勝手に見るのが好き)

読んでいたら、思ったことをそれぞれ言い合いながらの複数人での美術鑑賞もやっぱり楽しそう! と思いました。

視覚障害者の生活や、感じ方についての話も興味深かった。
生まれたときからほとんど目の見えなかった白鳥さんが「色を概念で捉えている」ということとか。
どんな世界なんだろう。

『予想どおりに不合理 行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」』 ダン・アリエリー

行動経済学に初めて触れました。
知っておくと日常生活で生きるというか、ちょっとだけ冷静になれる場面が増えていいな、と。

かなりボリュームがあるものの、各章ごとに違う実験をして→その都度結論が出る、という流れで進むので、気になる箇所から先に読んだり、つまみ食い的に読んでもよさそう。
思わず笑っちゃうところも多く、読みやすかったです。

人は持っているものを失うことへの心理的抵抗が強いとか、自分の属性を意識させられることでテストの成績が変わる傾向にあるとか、怖い話が結構あります。

でもそういうことって、案外ちょっと知ってるだけでも大きかったりしますよね。
この本だと(時に著者らが体を張った)実験とユーモアある語りで示してくれるので、素直な気持ちで知れました。

あとは、節約したい時にこの本を読むと身が引き締まります。
時間が経ったらまた読み返したい(自戒)。

『急に具合が悪くなる』 宮野真生子、磯野真穂

積読してしまい、今年やっと読了。
哲学者でがん患者当事者の宮野さんと、医療文化人類学者の磯野さんが、出会ってからの1年足らずの期間に書簡形式で交わした、思索のやりとりをまとめた本。

(ものすごく卑近な例で勝手に例えるなら)
子どもの頃、
「テスト中なのに、急にお腹が痛くなってきた……! トイレは行きたくないのに! 変なものも食べてないのになぜ今、しかもよりによって自分が」

と感じた経験って、きっとどなたもおありだと思うのですが
(私だけかもしれない)

一時で済む腹痛ではなく、もしもそれが悪化していくがんだったら、
「なぜ今、自分が?」
という感覚って、終わりがないし、究極の疑問です。

そんな風に思ってしまう感覚、周りとの接し方や、病と向き合うことについて、宮野さんと磯野さんがそれぞれご専門での知識も紹介しながら考察していきます(そしてその説明が分かりやすい)。

お二人ともかっこいいんです。
時にはこんな風に、考え方の枠組み自体を問うていく姿勢。

私たちはともに言葉を扱う学者ですから、持ち手がないからといって現象そのものが存在しないふりをしたり、黙ったりするのはかっこ悪い。既存の持ち手がないのなら、それはなぜかと問い、そして作り出す方がずっと楽しいし、意義があります。

『急に具合が悪くなる』宮野真生子、磯野真穂

こちらは磯野さんの言葉。
最後まで読んだ後、宮野さんの「はじめに」をまたゆっくりと読みました。

日々を言い訳に、アカデミックな本を読まずにいたのですが
立ち止まって考えること、自分の言葉で捉えることってこんなにも力があるのか、と知りました。

お二人の他のちょっと難しそうな本も読んでみよう。


以上です。最後までお読みいただきありがとうございます。

皆さんもおすすめ本があったらぜひ教えてください♪
素敵な年末年始を!

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