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大切な本64「韓国文学の中心にあるもの」
文学を通して文化を伝えあう
一躍ベストセラーとなり日本でも注目された「82年生まれ、キム・ジヨン」。映画はコン・ユによる夫役が「きれい」に描かれすぎてて原作の毒が抜けきってる感があったけれど、それでも興味深く観た。
私が学生時代の頃は朝鮮(韓国)の文化は日本にほとんど紹介されておらず、映画もせいぜい「風の丘を越えて」を観る機会があったくらいだった。99年の「シュリ」を機に韓国の映画界は目覚ましい発展を遂げ、今では国をあげての一大産業に。韓国映画についてはまたどこかでじっくり語りたい。
映画界同様、最近は韓国文学の盛り上がりもすごい。女性作家の素晴らしい作品も多く翻訳されていて、そのなかでも斎藤真理子さんの貢献度は凄まじい。単純に翻訳作品の数だけでも、まさに「凄まじい」の一言!!もちろん原作ありきではあるものの、翻訳家の解釈や表現力によって原作の魅力を伝えきれるかどうかは大きく左右されると思う。
私は原作そのままを韓国語で読むことができないけれど、彼女が翻訳したものならきっと、原作者の伝えたいことが100%以上含まれているだろうと信頼できる。
フェミニズムや少子高齢化、貧困や格差など韓国でも起きている様々な社会問題が潜む作品も多くて、フィクションを読みながらも社会で実際に起きていることに思い巡らせるばかり。
そして、翻訳作品だけでなく、彼女の綴るエッセイも大好き。彼女の琴線に触れるものひとつひとつが私にもたくさんの刺激をくれる。
主催されているユニークなイベント「沈思黙読会」にもいつか参加してみたいなあ…!!
斎藤真理子さん以外にも韓国文学にかかわる魅力的な人はたくさん!彼女たちについては、また別の機会にとりあげます♡
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