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ゴールデングローブ賞は「SHOGUN 将軍」!なんと4部門制覇です。エミー賞に続く快挙です・・人気の秘密は何でしょうね?

こんにちは、今年は滑り出し好調のDJムッチーです。

2025年第82回ゴールデングローブ賞は、「SHOGUN 将軍」が4部門制覇の快挙です。受賞部門と受賞者は、テレビ部門のドラマ部門で作品賞、主演男優賞:真田 広之、主演女優賞:アンナ・サワイ、助演男優賞:浅野忠信の4部門を受賞しました。
エミー賞で史上最多18冠の快挙を達成した「SHOGUN 将軍」が、ゴールデングローブ賞でも評価されたことは、偏りのない人気作品であることの証明ですね。

エミー賞受賞の真田広之さん、アンナ・サワイさん、浅野忠信さん=米ロサンゼルス(AP=共同)

実はリメイク

「SHOGUN 将軍」は、ジェームズ・クラヴェルの小説『将軍』(1975年)をドラマ化したものです。若い方はご存知ないかもしれませんが、この小説を原作とするテレビドラマ「将軍 SHŌGUN」が1980年にアメリカNBCで制作・放送されて、後に映画化もされているのです。キャストは、三船敏郎、島田陽子、リチャードチェンバレンでした。テレビシリーズは、日本でも放送されました。こちらも、エミー賞で3冠、ゴールデングローブ賞でも3部門を受賞しています。この時のゴールデングローブ賞の主演女優賞が 島田陽子さんでした・・・(好きやったな・・)
鞠子役は当初ジュディ・オングにオファーされていたが、「魅せられて」が日本レコード大賞を狙える大ヒットとなったことで出演を辞退して、島田陽子が抜擢されたという裏話があります。

「将軍 SHŌGUN」は、日本の戦国時代を舞台にしていながら、物語の焦点が過度に英国人航海士に偏っていると評価されたそうです。当時の日本文化を、オリエンタリズムの視線で誇張して描写している、という指摘もあったようですね・・・鞠子をジュディー・オングさんにオファーしたことからも、分かるような気がします。
「将軍 SHŌGUN」は変わった映画で、台詞の大部分が英語で日本語が出て来るときは「ブラックゾーンの視点」だからという理由で字幕も付けなかったそうです。アメリカの視聴者は日本語の台詞を「音響効果」のように聞いていたようなんです。

真田のこだわり

子供の頃、こだわることは良くないことだと言われて育ちましたが、最近はこだわることは良いことのようですね。
「SHOGUN 将軍」では、主演の真田広之さんは当初、主演の依頼を受けただけでした、後にプロデューサーとしての参加をも要請されたそうです。
それは、総指揮のジャスティン・マークスが「当初、ハリウッドがこの数十年、日本を描く時『どんな間違いを犯したか』にこだわったことからだそうです。そこで、真田さんと相当の議論の末今回の作品が仕上がりました。
真田さんは「日本人が見てもおかしくない日本を描こう」という原則にこだわったそうです。真田さんは「誤解された日本を描く時代を終わらせたかった」と周囲に話していました。
真田さんが求めたのは、オーセンティック。海外のスタッフや出演者らには、日本の歴史や文化をまとめ日本を正しく理解してもらうために、約900ページにも及ぶマニュアルを作成したそうです。撮影セットの畳には土足厳禁、ケータリングには日本食を用意して、衣裳の家紋の位置から、わらじの履き方、兵隊が持つ銃や槍を全員に右手で持たせたり、お城に農民を入れないようにするなど細かく指導して妥協を許さない作品づくりをめざしたのです。
鞠子役が、いわゆるお姫様俳優の島田陽子さんではなく、色黒のアンナ・サワイさんを起用したことからもオーセンティックへのこだわりを感じますね。

アメリカで人気の理由

アメリカでの「SHOGUN 将軍」の人気の秘密は、日本文化が持つ、ミトロジー的なものかな?なんて考えてたのですが、「ニューヨーク・タイムズ」紙が、「エミー賞を席巻した『SHOGUN 将軍』の裏側」と題して独自のオピニオン記事を発表しています。1980年代にもドラマ化されたシリーズとは異なり、2024年版『SHOGUN 将軍』には、アメリカの日本に対する変化が現れているという面白い指摘をしていますので、ご紹介しますね。

「前作では日本は不思議な異国として描かれ、視聴者は、主人公の日本に漂着したイギリス人航海士、ジョン・ブラックソーンの目を通して日本を見ていた。これは、太平洋戦争後の時代背景や、当時のアメリカにおける日本経済に対する緊張感とも一致している」オリジナルが制作された時代は、日本に対するバッシングが横行し、日本は経済的な脅威として見られていた。大統領候補は双方とも、日本企業の“不公正な貿易慣行”を批判し、トークショーの司会者たちは、日本を対象にしたジョークを飛ばした。また、当時は、日本が脅威的なライバルとして描かれることは文化の域にも広がり、反日的な言説が随所に見られる映画なども登場した。しかし1990年に日本の経済バブルが崩壊すると、このバッシングは鎮火。日本は経済大国として崩壊した一方で、ポップカルチャーの分野では、飛躍的な成長を遂げる。ビデオゲームや漫画、アニメ、そしてピカチュウといった新たなキャラクターが、XからZ世代までの心を捉えた。多くのアメリカ人は、もはや日本をライバルとは見なしておらず、異国的な存在とも捉えていない」

そして戦国時代の社会政治的な混乱を描いた2024年版は、現代の分断された社会を彷彿させるとも指摘する。「封建時代の武将たちのように、現代のアメリカも文化的な対立に直面しており、真田広之が演じる吉井虎長のようなリーダーが存在しない。『SHOGUN 将軍』は、単なるエンターテイメントではなく、現代社会の願望を反映した作品だ」

「ニューヨーク・タイムズ」紙

こんな風に、45年の年月を同根の2作品を通じて感じてみるのも面白いですね。

それでは、今日はこの辺で失礼します。
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