個人面談のハナシ Story of his life
今度、お時間もらえませんか?
たまたま小学校にいたら担任から声がかかった。
大学卒業したばかりの新任男性、めっちゃ若くて肌ツルツル。個人面談はこれで3回目。
図工、スケボーにスノボ好き、学校の休み時間は図書室オンリーのこだわり強めの哲学男児。公立小学校教諭としては、めちゃくちゃ謎に溢れた生徒だろう。共感する。
じゃあ、木曜に。
と、約束。もう3回目なので、さっきまで味噌作りでご一緒していた教頭先生も面談参加。
教頭先生が新任の指導係なのだ。
この小学校、最高だ。
窓からは、雨上がりの霧で霞がかった山が一望できる。
冷たい秋風が気持ちいい。授業中に妄想炸裂しそうだ、と思ったら、4階からは海も見えるんですよ、と教頭先生の一言。そりゃ授業にならないな、と心の中で思う。
えっと、今日はわざわざありがとうございます、と事前に準備したと思われるノートをそのまま読み上げる担任。
この新任の男性担任。憎めない。
女の子に人気なんだ、と息子が言うのも分かる。ちょっと鈍くて、ぼーっとしてしまうんですよね、と自分で言っちゃうくらいの素直さがいい。大卒直後、8歳息子と変わらないんじゃないかと思わせるオーラ満載。伸び代がキラキラと輝いている。
まず、クラスの息子の状況を話される。
で、家庭の様子を聞かれる。
もう3回目となると、こっちも面談慣れしている。色々考えてはきたのだが、結局のところ、JAZZのセッションのように、クラスの流れでできた渦を、ゆるやかに導いていく役目だと思うことにした。
これから、どんなクラスにしたいとか、あります?
子どもにかける言葉って、みんな聞いてないようで聞いてるから、難しいですよねー。
と、話題を未来にスライドさせる。
横で頷きながら、僕が若いときはねー、と具体的な経験談を柔らかいトークで繋ぐ教頭先生。クラスの担任って、まあ、学級経営みたいな役割だから、全体の先をみるっていうかね、と。後はシュートが決まればナイスアシストだ。
サムライブルーでウェーブしたい。
翌日、戻ってきた連絡帳。
若さと素直さ満点の、コメントが書いてあった。
若いって素敵だ、なーんて浸っていたのも一瞬。
ナイス哲学男児、簡単には終わらない。
ランドセルをおろしながらも話し出す。
図工の時間に”恐竜時代”を計画したら、先生からダメって言われたんだ、と。図工の時間割を見ると”思い出を形に”、とある。粘土で作るらしい。これだけの博物館、動物園、水族館や恐竜展、化石と恐竜トークショーを真剣にみてきた息子。恐竜時代の思い入れは、半端ない。彼にとっては、貴重な”思い出”だ。我が息子なり。あっぱれ。
で、恐竜時代?と、担任が迷宮沼入りするのも、共感。
とりあえず連絡帳にぜーんぶまるっと、書いておこう。
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