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時間があれば官民問わず日本の空港・飛行場の航空無線を聞いて航空管制を学ぶ日々。レディオ…

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時間があれば官民問わず日本の空港・飛行場の航空無線を聞いて航空管制を学ぶ日々。レディオ、タワー、ターミナルレーダー、エンルート、これまでに現地で聞いたのは80以上。航空機を見ることよりも航空無線を聞くことが優先なので、航空機の写真はほとんど撮らない。

最近の記事

バーチャル航空管制官のための航空管制講座 ~バーチャル航空管制官に必要なこととは?~

あくまでもバーチャル航空管制官に必要なことの話です。 正しい管制用語と適切な指示ができる、というのは大前提として、管制用語を覚えて使えるようになる以外に必要なことを考えてみます。 自分の限界を知ってその範囲内に収める VATSIMでは、パイロットへの指示だけでなく、チャートで経路や空域の確認したり、他の管制官との調整を、基本的にはすべてひとりで行います。 その日に担当する空域を事前に確認して準備をしていても、回線の調子が悪くなったり、海外のパイロットに指示が伝わらなく

    • バーチャル航空管制官のための航空管制講座 ~風はどこから来るのか~

      風の情報(風向と風速)は通常、METAR/SPECI、ATISがあればATISから得ますが、実際に管制官が出している風の情報が違う場合があります。 もちろん同じ数字になる場合もありますが、そもそも、それぞれのソースが違うので、数字が少し違う場合があっても不思議ではありません。 現場で表示されているのは過去2分間の平均値 METAR/SPECIとATIS、どちらも管制卓にある画面上で確認できますが、これらの数字とは別の、2分間平均風向風速計で観測された数字を読み上げます。

      • バーチャル航空管制官のための航空管制講座 ~進入管制(ノンレーダー)が行われる条件~

        進入管制とターミナルレーダー管制 日本の進入管制区には必ずASR(空港監視レーダー)が設置されていて、ターミナルレーダー管制業務が行われていますが、これ以外に進入管制業務も担当しています。 この進入管制業務とは、レーダーを使わない進入管制、つまりノンレーダーでの進入管制のことですが、安全と効率の面からレーダーが届かない一部の空域以外で実際に進入管制が行われる場面は限られます。 進入管制が行われる条件 簡単に言えば、ノンレーダーになるにはレーダーが使えなくなったときで、

        • バーチャル航空管制官のための航空管制講座 飛行場対空援助業務編 その2 ~用語~

          飛行場対空援助業務(レディオ)での用語数字の読み方や試験通信、通信の移管など、基本は管制官と同じく第5管制業務処理規程の管制方式基準に定義されている管制用語を使いますが、それ以外に情報提供・助言としての用語があります。 (参照: 第4運航情報業務処理規程の飛行場対空援助業務) 管制方式基準にある用語 管制承認の中継(管制通報の用語) ATC CLEARS 管制機関からの管制承認を中継する際に使われる用語です。 ATC clears JAC3722 cleared to

        バーチャル航空管制官のための航空管制講座 ~バーチャル航空管制官に必要なこととは?~

        • バーチャル航空管制官のための航空管制講座 ~風はどこから来るのか~

        • バーチャル航空管制官のための航空管制講座 ~進入管制(ノンレーダー)が行われる条件~

        • バーチャル航空管制官のための航空管制講座 飛行場対空援助業務編 その2 ~用語~

          バーチャル航空管制官のための航空管制講座~飛行場管制における指示の順番~

          指示は着陸許可が優先First come, first served. 航空管制における順番は、最初に来た順が原則とされています。 ただ、それは対応する順番であり、最初から最後まで同じ航空機に指示を出し続けることはありませんので、どの航空機に指示を出すかは、その後の状況次第となります。 たとえば、次のような状況のとき、どちらの指示を優先しますか?  IFR出発機が離陸した後のDEPに周波数変更と、滑走路進入端から5NMをきってファイナルにいるIFR到着機への着陸許可

          バーチャル航空管制官のための航空管制講座~飛行場管制における指示の順番~

          バーチャル航空管制官のための航空管制講座 管制用語編 ~EXPECTについて考える~

          パイロットに対して管制官の意図を伝える用語として EXPECT(予定)があります。 EXPECTで伝える内容 その内容は、レーダー誘導の目的・目標、STAR・進入方式、高度、経路、予定時刻など、指示や許可をはじめとして多岐にわたります。 FMC設定変更などの準備が必要なときや混雑時の時間短縮などで、前もって予定を伝えておくことでスムーズな流れになります。 でも誤解されやすい用語 その一方で、あくまでも予定であることが伝わっていないと、すぐに許可されたと誤解されてしま

          バーチャル航空管制官のための航空管制講座 管制用語編 ~EXPECTについて考える~

          バーチャル航空管制官のための航空管制講座 飛行場対空援助業務編 その1 ~助言?指示?~

          飛行場対空援助業務での管制用語飛行場対空援助業務とは、RADIOやリモート(RAG)空港で航空管制運航情報官が情報提供と管制承認の伝達を行う業務のことですが、航空管制官と違い、指示、許可、承認ができません。 その代わりに運航情報官からは、指示ではなく情報提供(=助言)があり、管制官の指示・許可・承認と区別するために、RADIO ADVISESを前置したり、APPROVEDを省略したり、管制承認の伝達はATC CLEARSを前置したりして、航空管制を行うこととなります。 あ

          バーチャル航空管制官のための航空管制講座 飛行場対空援助業務編 その1 ~助言?指示?~

          バーチャル航空管制官向け 90秒でおさらいする 航空管制 無線交信 ~レーダー識別編~

          このnoteは、yoububeで公開中の「90秒でおさらいする 航空管制 無線交信」動画の90秒に収まらなかった内容の補足になります。 この動画のポイント レーダー識別編 レーダー管制業務を始める際に行う手順のおさらいとなります。 レーダー識別の方法 基本はコード(DBC)の設定+IDENTの指示ですが、エンルートでは正しいデータブロックが付けば識別OKということが多いです。 交信例 動画にある通り、IFR機に関してはノンレーダー空港からのIFR出発機のパターンで

          バーチャル航空管制官向け 90秒でおさらいする 航空管制 無線交信 ~レーダー識別編~

          バーチャル航空管制官向け 90秒でおさらいする 航空管制 無線交信 ~飛行場管制 VFR 間隔設定編~

          このnoteは、yoububeで公開中の「90秒でおさらいする 航空管制 無線交信」動画の90秒に収まらなかった内容の補足になります。 この動画のポイント 飛行場管制 VFR 間隔設定編 飛行場管制のメインタスク、VFR機の間隔設定のおさらいとなります。 ダウンウインドに入る前に先行機との間隔がとれなければ、通常はFOLLOW TRAFFIC、EXTEND DOWNWIND、MAKE 360のどれかを指示します。 また、先行機がフルストップ(またはストップアンドゴー)

          バーチャル航空管制官向け 90秒でおさらいする 航空管制 無線交信 ~飛行場管制 VFR 間隔設定編~

          バーチャル航空管制官向け 90秒でおさらいする 航空管制 無線交信 ~飛行場管制 VFR 到着編~

          このnoteは、yoububeで公開中の「90秒でおさらいする 航空管制 無線交信」動画の90秒に収まらなかった内容の補足になります。 この動画のポイント 飛行場管制 VFR 到着編ということで、VFR 到着機が場周経路を通って、滑走路に着陸して、エプロンにもどるまでの流れのおさらいとなります。 1.通信の設定(イニシャルコンタクト) VFR機がタワーとコンタクトする場合、出発時と同様に、まずは通信の設定を行います。 2.場周経路(に入る指示) VFR機はダウンウ

          バーチャル航空管制官向け 90秒でおさらいする 航空管制 無線交信 ~飛行場管制 VFR 到着編~

          バーチャル航空管制官向け 90秒でおさらいする 航空管制 無線交信 ~飛行場管制 VFR 出発編~

          このnoteは、yoububeで公開中の「90秒でおさらいする 航空管制 無線交信」動画の90秒に収まらなかった内容の補足になります。 この動画のポイント 飛行場管制 VFR 出発編ということで、VFR 出発機がエプロンから地上走行をして滑走路から離陸、管制圏離脱するまでの流れのおさらいとなります。 1.通信の設定(イニシャルコンタクト) パイロットが無線通信を開始する(呼出し)際に、まずは通信の設定を行います。同時にRADIO CHECKをされることもあります。

          バーチャル航空管制官向け 90秒でおさらいする 航空管制 無線交信 ~飛行場管制 VFR 出発編~