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YAMAP流域地図~期待しています~

YAMAP

登山のことをやっている会社だとは思っていました。
YAMAPという名前から。

アプリをダウンロードして会員登録したのは、鉄道会社が主催するウォーキングイベントで、アプリの使用を推奨していたからじゃないかと思います。
随分と前の話で、はっきりと覚えているわけではないのですが。

流域地図

YAMAPのホームページを見ていて、『流域地図はなぜ生まれたのか』というコンテンツに辿り着きました。
実際に流域地図を見ましたが、なかなか興味深いです。

流域

流域という考え方には、腑に落ちる点がいくつもあります。

技術の発達に伴い、導水が容易になりましたが、流域は同じ水を共用する仲間と考えられます。
YAMAPのコンテンツにも記載されています。
土砂災害、水害とも関連する流域地図です。

具体的には、流域地図をベースに水害・土砂災害のデジタルハザードマップと重ね合わせ、暮らしの場所だけでなく、出先で大雨が降った時に流域地図で自分がいる場所が安全かどうかをちゃんと分かるように可視化することを意味する。

YAMAPサイトより引用
https://yamap.com/magazine/57018?utm_source=yamap&utm_medium=notification&utm_campaign=not_240620

大雨が降った場合、知らない土地にいても流域地図で水の出方がわかりますし、自分のいる場所の安全性を可視化することが出来ると思います。

春山さんのnote投稿

代表取締役である春山さんは、流域地図のリリース後にnoteで投稿されています。

反響をいただけているのはなぜか。主に2つの背景があると思います。

ひとつは、岸由二先生(慶大名誉教授)が提唱されている流域思考。自分たちが暮らす足もとの大地を流域という地形でとらえる流域思考は、岸先生の人生、生き様そのものです。流域思考という思想のベースがなければ流域地図はそもそもつくれませんでした。また、岸先生やNPO法人鶴見川流域ネットワーキング(TRネット)のみなさんが、鶴見川流域や三浦半島・小網代にて流域思考の実践を、長年に渡って積み重ねてきたからこそ、今回の流域地図の反響につながったのだと思います。

もうひとつは地図というツール。どんなにすばらしい思想や哲学であっても、多くの人が使えるツールとわかりやすいビジュアルに昇華させないと、社会実装は難しい。今回、地図というツールに、流域という生命圏を可視化できたからこそ、多くの方へ直感的に伝わったのだと思います。その意味で、地図は社会にもっとも影響を与えるキャンバスでもあることを再認識する機会になりました。

YAMAP-note『YAMAP流域地図をリリースして』より引用
https://note.yamap.com/n/nc24eeb1e4848

思想とツールの融合。
慶応大学名誉教授の岸さんが提唱されている流域思想については、こちらに記載がありました。

河口を基準点とし、上手の集水領域を〈流域〉と定義する通常の方式を採用するなら、川の数だけ河川流域がある。一般化して水系の任意の位置に対応する集水領域をその地点の流域と定義すれば、事実上無数の流域の入れ子構造が暮らしの大地を分割する。生命圏における水循環地形のこの必然的な配置を尊重し、規模の大小にかかわらず流域構造を枠組みとして環境を保全し、水・土砂災害に対応すべしとするのが、〈流域思考〉の主張である。

今日まで、我が国は自然の保全も治水も主流は流域思考の外にあった。自然保護の枠組みは〈流域〉でなく〈里山〉とされて20年になる。治水はといえば、河川という自然公物を管理する河川法と、下水道という都市施設を管理する下水道法の2つの法律が氾濫回避の重大責任をおわされ、流域の水循環事情への総合的な配慮を重視しない方式が基本となってきた。想定をこえる〈超豪雨〉が襲来する可能性のある近未来、もはやこの方式では予算も整備事業も間に合わない。流域治水への転換は不可避だったのである。

『岸 由二:流域思考・流域治水の時代がはじまる』より引用
https://www.mita-hyoron.keio.ac.jp/speaking-hall/202011-1.html

ダムや堤防の強化は大事ですが、限界があります。
無限に作れるものでないし、当然建設費用も発生するし、建設の影響を受けるひとがいます。
流域全体で流域の安全を考える。
局所的な地下ダムなどの建設も手段のひとつですが、流域全体で治水・環境保全を考えることが土砂災害、水害への強力な対策になるという話は、腑に落ちる話です。

ツールはこれからの開発で、益々便利になり、有益なものになるに違いありません。

それを活用するわたしたちも、流域思考を学び、流域の下流域、中流域、上流域のそれぞれのひとたちが流域全体の方を思いやり、水を利用していく、自然を保全していくことことがいいんじゃないかと思っているところです。

では。

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