2023名古屋・岐阜旅行(25) 岐阜かがみはら航空宇宙博物館(7) 「飛鳥」への道
2023年8月11日(金)
岐阜かがみはら航空宇宙博物館
「戦後の航空機開発」コーナー
ここでは、低騒音STOL実験機「飛鳥」に繋がるSTOL実験機が展示されています。STOLとは、short take-off and landingの略で、短い滑走距離で離着陸できる航空機のことです。
航技研/富士 FA-200改 STOL 実験機
1966年3月から科学技術庁航空宇宙技術研所(現:JAXA)がSTOL(短距離離着陸)実験を行った機体です。富士重工業(現:SUBARU)が開発・製造した国産軽飛行機「FA-200エアロスバル」を改造したもので、後部座席部分に小型のピストンエンジンで動く空気圧縮機を装備し、フラップとエルロンに沢山の小さな孔を設けて、乱れた空気を吸い込む高揚力装置「吸い込み翼」の性能を調べました。
本機で得られたデータは、後の本格的なSTOL実験機「飛鳥」に生かされました。
このFA-200改STOL実験機のもとの機体のFA-200は、東京都立産業技術高等専門学校内にある「科学技術展示館」で見学しました(2021年3月撮影)。
防衛庁技術研究本部 高揚力研究機X1G
(サーブ・サフィール91B改)
1945年にスウェーデンで初等練習機として開発されたサーブ91Bサフィール機を原型機として、防衛庁技術研究本部(現:防衛装備庁)が研究機に改造したものです。
1956年から1962年にかけて、岐阜基地において、本機を用いて離着陸性能の向上を主な目的として高揚力装置などの飛行試験が行われました。本機による研究成果は、UF-XS実験飛行艇、PS-1/US-1飛行、C-1輸送機、STOL実験機「飛鳥」など、後の国産前空機開発に大きな影響を与えました。