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2023名古屋・岐阜旅行(24) 岐阜かがみはら航空宇宙博物館(6) 戦後の航空機開発のコーナー

2023年8月11日(金)
岐阜かがみはら航空宇宙博物館

「戦後の航空機開発」コーナーです。
練習機や飛行艇が展示されています。

ロッキード/川崎 T-33A ジェット練習機
航空自衛隊が導入した最初のジェット練習機です。
展示されている61-5221号機は、1967年から1994年まで岐阜基地でテストパイロットの教育に使用されていたもので、機首に長い標準ピトー管を追加装備されています。


防衛庁技術研究本部/新明和工業 UF-XS実験飛行艇
新たな国産飛行艇の開発のために、グラマンUF-1飛行艇を防衛庁技術研究本部(現防衛装備庁)と新明和工業が大改造した実験飛行艇です。短距離離着水を実現するために、プロペラ後流をフラップで下向きに曲げるとともに、フラップ上面に高産の空気を吹き出すことで高い揚力を得ました。また、低速時の操縦安定性を確保するため、わが国初のコンピュータによる自動飛行安定装置を搭載したほか、独創的な波消し装置などの試みが数多くなされています。


川崎 KAL-1 連絡機
終戦から7年間、日本は航空機の研究・実験・生産をいっさい禁止されました。このKAL-1 連絡機は、1953年に各務原で戦後初めて設計・製造されました。2機が製造され戦後の国産機としては初の引込脚を備えた全金属製の本格的な飛行機でした。展示している機体は2号機で、製造元である川崎航空機工業(現:川崎重工業)の社用機として使用されたものです。1954(昭和29)年に、国産機として戦後初の海外訪問飛行を行いました。


富士 T-1B ジェット練習機
富士 T-1B ジェット練習機は、日本で開発・製造された最初の実用ジェット機です。航空自衛隊のパイロットを教育するために開発されました。高速化に有利な後退異を採用しています。1958年1月19日に試作機が初飛行。富士重工業(現:SUBARU)で1963(昭和38)年までに合計66機が生産されました。
展示の05-5810号機は、はじめはイギリス製エンジン「オルフュース」を搭載するT-1A型として製造され、後にそのエンジンを国産ジェットエンジン「J3」に取り換えてT-1B型の試作機として改修されたものです。初飛行から最終飛行にいたるまでの約46年間、各務原で各種のテストなどに運用されました。


川崎 KAT-1 練習機
保安庁(現:防衛省)の初等練習機としての採用をめざし、1953年、川崎航空機工業(現:川崎重工業)が開発に着手しました。翌1954年2月の初飛行では、横転、きりもみ、宙返り、急降下などの高等飛行を披露して、日本人好みの高い操縦性を示しました。
しかし、戦後7年間の航空禁止令による技術的空白は大きく、装備品などを含めた総合評価でアメリカのビーチクラフトT-34xメンターに及ばず、不採用となりました。量産は断念されましたが、後に運輸省(現:国土交通省)が民間航空事業のパイロット養成のために創立した航空大学校で訓練に使用されました。


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