90-91
上京して3年経った。私は1988年に入学した大学を中退し、翌年別の大学に入学した。1990年から1991年は大学2年から3年にあたる頃である。インターネット普及前の時代で、サブスクで映画を観ることなどできず、雑誌や友人から仕入れた情報を元にレンタルビデオ店でビデオを借りて映画を観ることが多かった。ゴダール、べネックス、カラックス、ルルーシュ、クローネンバーグ、リンチ、ギリアム、石井聰互など、新旧問わず観ていた。音楽を聴く時間より映画を観る時間のほうが長かった。
日本はバブル終焉へ向かっていたものの、表面的にはまだ空虚感を感じることはなく、高熱が治まった後にフラフラ心地よく歩いているような、"浮遊感" がどことなく漂っている時代だった。
The Orb / Littele Flutty Clouds
Julee Cruise / Into The Night
Rain Tree Crow / Pocket Full Of Change
Saint Etienne / Nothing Can Stop Us
そして世界は湾岸戦争へ突入していく。
Lenny Kravitz / All I Ever Wanted
当時の音楽が私を連れて行ってくれた "一度は行きたいあの場所" とはどんな場所だったのだろう。失われた20年を経て、東日本大震災から10年経過した今、あらためて考えるのだ。
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