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<後編>ポテンシャルを成果に変える~リーダーシップ・ポテンシャルを最大限に引き出し、ビジネスの成果につなげる

1.ベストプラクティス: リーダーシップ・ポテンシャルを加速させる

🔶「現在」の能力開発の優先事項にフォーカスした学習プログラムを考案する。

アセスメントと能力開発手法(コーチング、クラスルームでの研修、自主学習)を組み合わせて、個人が自らの能力、特性、モチベーションのすべてを理解して高められるようにします。こうした活動は、個人の能力、気づき、考え方を高めるよう、計画的な取り組みとして構成する必要があります。さらに、「現在」だけでなく「将来」のビジネス課題に対しては、ビジネス状況に照らし合わせて、アセスメントから得られる意味をよく考察します。


🔶シミュレーションを使って多様な経験を提供する。

実際の経験がない場合は、個人やグループでのシミュレーションを使用して、さまざまな状況や背景を容易に体験できるようにします。ハイポテンシャル人材のグループ、なかでも、上位階層のグループほど、実際には経験することが難しい状況のシミュレーションを行うと効果的です(上級管理職から経営幹部への移行など)。

🔶公式と非公式のメンタリングとピア・コーチングの機会をつくる。

コーチングとメンタリングでは、他者の視点や経験、気づきを活用して、自身のキャリアに対する理解を促します。メンターは新しい経験への扉を開くことができ、コーチは求められる人材のプロフィール(サクセス・プロ
フィール)に関連する新しいスキル獲得や気づきへと導くことができます。

🔶学習を強化する。

学習後に、学んだ内容を強化するために、能力開発アクセラレーターを活用します。これには、自己診断、学習内容の要約、ピア学習、事例などが含まれます。こうした学習への意欲を高めるために、競争形式、ゲーム形式のリーダー・ボード、ソーシャル・ネットワーキングを利用します。

🔶テクノロジーを活用してパーソナライ ズされた学習を提供する。

学習をより良い成果に変えるためには、「関 連性」と「職場適用」が極めて重要です。効 果的なパーソナライズ学習には、デジタル 形式の学習のみならず、従来のクラスルー ムでの学習内容を、学習者の個別の役割 に高く関連づけることも含まれます。クラス ルーム研修の事後にデジタル体験を取り入 れて、リーダーが自らのスキルを、時間を問 わずに練習できる機会や、実際の職務に最 も関連のあるトピックをさらに学習する機会 を提供します。

2.個人のポテンシャルを超える~重要なのは、リーダーではなく、リーダーシップ

「リーダーシップ・ポテンシャルの再考に役立つ革新的ガイド」では、ポテンシャルを、単一の観点からではなく、複数の観点から検討する必要があることを述べました。また、組織がアジャイル・チームなどのチームの集団的能力を、より質の高い意思決定や行動を推進するために活用する傾向が強まっていることを共有しました。

組織レベルでは、組織全体のポテンシャルと能力を活用するシステムと組織文化を醸成する必要があることを提示しました。「全体」の力が、個々人の力の単純な足し算の総和より大きくなり、「秀でた才能の集団」の力を最大限に活用できるようになるのです。

しかし、個人のポテンシャルが意図的にフォーカスを絞った行動によってのみ実現されるように、チームや組織にも同じことが言えます。チームの場合、「有能な個人の集団は、高業績チームとして機能する」という仮説は誤っています。つまり組織は、チームのポテンシャルを最大限に活用して発揮するためのメカニズムを設計し、チームが最適に機能し、確実に結果を出せるようにしなければなりません。こうしたメカニズムとしては、チームの能力を測定するツールや、チームの効果的なコミュニケーション/コラボレーションに必要なスキルの能力開発などがあります。

一方、組織レベルでは、ポテンシャルは、以下を広い範囲で実現できるかどうかで決まります。

• 成長の文化を醸成し、維持する。
• 共通のリーダーシップ言語を確立する。
• リーダーとしての正式な役割を超えたリーダーシップ・スキルを構築する。
• アセスメントツールや能力開発リソースをできるだけ多くの社員が使えるようにする。
• パフォーマンス目標とスキル活用の目標を体系的に整合させる。
• 組織的な結果を測定し、取り組みの効果を測る。

この新しい現実においては、「協働型」リーダーシップの文化をしっかりとはぐくむことのほうが、すべてを1人でこなす「カリスマ型」リーダーの育成を目指すことよりもはるかに効果的です。

3.ベストプラクティス: チームと組織のポテンシャルを引き出す

🔶チームのポテンシャルを引き出す

チームを診断してチームとしての「強さ」を評価する。チーム診断は、チームと各メンバーが、チーム力を高めるための「強み」の領域と、改善が必要な領域を理解し、重要な領域にフォーカスしていくことに役立ちます。チーム診断では、共通の目的に向かって行動する能力や、チームのプロセスを管
理する能力を評価します。また、チームメンバーに敬意を払う、チームの参画を最大化する、信頼の文化を築く、といった対人行動も診断します。

効果的な関係性を構築することにフォーカスする。チームにとってとくに重要なリーダーシップ・スキルは、各メンバーが互いに効果的に関係性を構築できるスキルです。これは、相手がチームメンバーであっても、チーム外の同僚であっても、顧客であっても同様です。このスキルをできる限り多くメンバーで高めると、より協力的で率直な文化が醸成されます。イノベーションが促進され、顧客からのロイヤルティと満足度(どちらもビジネスの成長に寄与する重要な要素)が高くなるため、大きなメリットが得られます。

チームが集団としてのポテンシャルを理解して活用するのに役立つツールを提供する。優秀なハイポテンシャル人材を単純に集めても、効果的なチームとして機能する訳ではありません。効果的なチーム構築には、むしろ、幅広いスキルをもつメンバーで構成されるチームをつくることを目指してください。チームとは、言うまでもなく、単なる個人の集まりではありません。

チームが一体になると、各メンバーの能力を超える能力を発揮します。しかし、「チームはさまざまなスキルセット、知識の基盤、性格をもつ人材によって構成されている」ということが、自然に上手く機能することもありません。個人と集団のポテンシャルを理解するのに役立つツール、たとえば、性格診断ツールや360度診断ツールなどをチームに提供し、チームが各自の強みやお互いの違いを認識し、最大限に活用できるようにしてください。

🔶組織のポテンシャルを引き出す

公式にはリーダーの役割を担っていない人材のリーダーシップ・スキルを伸ばす。組織全体のリーダーシップを加速させるのに最適な方法の1つは、今日のビジネス状況で成功するために不可欠なリーダーシップ・スキルを全社員が高められるよう支援することです。

リーダーシップとは一連の行動であり、リーダーという役職に就いている人だけの領域ではないことを強調して、リーダーシップの発揮を、組織文化の一部として根付かせてください。

機会を均等に提供して多様性を促進する。人に関する意思決定にまつわる偏見(バイアス)を取り除くためには、組織全体で、人に関する議論(ポテンシャルに関する議論を含む)の際に、客観的データ(複数の形式の診断から得られたデータ)を活用する必要があります。

組織全体でインクルーシブな行動と考え方をはぐくむ。様々な取り組みやプロセスも重要ですが、結局のところ、組織に属するリーダーとメンバーの日々の行動が、組織のポテンシャルに大きな影響を与えます。組織に属する全員を対象に、インクルージョンを促して高めていくために必要なスキルや考え方を築く必要があります。

こうした動きは、多様性に関する意識を啓蒙する形式的なプログラムだけでは達成できません。実際のアクションとして目に見えるスキルや行動にフォーカスした取り組みとして、大きな成果を生み出します。

このガイドでは、個人、チーム、そして組織全体で、リーダーシップ・ポテンシャルを表出し、活性化し、加速させるための現実的なステップを紹 介しました。 ご紹介した各ステップを実践すると、ビジネスで成果をあげることに一歩近づきますが、組織内のすべてのポテンシャルを引き出すのは、組織 全体を網羅した包括的な観点から複数の取り組みを組み合わせたときです。 DDIは、現在だけでなく、将来に向けて、組織に必要とされるリーダーを確保するための取り組みを支援いたします。

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6.DDIとは

DDIは、世界最大手の革新的なリーダーシップ・コンサルティング企業です。1970年の設立以来、この分野の先駆者として、リーダーのアセスメントや能力開発を専門としてきました。顧客の多くは、『フォーチュン500』に名を連ねる世界有数の多国籍企業や、『働きがいのある会社ベスト100』に選ばれている世界の優良企業です。
DDIでは、組織全体におよぶリーダーの採用、昇進昇格、能力開発手法に変革をもたらす支援をすることで、すべての階層において事業戦略を理解し、実行し、困難な課題に対処できるリーダーの輩出に貢献しています。
DDIのサービスは、現地事務所や提携先を通じて、多言語で93カ国に提供されています。また、同社の研究開発投資は業界平均の2倍であり、長年にわたる実績と科学的根拠に基づいた最新の手法を駆使して、組織の課題を解決しています。

◆DDI社の4つの専門分野

DDI社は、4つの専門分野を中心に、長年の実績と科学的根拠に裏付けられたソリューションと、より深い洞察を提供し、優れた成果を生み出しています。

7.会社概要

会社名:株式会社マネジメントサービスセンター
創業:1966(昭和41)年9月
資本金:1億円
事業内容:人材開発コンサルティング・人材アセスメント

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