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第4章<診断する>パイプラインにおけるアクセラレーション・センターの改革
新しいアセスメント技術と手法は、従来アセスメント・センターの運営や評価、報告の方法を根本から変えた。これにより、大規模に実施可能な新世代のアクセラレーション・センターが生まれた。これは、少ない時間と投資で、リーダーがキャリアの中で経験する最も難しい変化・転換をシミュレートし、それを克服するために必要なフィードバックを提供するものだ。大きな改革点は3つある。
・仮想体験――
ビデオと電子コミュニケーションが、非常にリアルな仮想環境を作り出す。参加者は実際の職場で体験するかのようにリーダーシップ課題を体験する。
・デジタル化された回答と評価――
参加者全員の対応がデジタルで集約される。評価チームはすぐにそれらを確認し、評価基準と評点のアルゴリズムに従って統合する。これにより、信頼性と正当性が高まる。
・フィードバックと能力開発のポータル――
アセスメントの結果は、インタラクティブなポータルサイトを通じて見ることができる。参加者や経営幹部はデータの見直しや整理ができ、当人に合った能力開発戦略にそのまま活用することができる。
DDIによる下記の新しい取り組みにより、アセスメント・センターは、あらゆるリーダーシップ階層のより多くの対象者にとって実用的なものとなった。
1.アクセラレーション・センターはグループの洞察も生む
このタイプの洞察は、個人だけでなくグループについても行うことができる。ビジネス・ドライバーへの準備度診断ができる全体像が得られたら、図4.4のような観察が可能だ。
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この図は、ある大手企業の経営陣のアセスメントデータである(コンピテンシーと個人特性データを結びつけて、ビジネス・ドライバーの準備度を評価)。重要な戦略の転換の中で、このチームは、将来に向けた戦略を作る準備はできていても、それを実施する準備ができていないことを自覚した。
アクセラレーション・センターでの行動パターンは、メンバーほぼ全員の間で、非常に創造的なビジネス計画の立案と戦略的思考を示した。だが同時に、戦略を適切にかつ確実に実行するための受容性と透明性を促進するために必要な、パフォーマンスに対する明確な期待やそこへのプロセスを明示したり、人間関係を醸成したりするときに、効果的な行動が極めて不足していることがわかった。
重要な戦略の転換の中で、このチームは、将来に向けての戦略を作る準備はできていても、それを実施する準備ができていないことを自覚した。
このような結果は、コンピテンシーの問題にとどまらない。気質に由来するものでもある。図4.5は、チームのメンバー全員がやる気にあふれ競争心が強かったことを示している(「向上心」が高い)。だが一方で、組織に対して明確な助言や指示を与える能力に欠ける傾向が強かったことも示している(「目立ちたがり」と「奇抜」が高いことから、助言が暖昧で、リーダーとして他者を活用しないと解釈される)。
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(注) 結果は、Hogan Assessment Systems (オクラホマ州タルサ)によるHogan Personality Inventory and Hogan Development Survey から抽出
この企業は、ビジネスユニット全体の準備度も測定しようとした。図4.6は、ビジネスユニットの組織図を現職者のビジネス・ドライバーの準備度によって色分けしたものである。この例では、アセスメントデータを集約して「プロセス革新の推進」というビジネス・ドライバーに対する準備度を測っている。準備度の評価の土台となるのは複数のコンピテンシーと性格のパターンだが、色分けされた組織図によって、経営幹部はビジネスユニットレベルでの人材開発の優先事項を決めるのに役立つ洞察を得られる。
この企業の場合、まったく新しい職略を始めようとしている経宮陣が、その戦略がうまく機能するように組織を導く準備が不足していることを、アクセラレーション・センターのデータとフィードバック・プロセスが明らかにした。この洞察は個人およびグループの能力開発を刺激し、その結果、経営陣は戦略をより注意深く実行することにし、これから直面するビジネス状況への準備の方法が大きく変わった。ここで重要な点は、多面(360度)診断や、メンバーとの個人面談だけではここまでの洞察は得られなかっただろうということである。多面的な視点、特にアクセラレーション・センターのシミュレーションと性格診断で得られる評価は、戦略上の複雑な課題を自分たちがどのように処理しがちか、また同じ癖を繰り返す背景にある気質はどんなものなのかを明らかにする。
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Manager Ready(初級・中級管理職への移行体験):完全な仮想環境の中でビデオと電子コミュニケーションを活用して、リーダーが直面する大きな課題を体験する。仕事に関連する、目まぐるしいテンポで進むインタラクティブなシナリオの中で、参加者はその対応にあたって、口頭による音声またはキーボードでの入力を行う。その後、専門のアセッサー(それぞれ、特定のタイプの行動を観察するべく訓練を受けている)がそれらを分類して、コンピテンシーとキーアクションに対応する仕事ぶりを素早く正確に集約。フィードバックは具体的なキーアクションレベル(第2章参照)のものになり、実用的な成長機会を示してくれる。
Leader3 Ready(上級管理職への移行の体験):初級・中級管理職として成功すれば、たいてい昇進していくものだが、昇進が上級管理職レベルに達する場合は、分析力、影響力、変革リーダーシップ、意思決定の分野で、それまでとはまったく異なる課題に直面する。
「Leader3 Ready」(下から三階層目への昇進であるためこの名前がついている)では、参加者はよりダイナミックで複雑なリーダーシップ環境を体験するが、それはアセスメントというより映画の中で演じているような気分になる。ライブインタラクションを、ビデオを使ったり電子媒体上で可能な意思決定、リーダーシップのジレンマ、人材の問題などと組み合わせ、参加者はゲームのような環境の中で仮想的に自分の道を切り開いていく。
アセスメント評価は「Manager Ready」と同じように行動ベースの手法で行われるが、関連知識や経験に加え、モチベーションと性格診断のアセスメントも取り入れられる。結果はインタラクティブなポータルサイトで見られるので、参加者や経営幹部は好きな方法でフィードバックを見て、結果を能力開発計画策定に結びつけることが可能だ。
エグゼクティブ・アクセラレーション・センター(経営幹部、最高経営幹部職への移行の体験):リーダーの職務はどれも複雑だが、組織のトップほど複雑なものはない。経営幹部、最高経営幹部、CEOのアクセラレーション・センターは、最も熟達したリーダーを、彼らがまだ直面していないビジネスや組織文化上の奥深い難題に立ち向かわせることを目的に作られている。そのような難題は、統合力、戦略立案力、影響力など、より高い階層でリーダーを務めるための能力を試すことになる。
参加者が適すると思う方法で組織を率い、組織に最も貢献できるように未来を形作っていく。そのやり方は参加者自身が決める。
シミュレーションにおける彼らのリーダーシップ行動は、実際のリーダーシップ経験と統合(アセスメント・プロセスの一環として行われる面談を通して)され、さらに個人特性(性格、認知力等)と統合される。結果は、参加者、経営陣、そして必要に応じて役員とも行う一連のフィードバックの論議の場で、その役割に適しているかを判断し、最も効果的な能力開発計画を立てるために使われる。
2.おすすめ人材アセスメントソリューション
①コンサルティングソリューション
②オンラインシミュレーションアセスメント&アセスメントシステム
③オンライントレーニング&ディベロップメント
3.DDIとは
DDIは、世界最大手の革新的なリーダーシップ・コンサルティング企業です。1970年の設立以来、この分野の先駆者として、リーダーのアセスメントや能力開発を専門としてきました。顧客の多くは、『フォーチュン500』に名を連ねる世界有数の多国籍企業や、『働きがいのある会社ベスト100』に選ばれている世界の優良企業です。
DDIでは、組織全体におよぶリーダーの採用、昇進昇格、能力開発手法に変革をもたらす支援をすることで、すべての階層において事業戦略を理解し、実行し、困難な課題に対処できるリーダーの輩出に貢献しています。
DDIのサービスは、現地事務所や提携先を通じて、多言語で93カ国に提供されています。また、同社の研究開発投資は業界平均の2倍であり、長年にわたる実績と科学的根拠に基づいた最新の手法を駆使して、組織の課題を解決しています。
◆DDI社の4つの専門分野
DDI社は、4つの専門分野を中心に、長年の実績と科学的根拠に裏付けられたソリューションと、より深い洞察を提供し、優れた成果を生み出しています。
4.会社概要
会社名:株式会社マネジメントサービスセンター
創業:1966(昭和41)年9月
資本金:1億円
事業内容:人材開発コンサルティング・人材アセスメント
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