銭形平次捕物控43「和蘭カルタ」(1935)+大川橋蔵・主演 第26話「母恋い星」(1966)紹介と感想
あらすじ
子どもをさらう事件が頻発しているが一人も行方がわからない。
平次の所にも石井平四郎の息子・勇太郎を探して欲しいと、乳母・お霜と小間使い・お春が訪ねてくる。
今までの誘拐との相違点に疑問をもつ平次。
和蘭カルタから、人さらいを行っていた抜け荷の一味も捕まえ大手柄をあげるが、勇太郎だけが見つからず。
果たして、勇太郎はどこに消えたのか……。
紹介と感想
今回は子どもへの愛情が大切な要素となっていました。
子どもへの愛情は実の親だけが持つものではない。
どれだけ、その子と向き合っているのかが愛情となって現れるのかもしれません。
しかし、子どもに入れ込みすぎるあまり起きてしまったのが今回の悲劇でした。
色んな状況が絡み合っていたとはいえ、自分を基準に視野が狭くなったのが大きな原因でしょう。
一人の犠牲を出してしまいましたが、平次の力でなんとか収まるところへ収まりました。
大川橋蔵・主演 第26話「母恋い星」(1966)
話の展開は原作通りですが、平四郎やお君が原作よりも鼻持ちならない人物になっており、二人への平次の義憤が原作より色濃く出ています。
演技や音楽などにより原作が更にドラマチックになっています。
また、平次自身の感情も直接的に伝わる形となっています。
お霜の名前はお絹へ変更となっています。
また、最後のお絹の告白を聞くのは、お君から平四郎へ変更となっています。
勇太郎をめぐる登場人物同士の絡みはドロドロしていますが、お春の扱いや勇太郎自身が出てくることによって、原作より素直にハッピーエンドを感じられる作品になっていました。
ゲスト
お絹/桜町弘子
石井平四郎/沢村宗之助
お君/朝海千景
お春/高橋 漣
大川橋蔵版レギュラーキャスト(当話出演者のみ)
銭形平次/大川橋蔵
八五郎/佐々十郎
お静/八千草薫
お弓/鈴村由美