銭形平次捕物控7「お珊文身調べ」(1931)+映像化作品 紹介と感想
野村胡堂『銭形平次・青春篇』講談社, 1996, p178-205
あらすじ
八五郎と平次も参加した文身自慢の会を騒がした、腹に蛇の文身をした男と体中に十二支の文身をした女。
平次は、何かしら騒ぎが起こるだろうと検討を付けていたとのこと。
どうやら、十二支組の一味が次々と殺されている事件と関係していると狙いをつけ、調べの為に顔を出したらしい。
十二支組の生き残りは残り三人。
奇妙な発端と、そこから推論された平次の鋭い着眼が事件を解決へ導く。
紹介と感想
初期平次なので、石原の利助がまだまだ元気に活動しています。
意外な犯人ですが、読者が謎解きをするという内容ではなく、八五郎の調べで犯人は見つかります。
見どころは、出番も多く、意外とちゃんと仕事をしている、でも少し可哀そうな石原の利助になります。
平次に文身が!となりますが、もちろん平次なりの作戦でした。
映像化作品
映像化は二つあります。
大川橋蔵・主演 第1話「おぼろ月夜の女」(1966)
北大路欣也・主演 第1シーズン 第16話「十二人の盗賊」(1991)
大川橋蔵・主演 第1話「おぼろ月夜の女」(1966)
全八百八十八話の記念すべき第一話です。
平次と清吉以外の役者は後年と違いますが、ドラマは最初から大川平次の空気が感じられます。
原作の十二支組と犯人の設定、お珊が巳之吉逃がす方法を借りていますが、内容自体はほぼ別物です。
利助から縄張りを受け継いだばかりのお品の事件に万七が乗り込んで来たため、平次がお品を助け事件に関わっていきます。
恋に盲目になり捜査を妨害したお珊に、「お前が話さないせいで巳之吉は死んだんだ」と平次の厳しい言葉が飛ぶなど、一話目から強い正義感をみせます。
事件の結末は、お品が手放しで喜べるものではありませんでしたが、これからの物語で見る事が出来る、お品の成長の第一歩になりました。
ちなみに、平次が投げた銭を拾う描写もあります。
岡っ引きとしての殺陣もしっかり観られ、捕物ドラマとしてしっかり面白かったです。
ゲスト
お品/宮園純子(1年目準レギュラー)
太吉/川浪公次郎(1年目準レギュラー)
利助/高松錦之介
巳之吉/曽根晴美
お珊/北林早苗
亥太郎/唐沢民賢
第1話と第2話は東映時代劇YouTubeで継続して公開しています。
北大路欣也・主演 第1シーズン 第16話「十二人の盗賊」(1991)
大川版と同一脚本家で大筋は同じです。そのため、珍しくお品と利助も登場します。
役者や演出の違いで全体の雰囲気が大分違う感じを受けるため、その変化を楽しめます。
ゲスト
お品/長山洋子
お珊/栗田陽子
巳之吉/南条弘二
亥太郎/樋浦勉
酉三/でんでん