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銭形平次捕物控137「紅い扱帯」(1942)+大川橋蔵・主演 第110話 紹介と感想
野村胡堂『銭形平次捕物控(十四)雛の別れ』嶋中書店, 2005, p165-191
あらすじ
袋物問屋丸屋六兵衛は、跡取りの甥・染五郎を土蔵に閉じ込め、その嫁・お絹を実家へ帰してしまった。
二人は、六兵衛の亡き女房の姪・お半から提案されて、昔からの密かな秘密通り、紅い扱帯を合図に会う事にした。
次の日、六兵衛が背中から一突きされ殺されているのが発見される。
その場に居合わせた八五郎はお絹を捕まえるが、次の日には万七がお半を捕まえる。
困った八五郎は平次に助けを求める。果たして事件の真相は……。
紹介と感想
八五郎の手柄話になるかと思いきや、そう簡単にはいきませんでした。
平次は、都合の良い状況証拠だけを拾うのではなく、一つ一つの証拠を吟味し、関係者に話を聞くことで解決へと導きます。
短めの短編だからか犯人へ結びつくための作中描写が少ない感じがあり、物語的な満足度は大きくありませんが、同時に短い中で停滞せずに話が進むため、サラッと気楽に読める話でもありました。
「親分、大手柄ですよ」
その晩ガラッ八の八五郎は、鳴物入りで平次の家へ飛込みました。
「何だ騒々しい、一番槍一番首といったような手柄かい」
お絹を捕まえた八五郎が、平次の家へ飛込んできたところ
映像化作品
大川橋蔵・主演 第110話「紅い扱帯」(1968)
三十歳の誕生日に「一度でいいから、親分の手を借りずに手柄をあげてみたい」と平次に話す八五郎という形で、八五郎の単独操作が描かれます。
この酒の席での短いながらも気心の知れた会話がとても良かったです。
ドラマの前半は、原作以上に八五郎の孤軍奮闘振りと、それを家で気に掛ける平次の姿が描かれます。調べの最中に万七と清吉が乗り込んできて馬鹿にされ、やる気に燃える八五郎です。
石巻陣内も捕物指南でもするかのように、八五郎に付きまとっていました。
大筋は原作通り展開しますが、尺を活かして調査過程が丁寧になっており、登場人物達のドラマも追加されています。
ドラマの後半では、万七や同心の協力も得て、一丸となって犯人を追い詰める姿が描かれます。
観応えのある良いドラマ化でした。オススメです。
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※2023年12月30日11時頃まで東映時代劇YouTubeチャンネルでも観れます※
アマプラの東映オンデマンドでも観れます。
ゲスト
お半/八木昌子
石巻陣内/待田京介
染五郎/住吉正博
宗助/国田栄弥
留吉/佐藤蛾次郎
大川橋蔵版レギュラーキャスト(当話出演者のみ)
銭形平次/大川橋蔵
八五郎/林家珍平
お静/八千草薫
三輪の万七/遠藤辰雄
清吉/池 信一
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