としまえんのぼうけん
今年初めて日焼け止めを塗って、初めての駅を使って、としまえん最終日へ。
私にとっては初めてのとしまえん。
誰にとっても初めてのとしまえん最終日。
遊び場ウォッチャー出動。
94年の歴史の終わりに立ち会う機会なんてそうそうないから、一人でも行くと決めた。
出勤予定だった日曜日が急遽休みになったがゆえに、初めての有給消化日にもなった。
駅まで歩く道で、「としまえん一人で行くならもうディズニーランドもシーも一人で行けるじゃん」と前向きな気持ちが湧いてくる。
今日の私、カッパまで持ってんすよ。
あ、きゅうりが好きな方じゃなく雨対策の方の。
ニート生活でポケモンGOやってて天気予報見る習慣がついたのが生きてる。
学生時代はちょくちょく雨でぐしょ濡れになってましたから。
大学帰りに傘くれた見知らぬ青年も、就活中にカフェでタオル貸してくれたお姉さんも、優しかったな。。
…と、思い出すうちに豊島園駅に到着。
「ご」の字がお辞儀してるみたいでキュートだね。
「すべてにありがとう!」「94年間ありがとう!忘れないよ!」の言葉たちに迎えられ、初めての場所なのにすでに目頭が熱くなる。
豊島園駅前のファミリーマートでプロテイン飲料を飲みエネルギー補給は万全。
10分くらい並んで10時24分入園。
白ビキニのお姉さんとすれ違ってびびる。
夏季は水着で遊べるのねん。
道なりに歩いて最初に目の前に現れた行列に並ぶ。
しばらくしてアメリカ発の水系アトラクション、フリューム・ライドと判明。
地元の遊園地で一番好きだった惑星アクアを思い出す。
「入り口付近のアトラクションはどれだったとしてもそこそこ乗りたいから、とりあえず並ぶかー」ってノリのままにスーパーてきとーに並んだけど、涼しげで懐かしくて結果オーライ。なかなかの水圧。
パンフレット、ホームページ、Wikipediaなど、としまえん情報を調べて待つこと1時間半。
就職を機に買ってずっとカバンに入れてる晴雨兼用折りたたみ傘が大活躍。あんた最高だよ。
映画「としまえん」ってのがあって、しかもきたりえさん主演らしい。
フライング・パイレーツ奥側の女性に魔人ブウを感じてしまう。
てかやべーなこれ、二人乗りじゃんフリュームさん。私の前に三人連れの人はいませんかっ…!
いや一人でも乗れるよーだ!よかった!!
そして三人でも乗れるよーだ!あぶなかった!!!
そしてついに私の番!
迷ったけどお兄さんに写真お願いできなかった…!
水綺麗〜涼しい〜気持ちいい〜これは並んだ甲斐あった( ˘ω˘ )🍃
プール欲が湧いてきた!プールも一人でも行けるな!
…とかなんとか余裕っぽいこと感じつつ、急降下慣れしていない私の左手に握り込んだチケットのライド後はこちら。びびり全開である。
降りたらすぐに、本日のメイン、機械遺産カルーセル・エルドラドの列に並ぶ12時。
154人も乗れる、だと…!
154は12番目の楔数で、第154代ローマ教皇はステファヌス10世。(154代!)
エルドラドの周りに「ありがとうとしまえん大好き♡ぴえん😢」の水メッセージを発見。
この発見をきっかけに、すぐ前に一人で並んでた60歳前後の女性との会話が始まる。
彼女のお母様が私の祖母と同じ大正13年生まれとのこと。
「通勤ラッシュ避けること考えたらせっかくだし花火見て帰りな〜」とか「私免許ないけど乗りに行くから、我慢せずオートスクーター乗りな〜」とか促して、楽しみを後押しできたようでよかった。
フクロウこっち見んな…!
BGMとひらひら舞う幕が、優雅な気分にしてくれる。
優雅な気分のままにお馬さんにまたがる。映画の世界に迷い込んだみたい。
馬上から一枚。素材がいいからええ感じ。
お馬さんのヘアスタイルにも個性あり。
先ほどの女性は3回乗るそうで、ここでお別れ。お達者で…!
…からの、宝石さがし💎600円!(13時-13時15分)
ちょっと好きやねん、石。
でも途中から水遊びで気持ち良くなってた。
収穫が微妙だったらしく、おばちゃんがおまけしてくれた。
石の種類が写った看板確認し忘れた…宮沢賢治の石系の本を買えという神のお告げかな。
お次はミステリートレイン!(13時15分-13時35分)
外見はこんなですが、中身は純和風。
入るやいなや、「早く終われ〜」と思い出す。ここでもやはりびびり。
はからずもいかり肩。お化け屋敷も行こうか迷ってたけど、本日の怖いもの見たさマインドはこれにて満足。
心に次いで体も冷やすべく今年初めてのかき氷。(13時35分-13時45分)
いつも通りのブルーハワイ。withエルドラドand突如現れたピンクの豚のみなさん。
舌が青くならなかった…薄いんだな。傷心をミニッツメイドで潤す。
無免許心が惹かれてオートスクーター。(13時45分-14時30分)
キミに決めた!
初めてのマイカーの運転席からの眺め。
存分に蛇行させていただきました!ぶつけようが何しようが平気な安心感が大人たちの表情をほころばせてる。私もリアルカーはまだ当分いいかな。
ミラーハウス。ピエロこわい。(14時30分-15時)
小6ぶりの空中ブランコライド、ウェーブスィンガー。(15時-15時30分)
「昨秋見つけた縦パノラマでいっちょ全体像を収めるかー」と思ってカメラを構えるや動き出して…
うわあああああああああああ
あぎゃああああああああああああああああ
止まってから撮っても
おぎゃあああああああああああああああああああ(生まれたて子鹿)
横パノラマでファイナルアンサー。
今朝読んだ写真本も肘の固定が大事って言ってたけどガチだ。。。
数分後、目の前の2人が始終手放しスタイルで開放的に楽しむ姿をよそに、がっちり手を鎖に固定する私がいましたとさ。
こええわ。まだ死にたくありましぇん。軽く酔った。
絶対乗りたかったカルーセル・エルドラドには乗れたし足も疲れたので、マサラで昼ごはん(15時30分-16時15分)。
想定外にチキンカレーうっま。チキンの旨味ハンパないって。
これ【としまえんの味】とか銘打ってUber eatsやってくれたらリピするやつ。
あ、ちょっと安かったのと不完全燃焼感あったので、かき氷2個目食べちゃいましたw
今度はちゃんと舌に色がついて満足👅
園内で一際大きな存在感を放つフライング・パイレーツ🏴☠️。(16時15分-16時35分)
並ぶかなと思って迷ってたけど、2隻同時運航がレアらしいので並んでみた。
盆踊りステージがよく見えた。夏の終わりの色してる。
並びながら関連記事漁るうち、やっぱトリックメイズのが好みだし雨で入れないとかなったらやだなと思い直してそっち優先することにした。
そんなこんなでトリックメイズ。(16時50分-17時30分)
ここで2コース分の800円払って現金は尽きた。笑
知力コース20分、体力コース15分で脱出成功。目一杯のお楽しみと引き換えに、明日の筋肉痛は決定づけられた…閉店ガラガラ。
何の変哲もない爽健美茶がこんなにも…ゔめえ…!
力なく坐して休憩。(17時半-18時)
雨予報なくなってる!めでたい!!こんな日は天も空気読むね。
今日はもう花火を見れたら悔いなしかな。
しゃがみ込んだ場所から見えたMAGICKのつづり。
94年続く遊園地が公式で間違っとらんだろうと思ってぐぐってみた。magicの初期近代英語(1450-1650頃、シェイクスピアの著作に代表的)のつづりだそうな。
魔術的意味合いもあるらしいぞ。
いよいよクライマックスを感じながら、94年の歴史展へ。(18時-18時30分)
地に後ろ足のついた木馬っち。神は細部に宿る。
サッチーの水着ポスターににっこりした後、スタッフのメッセージが貼られたボード見て普通に泣いた。歴史に涙腺弱い。
夜景を味わったり、2本目の爽健美茶飲んだり。(18時30分-19時)
トロイカを撮ったこちらが本日のべストショット。
気づけば今にも降ってきそうなフライング・パイレーツの迫力に慄いて屋根のあるところへ退避。
一応ぐぐってみたけどやっぱし園内にATMないってよ。
次の火曜日も、ないんだよ。
交通系ICが使えるマサラでめっちゃ並んでタンドリーチキン1個食べた。(19時-19時40分)
それから待望の今年初めての花火を見たよ。(19時40分-20時15分)
マサラで聴こえた話を参考に場所取りしてたポジからはちょうど見えず、開始1秒で立ち上がったよ。
これが
こうで
こうじゃ。
序盤「もう花火では感動できないのかも」ってさみしくなりかけたけど、後半は見たことないような種類もあって、感概深かった。同じ花火でも誰かと見たらまた違う気持ちになりそう。
ファイナルセレモニー。(20時15分-20時45分)
後ろに立ってた女の子が号泣してたのにつられて泣いた。
園長から近隣の皆様への謝辞に「なんでお詫びしちゃうの?」って言ってた。
「みんなが見えるよーに、全員座って見よーよ!」ってのが当たり前になればいーのにな。
ライブも座って盛り上がればええやん。
カルーセル・エルドラドの最終運転、肉眼で見たかった。
とはいえ来たくても来れなかった人がいる中で、愛と哀が入り混じる空気を確かにこの身に感じることができたことがありがたい。
私の代わりにiPhoneさんが見てくれた映像置いときます。傾いてるけど素材そのままを優先してあえて直さぬ。
泣いてる子は一人だけじゃなかった。
泣いてる大人も私だけじゃなかった。
としまえん当日漬けド素人の私の心にも、この2020年8月31日を忘れない日として焼きつけた。
たくさんの初めてがあった日だった。
オリンピックのなくなった夏だったけど、歴史を目撃できた。
誕生日やプロポーズの日じゃなくても、特別なことをした日は特別な日になる。
これまで数え切れないくらい、特別な日の舞台になってきたんだろう。
最終日のとしまえんで一日過ごす中で、いくつも次の約束をする声を聴いた。
いろんな世代のいろんな人が来ていた。
つづく。僕たちの人生、ずっとこれからも。
つづく。終わりじゃないよ、そばにいなくても。
94年間、特別な日をありがとう。
これからも特別な日々を重ねていこう。
君たちの名前も見つけるからね。
おしまい。
つづく。