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拒絶している相手が心が開くかもしれない、たった1つの方法

#価値 #和解 #対立 #哲学 #教育 #川柳 #だじゃれ

——— 私たちは個人レベル、集団レベル、社会レベル、国レベルで様々な信念の対立を体験します。それはまるで善悪の戦いのように、全く正反対なものが衝突しているように見えることがあります。そのような状況では、話し合いが膠着状態に陥り、なかなか前に進まないことがありますが、歴史を振り返ると、自分が大切にしていた価値を相手が認めることで、話が前進し、事態が好転した事例がいくつもあります。

例えば、南アフリカにおいて長い間続いていたアパルトヘイトの政策について、大統領がネルソン・マンデラの大切にしていた双方の和解の意思や、人種を超えた平等、民主主義の価値を認めたことで話が前進し、アパルトヘイト問題の解決に向けて民主化が進んだ事例があります。

また、インドにおける独立運動の中で、マハトマ・ガンジーが示した非暴力不服従の価値や道徳性をイギリス側が認め、インドの独立が実現した事例もあります。アメリカの公民権運動においては、過激な手法を支持していたマルコムX氏がマーティン・ルーサー・キング・ジュニア氏の非暴力的なアプローチの価値を認め、互いに協力し合って公民権運動が大きく前進したこともありました。

政治以外の文脈においては、日本で地下鉄サリン事件が起きたときに、サリンを製造した容疑者と科学捜査研究所の代表が一対一で話したときに、容疑者が科学者として価値を置いていた化学を軸に話を進め、それが事件解決に結びついた事例もあります。

現実には、事態は複雑で、簡単には解決できないことがほとんどですが、まずは相手に対する思いを一旦保留にして、相手が大切にしている価値を見出し、それに価値を置くことで話が前進することがあるようです。これは私が日々子どもたちに接していて分かることですが、大人の目から見て意味の分からない、どうでもいいと思われることに対して、非常に大きな価値を持っていることが多々あるのです。それを大人のフィルターで切り捨ててしまっては、いつまでたっても子どもたちは心を開いてくれません。まずは自分の考え方を一旦保留して、相手の価値を受け入れることが、話を前進させる一つのきっかけになる可能性があります。​​​​​​​​​​​​​​​​

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