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BtoB展示会の運営から成果創出ノウハウまで解説!【マーケティング担当者必見】
私が所属する会社では「展示会」の施策はかなり重要度の高い施策となっています。実際、過去の展示会ではROAS400%を達成するなど、数ある施策の中でも成果に直結しやすいです。
そこで次の人に向けて、展示会のノウハウをまとめました。
展示会ノウハウが属人化していて情報のインプットに苦戦している
展示会を担当しているマーケティング担当者
具体的な数値を用いて解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
そもそも展示会とは?
BtoB(Business to Business)における展示会は、企業が自社の製品やサービスを他の企業に対して直接紹介し、ビジネスの機会を探るイベントです。これらのイベントは、特定の業界や市場に焦点を当て、参加企業にとって価値あるビジネスリレーションシップの構築、ブランド認知度の向上、直接的な受注機会の創出など、多岐にわたる目的で開催されます。
目的は様々ですが、自社に最適化した目的を選ぶようにしましょう。私の会社では受注の獲得とリード獲得を主目的として参加しています。
展示会の基本的な構成要素は次の2つです。
出展ブース
セミナー・講演
出展ブース
各企業は、自社の製品やサービスを展示するためのスペースを持ちます。展示会ではこのスペースを「ブース」と呼びます。ブースは、来場者の注目を集め、製品の魅力を伝えるための重要な場所です。そのため、「目立てばいい」「奇抜であればいい」というわけではありません。
ブース内での提案に繋がるように、目立ちつつ売上にも貢献するデザインを目指しましょう。ブースデザインに関しては、シャノンさんが面白い取り組みをしていました。参考にしてみてください。
セミナー・講演
展示会では会場に展示会のテーマに関連する領域内で、そのテーマの専門家や著名人を招きセミナーを実施します。開催されるセミナーを目的にして展示会に来る参加者もいるほどです。
実際にマーケティングWeekで開催されるセミナーのスケジュールを見てみましょう。
![](https://assets.st-note.com/img/1711271074986-nPUx2LJG2a.png?width=1200)
セミナー会場が2つ用意され、登壇者も著名な方が多いです。かなり力を入れていることが伺えますよね。展示会参加者が「どんなセミナーに参加しているか?」を知っておくだけでも、営業トークに活かすことができるので、セミナー情報は日毎でチェックしておきましょう。
展示会の出展目的
私が勤める会社では展示会出展の目的を以下の2つに設定しています。
受注獲得
リード獲得
他にも認知獲得のために展示会に出展する企業もあります。
受注獲得
展示会は、製品やサービスを直接顧客に紹介し、その場でビジネスの契約につなげる絶好の機会です。最近では、BtoBビジネスにおいてオンラインでの商談が主流になっているかと思います。
一方で、展示会ではオフラインのコミュニケーションを取ることができるので、直接的な対話を通じて、顧客のニーズや疑問に即座に応えられます。
リード獲得
展示会では、名刺交換を通じて多くのリード(見込み客情報)を獲得することができます。これらのリードは、後日のフォローアップによって、長期的な顧客関係の構築や将来の受注に繋げることができます。実際に私の会社でも展示会数ヶ月後に3件ほどの受注が決まった経験もあります。
展示会でのリード獲得は、特に新規顧客を開拓する上で効果的な手段となります。リード情報の適切な管理と活用は、マーケティング戦略の成功に不可欠です。
展示会のメリット・デメリット
メリット
受注に繋がりやすい
CPAを低くしつつリードの獲得ができる
受注に繋がりやすい
展示会は、製品やサービスを直接見て触れることができるため、来場者の関心を高めやすく、受注につながりやすいです。顧客のニーズを深く理解し、提案の精度を高めることができます。
CPAを低くしつつリードの獲得ができる
展示会は、多くの潜在顧客と接触することができます。これにより、比較的低いコストで高品質なリードを獲得することが可能になります。特に、特定の業界に特化した展示会では、ターゲットとなる顧客層に直接アプローチできるため、効率的なリード獲得が期待できます。
一度の展示会で1,000から2,000件ほどのリード情報を獲得することも難しくありません。リードCPAにすると2,000円から5,000円ほどです。
デメリット
出展費用が掛かってしまう
事前準備なしの提案になるので、営業の実力が必要になる
出展費用が掛かってしまう
展示会への出展には、ブースのレンタル費用、デザイン・装飾費用、資材の制作費用など、多額の初期投資が必要です。また、スタッフの人件費や交通・宿泊費などの運営コストも考慮する必要があります。そのため、マーケティング予算が少ない企業にはおすすめできません。
営業の実力が必要になる
展示会では、来場者からの即興の質問や要望に対応する必要があります。そのため、製品やサービスに関する深い知識、即座に対応するための営業スキルが求められます。事前に十分な準備をしておくことが重要ですが、場の雰囲気に応じて臨機応変に対応できる能力も必要とされます。
展示会のKPI
展示会のKPIは4つです。
名刺獲得数
ブース送客数
アポ数
受注数
なぜなら、展示会で獲得したリードが以下のように受注に繋がっていくためです。
![](https://assets.st-note.com/img/1711271120328-MXldFSwHKc.png?width=1200)
各指標について解説していきます。
名刺獲得数
展示会での最も基本的なKPIの一つが「名刺獲得数」です。名刺獲得数が多いほど、より多くのリードを獲得していることになり、それが受注機会の増加に寄与する可能性があります。
1人あたりの名刺獲得枚数の目安としては1日当たり1人100枚です。電子名刺の読み込み機を導入すればさらに多くの名刺獲得ができるでしょう。私の会社では導入することで1.5倍ほどの獲得に繋がりました。
ブース送客数
「ブース送客数」は、展示会場内でのブースへの来場者数を指します。送客数は、ブースのデザインや展示内容が来場者の関心を引きつけている証拠であり、ブランド認知度の向上にも寄与します。
名刺交換担当とブース担当を分け、選択と集中を行うことで名刺獲得枚数とブース提案の質の最大化を図ることができます。そのため、名刺獲得者が来場者のヒアリングを行い、自社商品で満たせそうなニーズを持っていればブースに送客する、という流れを組むようにしましょう。
アポ数
ブースに訪問してもらい商談を実施し、そこで興味を持ってもらえそうなら、後日別日にアポを組むようにしましょう。ブース商談時に、自社商品についての魅力的な紹介をすることができれば、後日の商談に繋げることができます。
受注数
最終的な目標である「受注数」は、展示会の成果を最も直接的に反映するKPIです。受注数は、展示会を通じて獲得したリードが実際のビジネスとして成立した件数を示します。この数値が高いほど、展示会のROI(投資収益率)が高いことを意味し、展示会参加の成功を物語ります。
展示会運営|準備編
出展可否判断
出展ブースの決定
シフト決め
KPIの設計
出展可否判断
出展の可否判断は1年前には済ませておきましょう。人気の展示会で立地の良い出展場所を予約するには、1年前の予約がおすすめです。展示会において、出展ブースの場所はとても重要です。そのため、来期分の出展のために、今期からの予算取りを行うようにしておきましょう。
出展ブースの決定
展示会の成果には、ブースの位置とデザインが大きく影響します。特にブースの位置は非常に重要です。出展位置は来場者の流れや注目度に直結するからです。そのため、「どの位置に、何小間で出展するか」を決定することは展示会出展の1年前までには決定しておくことをおすすめします。
シフト決定
展示会では、ブースに常にスタッフがいることが重要です。営業チームからリソースを借りることになるため、展示会の1ヶ月前にはシフトを決定し、正式に依頼できるように調整します。これには、展示会全体のスケジュールを把握し、各スタッフの可動時間を確認する作業が含まれます。また、緊急時の対応や休憩時間も考慮に入れ、フレキシブルなシフト計画を立てることが望ましいです。
KPIの設計
展示会の成功を測定するためには、明確なKPI(重要業績評価指標)の設計が必要です。名刺交換やブースでの提案活動など、メンバーが決まれば、全体の目標から逆算して個々人のKPIを設計します。
これには、リード獲得数、商談機会の数、具体的な受注目標などが含まれます。KPIは、事前にチーム全員で共有し、目標達成に向けたモチベーションを高めるためのものです。
展示会運営|当日編
展示会当日は、計画通りに事が進むとは限りません。そのため、柔軟性を持って対応することが重要です。
KPIの進捗管理
シフトの管理
KPIの修正
展示会の目標達成には、設定したKPI(重要業績評価指標)が重要な役割を果たします。しかし、予想外の事態や来場者の反応によっては、当初のKPIが現実と合わなくなることがあります。
展示会が複数日にわたる場合、初日の終わりにはその日の成果を振り返り、必要に応じてKPIを修正します。例えば、初日に目標の半分しか達成できなかった場合、残りの日程でビハインドをカバーできるように計画を見直す必要があります。
さらに理想的なのは、1時間ごとに進捗をチェックし、リアルタイムで対応策を講じることです。これにより、小さな調整で大きな差を生むことが可能になります。
シフトの管理
展示会では、ブースに常にスタッフがいることが重要です。しかし、人員の動きは予想外の事態によって変わることがあります。たとえば、急な来客による対応や、予定外の商談が長引いた場合などです。
シフト管理では、時間ごとに誰がどの位置にいるべきかを明確にし、実際の動きとのズレがないかを常に確認します。これにより、ブース内での人員配置の不均衡を防ぎ、来場者に対して常に最適な対応を提供できるようにします。
展示会運営|出展後編
獲得した名刺の読み込み
アプローチリストの展開
リードの精査を行う
獲得した名刺の読み込み
獲得した名刺の読み込み
展示会で交換した名刺は、新たなビジネスチャンスの扉を開く鍵です。展示会最終日には、獲得した全ての名刺をデジタルデータに読み込む作業を完了させましょう。これにより、営業チームが迅速にアプローチするためのリストを作成できます。名刺の情報を正確に、かつ迅速にデータベースに入力することが、後続の営業活動の効率性を高めるためには不可欠です。
アプローチリストの展開
名刺読み込み作業が完了したら、次は営業チームが使用するアプローチリストの展開です。このリストには、展示会で接触した見込み客の連絡先や関心事項など、営業活動に必要な情報が含まれます。展示会終了後、翌営業日の正午までにはリストを展開できるように準備を進めることが理想的です。これにより、営業チームは展示会での熱量が冷めないうちに、効果的なフォローアップを行うことができます。
リードの精査を行う
展示会で獲得したリード(見込み客情報)全てが、必ずしも質の高いビジネスチャンスとは限りません。リードを一件一件精査し、実際にビジネスの機会につながりそうな良質なリードを選別する作業が重要です。
具体的には次のようなステップでリードの精査を行いましょう。
電子名刺情報と紙名刺情報を合わせる
全獲得リードを一覧化
リードを1件ずつ確認する
この精査作業を通じて、どのリードが最も有望かを判断し、営業リソースを効率的に配分します。また、他の展示会との効果比較や、成果が出なかった場合の原因分析(営業要因かマーケティング要因か)にも役立ちます。
展示会実施時の注意点
展示会出展の予約は1年前には済ませておく
展示会のブース位置は、その可視性やアクセスのしやすさによって、来場者の流れや興味を大きく左右します。人気のある展示会では、良い位置を確保するためには早めの予約が必須です。1年前、あるいはそれ以上前から計画を始めることで、理想的なブース位置を確保し、展示会での成果を最大化することができます。
全社を巻き込んで実施する
展示会の成功は、マーケティング部門だけの努力では成し遂げられません。製品開発、営業、カスタマーサポートなど、関連する全ての部署が連携し、一丸となって取り組むことが重要です。
展示会を通じて得られるフィードバックは製品改善に役立つ貴重なものであり、営業チームにとっては直接顧客と接触できる絶好の機会です。全社を巻き込むことで、展示会の準備と実施の質を高め、成果を最大限に引き出すことができます。
また、展示会に参加してくれるメンバーへは最大限の感謝を伝えるようにしましょう。展示会は確かに予算も大きく社内的にも優先すべき施策ですが、みんながみんな参加したいわけではありません。
なので、「ありがとうございます!」の一言を忘れずに各所への連携を心がけましょう。
申請等の各準備は早め早めに進めておく
展示会出展には、ブースの予約だけでなく、さまざまな申請や準備が必要です。これには、出展する製品の安全規格や展示会場のルールに関する申請、必要な設備やサービスの手配などが含まれます。これらの準備には時間がかかることが多く、締切を逃すと出展自体が危うくなることもあります。計画的に早めに準備を進めることで、スムーズな展示会出展を実現しましょう。
獲得したリードに対してのアプローチは必須
獲得したリードに対しては中長期でのアプローチが必要不可欠です。展示会の多くの来場者は明確な目的を持っていません。そのため、受注までは中長期に渡る時間を掛ける必要があります。