「ほんとうのわたし」との同一化に気づくまで《1》(日本に古くから伝わる、神話的な物語)
「神話」と言うと、「政治」に関連した、各氏族の出自に係わる「象徴物語」と言うのが、一般的な「神話」に対する理解でしょうか。
私はそこを一歩進めます。
まずは、「物語とは何か」を理解するところから始めたいと思います。
これを正しく理解しないと、何を言っているかがわからなくなるからです。
あまり意識していないと思いますが、普段私たちは「人生という物語」を生きています。それを仏教では、「妄想(モウゾウ)」ともいいます。
「禅仏教」で言う、「莫妄想(まくもうぞう)」とは、「妄想することなかれ」と説かれ、「勝手な物語を作るな」という意味でもあります。
これらは、「生死を超えた意味」での「物語」でもあります。
ではこの「物語」とはいったい何でしょうか。
私達が普段「物語」と言う場合、昔話の様な「架空のお話」のことを指しますが、ここでいう「物語」とは、「人間関係」や「社会的な事象」や「政治的な活動」の事を指します。
人生で言うと、いろいろな「価値」や「意味」が交錯し合う「社会的な活動」の事です。そこには、数々の「人間ドラマ」が繰り広げられます。
こういった「人間ドラマ」は、「人類の営み」そのものとも言えます。
さて、では、「物語以外」とは一体何なのか。。。それは「無機的な物」、つまり物理学が取り扱う、「物質的」、「粒子的」な、因果で表現される、「無機質な出来事」のことです。
え、そこにも「物語」があるって。。。
いえいえ、それは「人間」が「物語」に仕立てているだけです。
よく科学番組で、「宇宙のドラマ」なんて言いますが、人間側が勝手にドラマとして扱っているだけなのです。そこは、人間的な「価値や意味」は微塵も存在しない、ドラスティックな「現象の世界」です。
え、「神々の価値」があるって、それは人間側の都合で作られた、いわゆる「架空の物語」です。
ここまで言うと、急に怒り出す人がいます。
「人間に存在としての価値や意味がないなんて、いったいどういうことだ」と。
でもよく考えると、「矛盾」に気が付きます。
これは、「無機質な出来事」を「人間」や「生命」と同一視した態度だからです。
そう、こういった意味で「物語」とは、「人間」や「生命」が持つ「属性」、つまりは、「生命現象」そのものだと考えます。まあでも、ここに「現象」という表現を持ち出すことにもいささか抵抗がありますが。。。そうそう、「生命活動」という言葉の方がしっくりきますね。科学は、これら奇跡の営みを「偶然」や「確率」としか表現できていませんしねえ。
まずはこれを押さえておいてください。
さて、私が酷い「神経症的な睡眠異常」に悩まされて居た頃、世の中は絶望的に写っていました。その頃は、「悍ましい悪夢」の連続で仕事も煮詰まり、自身の生活も乱れに乱れ切っていたのです。周囲に知り合いもない会社の地方の独身寮でただ一人、自分で自分を慰める退廃的な日常を過ごしていました。
スピリチュアルを商品として提供するなら、こんなことは、書かない方が良いのだろうと思いますが、避けては通れない肝心なところでもあります。
この悪夢が、「明晰夢」と呼ばれる特殊な夢であることに気付き始めたのは、東京の小平に住む様になって、いろいろな書籍に触れるようになって以降の事です。
その頃私は、子会社の地方支所に出向の身分で、そこから依頼された出張作業で孤軍奮闘していました。そこでの開発の仕事も大赤字と言った有様で、そのため上司からは睨まれ、周囲からもほっとかれ、ついには嫌がらせへと発展して行きました。
毎日のように上司の前に立たされて怒鳴られました。
そんな状態なので、世の中全てから攻撃されている様に感じ、誰からの助言も信じられない状態だったのです。
周囲には仲間もおらず、実際にこんな有様を、最初の頃は、会社の誰も助けてくれなかったのです。
何故そんな理不尽に耐えられたのか。。。仕事は大赤字でしたが、完全に終わらせました。決して投げ出すことはしませんでした。
大赤字の原因は、最初の見積もりの失敗で、てこ入れに二の足を踏んだことが原因です。完全に私は無罪とまでは言いませんが、管理側の責任も大きいと思います。
その頃は、そこまで自分を分析していた訳ではありませんが、心にやましいことはなく、技術力に対する高い自負心もあり、ここから逃げ出すことさえも許せなかったのです。
そしてその日はやって来ました。
此処から「覚醒(まだその頃は、何が起こっているのか全く分かっていませんでしたが)」までのくだりは、過去ブログにも書きましたのでそちらをご参照下さい。
「最初のインパクト」
https://note.com/mr_mu/n/n3e3f5f824ae6
次週からは、私が、「"ほんとうのわたし"との同一化」や「覚醒」に気付いていく過程と、「日本神話」との関りについて、出来るだけ具体的に書こうと思います。