教材に添えるイラスト、どうする?【特別支援教育】
こんにちは。Mr.チキンです。
特別支援学級では、事前学習を大切にしています。
見通しをもち、安心して、安全に学習するためです。
例えば、(季節外れですが)水泳学習の時に下のようなことを教えます。
これだけで分かる子だったら良いのですが、
特に低学年の子は、文字だらけだとスーッと心が離れます。
文字だけだと子どもたちの想像が追いつかない場合、我々教員はイラストに頼ります。
自分で描ければ一番ですが、難しい時は私は無理せず無料サイトからダウンロードすることにしています。
今日は、教材に添えるイラストというマニアックなネタについてお話します!
イラストがバラバラだと、心もバラバラに・・・
インターネットで画像検索して教材に当てはめていくと、
どうしても画像サイトがバラバラになります。
上の教材の場合、とてもかわいいイラストで、イラスト自体は完璧でかわいいのですが、統一感が無くなります。子どもによっては、それぞれのイラストの情報を処理することで手一杯になり、必要な情報にたどり着かないことがあります。だんだんと話が聞けなくなり、離席。水泳学習どころじゃない!みんなの心がバラバラな状態に・・・ということだってあります。
そこで、Mr.チキンは画像サイトを統一して教材を作ることをおすすめしています。
イラストやさん一強か?
イラストと言えば、昨今はイラストやさんですね。
本当にお世話になっています。学級通信などに添えるととても華やかになります。
イラストやさんの素材を使って教材を作るとこうなります。(先生の話のところは写真を使います。今回はプロフィール画像です。)
中学年から高学年にはこちらを使うことが多いです。ただ、線の境界線が曖昧だったり、服の模様があったり、画像によって人物が違ったりと、子どもによっては情報が多すぎることがあります。
Droplet Projectさんの場合
Droplet Projectさんというサイトがあります。
DropletProjectさんの画像は、イラストやさんよりも一般に認知されていないかもしれませんが、特別支援教育界隈ではかなり有名なサイトです。
この説明にある通り、シンプルなデザインになっています。DropletProjectさんの素材で作成すると、下のような教材になります。
より、シンプルになりました。登場する子どもの顔も統一感があり、子どもたちの中で処理する情報が少なくてすみます。中学年以降の子にとっては少し子どもっぽすぎるかもしれません。
写真・イラスト問題
番外編ですが、「視覚支援なら写真を使えば良いんじゃない?」
という意見もあるかと思います。
イラストは抽象性が高いので、理解が難しいお子さんも中にはいます。
そういったお子さんには、写真を使います。
ただ、写真というのは非常に情報が多いものであるという特徴をおさえておく必要があります。
例えば、有名な話に、バス通学の事前指導の話があります。
ある子が、高校からバスで登校すると言うので、教員はよかれと思って事前学習を行いました。
そして、よかれと思って次のような写真を出しました。
「船28」「○○行き」だよ。と伝え、学習を終えました。
土・日で保護者と練習してくるという宿題をだしたのですが、
月曜日に連絡帳にて「先生の言っているバスと違うから、乗らない」と言って、乗車できませんでした。という報告があったそうです。
そうです。この子は写真の中の「S138」や「20-01(ナンバープレート)」などの他の情報に注目してしまっていたのです。
教師の見せたい情報が、必ずしも子どもの注目したいものと合致するとは限りません。写真よりもイラストにして、シンプルな情報を伝えたほうが良いこともあります。
写真を用いる場合は、全体に見せる教材よりも、個人の持ち物などの写真を用いた個別の教材に良いかもしれません。
うまく使い分けていこう!
子どもたちに情報を的確に伝えていくためには
①文字情報だけで伝わるか
②イラストは統一感をもっているか
③情報量は多すぎないか
④イラストや写真の特徴を生かしているか
⑤年齢や発達段階に適しているか
といったチェックをして作成すると伝わりやすいことが多いです。
でも、これって対子どもだけの話じゃないですよね。
何か伝えたいことがあった時は、ぜひ活用してみてください!
では、またね~
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