オムロン社「障害者の体調予見に顔認識技術」から考えること
こんにちは。今年はマラソンの大会を再開するニュースがたくさんあり、走るモチベーションが上がってきました。Mr.チキンです。今年こそはサブスリー目指しますよ~。
さて、今回はYahoo!ニュースより、「障害者の体調予見に顔認識技術」というものがあったので、それについて話したいと思います。
これ、すごくありがたい技術です。
表情に表すことが難しいという問題
いきなりですが、人によって、顔は違いますよね。
全員が同じ顔だったら、、、とても怖いですね。
顔が違うということは、表情で表せる幅も違うということです。
女優さんのような表情で人を感動させることは私にはできません。
中にはさらに表情で表す幅の狭い人たちもいます。
一般的に、自閉傾向のある方や知的な障害のある方は表情で何かを伝えるということが難しい、あるいは表情から第三者が状態を読み取ることが難しいということがあります。
私も、授業をしている時に、いつもと同じ表情で私の元に歩いてきた子が、何も言わずに倒れたことがありました。「具合悪いのに頑張っていたのか・・・分かってあげられなくてごめん」と、とても反省しました。幸い大事には至りませんでしたが、好不調を伝えられないということは作業効率だけの問題ではなく、命に関わる問題になることもあります。
今回のオムロン社の実践は、そのような問題に対するアプローチと言えるでしょう。
表情に表すことができない部分を読み取るプロもいる
私が初任者だったころ、その養護学校には重度重複障害の学級がありました。基本的に寝たきりであり、起きている時も麻痺を抱え、自分の意志とは別の方向に手足が動く状態。言葉での意思疎通のみではなく、表情も読み取ることが難しいお子さんがいました。ただ、その担任は、その子が「水を飲みたい」「歌を歌ってほしい」「体を動かしてほしい」ということが、分かっているのです。
なぜ、分かるのか、初任者だった私はそのA先生に聞いてみることがありました。その先生は驚くことに、「体温と脈拍、そして尿の量を細かく見ていったら、その子が何をしたいのかが分かるんだよ。」とおっしゃいました。若かった私は、「でも、間違っているかもしれないですよ。」と言いました。するとA先生は「そこはトライアンドエラーだよね。私が間違えていたら、この子は違うよという反応を示す。示すように教えてきた。だから、私が間違えていたら軌道修正をしていくんだよ。」と教えてくれました。「でも、それってどんな人とも同じなんじゃない?」という言葉を添えて。
初任者だった私は、A先生とその子が二人三脚で過ごしてきた長い年月にただひたすら敬服してその様子を見ていました。
一人が分かっていれば良いのか
ただ、そのような職人がどこにでもいるわけではありません。職人がいない場所に障害がある人や表情の幅の狭い人が行ってはいけないのか?そんなはずはありません。表情を読める人がそばからいなくなったら?といった問題を考えると、多数の人がその人の表情を読めるということが大事だと思われます。A先生も、その子について分かったことはコミュニケーションリストとしてまとめていました。次の担任に引き継ぐためだそうです。
オムロンの取り組みも、一人だけがその人の意思を汲み取れるのではないということに価値があるのではないでしょうか。
まとめ
一見すると、さらりと流れてしまいそうなニュースでしたが、今回は深く取り上げてみました。
という文面から考えると、きっと、このオムロンという会社は一人ひとりに向き合うことを大切にしてきたのだろうと思います。きっとA先生のような心を読み取る職人のような人もいたのかなと想像します。そして、さらにその支援者から離れ、障害のある人も無い人も、のびのびと社会参加できるための基盤を作ろうとされたのかと思います。ステキですね。
AIやVRなどの技術革新が続いています。その流れが幸せな人を増やすために使われることを願っています。
では、またね~
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?